こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日奮闘しています。
少し前から、韓国だけではなく世界のあちこちでバイリンガル子育てをしている方々にどんな実践をしているのかインタビューを始めて、少しずつご紹介しています。
お話を聞かせてもらったり、お子さんが使っている(使っていた)教材などを見せていただいたり画像を送ってもらえるのは本当にありがたいことで、バイリンガル子育てをしている後輩ママやパパ達には参考になるものばかりだと思います。
今日はそんなインタビューの第三弾で、インタビューに答えてくださったのはKungさんという日本人パパです。
インタビューの方法などを最初に載せますが、もしインタビュー第一弾と第二弾を読んでくださった方は、その下の「概要」からお読みください。
的を絞った方法で目指すバイリンガル子育て【実践!みんなのバイリンガル子育て③ Kungさんの場合】
★インタビューの方法(前回と重複部分)
インタビューは、直接会える場合は会ってお話を聞き、地理的に遠いなどの理由で会って話せない場合は、SNSなどのボイストークで、またはSNSやメールでのやり取りを繰り返す形でお話を聞きます。
このインタビューは、ご本人に聞いた内容を元に書きますが、あまりにも詳しく話を聞きすぎて個人が特定される可能性がありそうな場合は、「非公開」という言葉を使うことにしようと思います。また、名前は、ご本人の意向に沿って、ニックネームで書いてあります。
バイリンガル子育ての概要
それでは、Kungさんのご家庭の様子からまず見てみることにします。
- 住んでいる国:日本
- 夫婦がわかる言語:夫(日本語、中国語)、妻(標準中国語、台湾語、日本語)
- 子どもの数: 2人(小学生)
- 通っている学校のタイプ(現地校、日本人学校、インターナショナルスクールなど):日本の小学校
- 目標としている言語:中国と日本語
- どうしてバイリンガル子育てを始めましたか。:国際結婚で小さい頃から複数の言語を学ぶ環境があるから。
- 子どもにどんな大人になってほしいですか?: 2つ以上の言語を操れるようになってほしい。多言語を操ることができれば食べて行く上でも有利だと思うから。
- どんな方法でバイリンガル子育てをしていますか。: 母親は上の子にも下の子にも中国語で話しかける。上の子は母親と中国語で話すことが多いが、下の子は母親に日本語交じりの中国語か日本語で答える。下の子が中国語でうまくいえない時は上の子が手伝ってくれることもあるので上の子ほど上手ではない。台湾の親戚と会う時に中国語でコミュニケーションをとる。
- 「うまく行った!という方法を教えてください。」: 子どもたちとは、父とは日本語、母とは中国語で話すようにしていること。中国語のビデオを見せたりスマホのアプリでお話を聴かせたりすること。
- 「もうちょっとこうすればよかった・・・というのがありますか。」:父は日本語だけで、母は中国語だけで子どもたちと話すことを徹底するのが難しい。
- 世界のあちこちでバイリンガ子育てをしているみなさんへ一言お願いします!: 子どもたちがバイリンガル環境にあることは、モノリンガル環境にある人からすると羨ましいことだと思います。それぞれ状況は少しずつ違うと思いますがお互い情報交換できればいいと思います。
- 使ってみた教材などがあれば教えてください:中国語のビデオや映画(主にアニメ)なら、子どもたちは割に進んで見てくれますみてくれます。また「喜馬拉雅FM」というケータイアプリで、中国語の朗読や読み聞かせを聴くことができます。
Kungさんご自身は日本で生まれ育ち日本語のみで生活をしていて、中学校に入って初めて学校で英語という外国語に触れたそうです。一方、奥様は小さい頃は家の中では台湾語(閩南語)を使い、学校では標準中国語を学んでいたので、今では会話はどちらも自由に使えるそうです。
またKungさんは、バイリンガル子育てについて「中国語もできれば、将来仕事でも有利でしょうし、妻自身や妻の家族や親戚とも話ができるのでいいと思っていると思います。私も妻もひとつでも多くの言葉ができることはいいことだと思っています。」とおっしゃっていました。
さらに、多言語を学ぶことは子どもたちが進むべき道の選択肢が増えることや、多様な価値観を認め広い視野を持つ人になってほしいというパパとしての気持ちも語ってくださいました。
しかし、直面している課題もありそれをまとめると次の4つとなります。
- 子どもたちの中国語を「いかに伸ばすか」よりも「いかに維持していくか」。
- 奥様が中国語で話しかけても日本語混じりの中国語で答えたり日本語で答えたりすることもある。
- 周りに中国語の補習校などはない。
- 父は日本語のみ母は中国語のみで子どもたちと話すことがなかなか徹底できない。
今のKungさんお子さん達の環境では周りに中国語ができる人が奥様だけなのと、周りに補習校などがないため中国語を聞いたり話したりする機会が日常的には家の中のみです。そのため台湾からの親戚や来客は歓迎しているそうです。また、1年に1ヶ月ほどは台湾に滞在して中国語環境に子どもたちを置くという方法を取るそうです。
そして、Kungさんのお宅では「読み書き」については本や絵本はありますが、特に教えておらず「聞く」「話す」こと(会話)に集中しています。「聞く」については中国語のDVDや携帯電話のアプリなどを利用しているそうで子どもたちもそれらを楽しんでみているそうです。
Kungさんの実践から
Kungさんの話によると、奥様に中国語で話しかけられても子どもさんたちが、日本語混じりの中国語か日本語で答えてしまうのは、きっと子どもさんたちが言いたいことがあってもそれを意味する中国語の言葉を知らなかったり、ぴったりくる言葉がなかったりするからだと思います。
そうすると「では、知ってる単語の量を増やせばいいのでは?」となりますが、お子さんたちの置かれた環境から考えると中国語で言えないことを全て日本語で覚えてもらおうと思うと、きっと大変だと思います。
「もう中国語なんてしたくない!」という事態になったら悲しいので、「どんな言葉を中国語で言えないか」を観察したり、台湾でよく使う言葉などを選んで優先して教えていくといいと思います。
また、根気強く実践しないといけないのは両親がお互いの言葉を子供たちに使うことを徹底することです。これは私もシデグ(旦那の両親の家)に行ったり韓国側の親戚の集まりに行くと韓国語だけの方が楽なのでついつい韓国語になりがちなのと似ていると思います。かなり意識して自分の子どもたちには日本語にしないと、韓国語に流されてしまいます。
Kungさんの奥様も私と同じ状況だとしたら、日本語にしたら楽だけど子どもたちのために中国語をできるだけたくさん使うという努力をしているのではないかと思います。ただ、私の場合日本語を話す人が日常的に周りに何人かいるのに対して、Kungさんの場合はそうではないようですので、日本語に流されないようにするのはなかなか大変そうです。そうなると奥様と子どもさんたちが中国語で会話をする時間というのはKungさんご一家にとっては本当に貴重な時間と言えると思います。
それから、子どもさんたちの負担を考えて読み書きはせず、会話だけにするというのは的が絞られていると思いました。絵本や教材は家にあるとのことなので、もしかしたらある日突然子どもたちの方から「やりたい!」と言い出す日がくるかもしれません。
まとめ
今回は、日本で中国語と日本語のバイリンガル子育て実践中のKungさんのインタビューをご紹介しました。やはり環境と親の方針を意識することはキーワードだと思いました。私はバイリンガル子育てというと「読む」「書く」「聞く」「話す」のすべてを子どもに覚えてほしいと思うものかと思ったのですが、「会話」だけを集中的にするのも子どもたちには負担ではなく中国語のDVDなども楽しく見られて、いいなと思いました。
最後になりましたが、お忙しい中インタビューに詳しく答えてくださったりDVDや本の画像を送ってくださったKungさん、ありがとうございました!
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