こんにちは! 韓国でバイリンガル子育て奮闘中のまめちゃん( @mame_chang )です。バイリンガル子育てって、親ばかりががんばってもうまくいかないし、子どもだけががんばってもうまくいかないような気がします。
という気持ちで、親は子どもをバイリンガルに育てようとします。バイリンガル子育ては、親だけががんばっても子どもとぶつかってしまうこともあります。また、子どもが小さいうちは子どももバイリンガルに育ちたい!という意識がまだ芽生えていないこともあります。
そして、家庭によっては、親子の二人三脚や家庭内での協力がうまくいって子どもがバイリンガルになることもありますが、そうではないこともあります。
理由はさまざまで、親がバイリンガル子育てをしないということを選んだり、親がバイリンガル子育てはできないと考えたりする他に子ども自身がバイリンガルに育てられるのを拒む場合があります。
今回は、バイリンガル子育ての中でも「子どもがバイリンガルに育てられるのを拒否」した例を挙げてその理由と共に、どうすればいいかを考えてみます。
「パパ、みんなの前で英語でしゃべらないで」から思うこと。
今回はまず、次の国際結婚家庭の例を挙げたいと思います。
★<Aさんのご家庭>
- 住んでいる国:日本
- 夫婦がわかる言語:夫はアメリカ人(英語と日本語)、妻は日本人(日本語と英語)
- 子どもの数: 2人(小学生)
- 通っている学校:日本の一般的な学校。子どもたちは日本生まれの日本育ちでアメリカには旅行で訪れた程度。
このご家庭では、夫婦共に英語と日本語がわかるので夫婦間では英語を使ったり日本語を使ったりしているそうです。
子どもさんは小学生で、上のお子さんが幼稚園児の時にショックなことを言われたそうです。それは幼稚園に迎えに行った時のことでした。
それまで子どもさんとは英語と日本語で話していたので、このひと言には驚いたそうです。詳しくはわかりませんが、その後は英語で話しかけても日本語で答えるようになってしまったとのことです。
「みんなの前で◯◯語でしゃべらないで」?!
この他にも日本在住の日本人と父と中国人の母を持つお子さんも、
と言われたという話を聞いたことがあります(Bさんのご家庭)。Bさんのご家庭は、先ほどのAさんのご家庭とほぼ同じ状況です。
★<Bさんのご家庭>
- 住んでいる国:日本
- 夫婦がわかる言語:夫は日本人(日本語のみ)、妻は中国人(日本語と中国語)
- 子どもの数: 2人(小学生)
- 通っている学校:日本の一般的な学校。子どもたちは日本生まれの日本育ちで中国には旅行で訪れた程度。
また、うちは韓国在住の日韓夫婦ですが、上の子が小学生になりたてのころに
と言われたことがあります。このようなことは、どうして起こるのでしょうか。あいにくAさんは子どもさんとそれについてゆっくり話す機会がなかったそうで、理由はわからないそうです。
またBさんの家庭では、それ以来人前はもちろん家庭でも母親が中国語を話すのを嫌がり、結局日本語のみで育てているそうです。理由を聞いてみたらお子さんに、
と言われたそうです。うちの子どもにも理由を尋ねたら、
と言っていました。その後、私も気をつけるようになったことと、小学校のクラスで担任の先生がうまくカミングアウトする機会を作ってくれたことにより、だんだんと言わなくなりました。
なぜ「みんなの前で◯◯語でしゃべらないで」?!
それでは、子どもたちが「恥ずかしい」や「目立ちたくない」と思ったのはどうしてでしょうか。
それは多分、このAさんやBさん、そしてうちの子どもが置かれた環境がほとんど日本語のみ、または韓国語のみなので違う言語を話していると目立って恥ずかしいと子どもたちは感じたからのようです。
そしてこの「みんなの前で○○語でしゃべらないで」は、「みんなと同じでいたい」「目立ちたくない」と言う子どもたちの気持ちの表れなのだと思います。きっとこれは多くの民族が暮らす国や地域で育つ子どもには見られないことではないかと思います。
他にも、英語であれ中国語であれ日本語であれ、友達の親と違う言語を自分の親がしゃべることで、周りがどのように思うかというのも子どもは気になるのではないかと思います。
こんな気持ちでいるのかもしれません。
家族で話し合いと臨機応変がカギ
バイリンガル子育てをしようと思って実践している親にとって、子どもの「ママ(またはパパ)、みんなの前で◯◯語しゃべらないで。」はショックですが、これはきっと子どもをバイリンガルにしたい親の気持ちと、みんなと同じでいたい子どもの気持ちがうまく噛み合ってないことから生じるのだと思います。
しかし、どちらかの思いを強く全面に押し出してしまうと、親子の間で多分摩擦が起こると思います。親がみんなの前で話しかけても黙ってしまったり、子どもの言うことに100%合わせるとバイリンガルになってほしい言語が伸び悩んだりするかもしれないと思います。
やはり、家族との話し合いで次のようなことを決めておくといいと思います。
・いつでもどこでもバイリンガルになって欲しい言語(うちの場合は日本語)で話しかける?
・状況によって臨機応変に使い分ける?
のかを決めておくといいかも知れません。この2つのうち、「いつでもどこでも...」は、文字通りいつでもどんな環境、どんな人といてもバイリンガルになってほしい言語を使うということです。
そして、「状況によって臨機応変に使い分ける」というのは、たとえば子どもが友達といる時は、現地の言語(私の場合だと韓国語)を使い、家族といる時や親といる時はバイリンガルになってほしい言語を使うというものです。
ちなみに私は、子どもに前に
と言われたことを考慮し、家の外で子どもが小学校の友達といる時は韓国語で子どもに話しかけることもあります。特に母親が日本人だと知らない友達と一緒にいる時です。この方法は、バイリンガル教育の「1人1言語の原則」に反するとも考えられるのですが、子ども自身がちゃんと理解しているので、混乱にはいたってはいません。
また、親が日本人であることや日本語ができることを学校の先生がうまくクラスメートに知らせてくれたおかげで、友達の方から
と言ってくることもあり、友達の前で私と日本語で話すことは少しずつ抵抗がなくなって来ました。そして私と子どもが日本語で話すのを友達はめずらしそうに見ています。
まとめ
今回は、「パパ、みんなの前で英語しゃべらないで。」というAさんのお子さんの発言をきっかけに、バイリンガル子育てを拒む子どもの話をうちの子も含めて3つお話しました。
今回のような話は、いくら親子といっても子どもは親の思うとおりにはならないし、子どもには子どもの考えや感じ方があることを示しているようにも見えます。
ポイントは次のとおりです。
ポイント
・まずは子どもにはバイリンガルになってほしい言語で話しかける。子どもが拒否してきたら、子どもと話し合う。
↓
・いつでもどこでもバイリンガルになって欲しい言語(うちの場合は日本語)で話しかける?
または
・状況によって臨機応変に使い分ける?
バイリンガル子育てがうまくいくには、家族との話し合いと状況によって柔軟に対応していくことが大切なのではないかと思います。