こんにちは! 韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと実践中のまめちゃん(@mame_chang)です。昨日は、
という素朴な疑問についてその理由を書きました(詳しくは↓↓参考記事へ)。
今回は、の「ワンワン」に引き続き、
という新たで素朴な疑問を解決すべく、を日韓バイリンガル児と韓国語のネイティブに協力してもらって実験してもらいました!
犬は「ワンワン」鳴くものだ・・・という日本語の環境で育てられた私は、大きくなってから英語や韓国語を勉強しても、やっぱり犬の鳴き声を聞くと「ワンワン」と鳴いてるように聞こえます。
昨日は、モノリンガル(1つの言語)で育った私は、どうがんばっても犬の鳴き声は「ワンワン」にしか聞こえない、そしてそれはきっと「脳」が関係しているのではないかという話をしました。
そして、モノリンガルで育った私がそうなら、「バイリンガル環境で育った人はどうなんだろう?」 という素朴な疑問が生じて来ました。バイリンガル環境で育った(育てられている)人で、例えば日本語と韓国語ができる人なら、日本語を使ってる時は「ワンワン」と聞こえ、韓国語を使ってる時は「멍멍(モンモン)」と聞こえるのだろうか? と思いました。
その疑問を解明すべく、簡単ではありますが身近にいるバイリンガルの子供に協力してもらってどう聞こえるのかを実験してみようと思いました。
今回は、私の素朴な疑問の答えを探すために身近な人にお願いしてやってみた簡単な実験の内容とその結果、そしてその結果からわかることについてお話ししたいと思います。
実験! 日韓バイリンガル児の耳に犬の鳴き声は「ワンワン」か「멍멍(モンモン)」か?
ではここで、私の素朴な疑問をもうちょっと具体的に書きます。
ちなみに、私の身近な人で私の実験に付き合ってくれたのはうちの上の子と旦那サマです。
どんな実験をしたの?
どんな実験をしたのかというと、内容は次の通りです。
★協力してくれた人たち
夫 : 韓国語だけのモノリンガル(1つの言語だけ)で生まれ育ち英語は中学校から、そして日本語は大人になってから始めた。
上の子 : 母親のお腹にいたころから日本語で話しかけられていて現在小学校高学年。
★音声ファイル
音声ファイルは動画投稿サイトで鳴き声を探す方法もありましたが、時間的に結構長いです。そこでスマホでGoogle検索をしてみました。「犬の鳴き声」と検索したら下の画像のような検索結果となり、スピーカーのマークをクリックすると鳴き声が聞こえました。
一番知りたいのは、犬の鳴き声なのですがダミーとして他の動物の鳴き声も入れて全部で4種類としました。その4種類とは次のとおりです。
- 豚
- 馬
- 犬
- ニワトリ
そして、手順は次のとおりです。
★やり方
まず、紙と鉛筆、音声ファイルを用意。
↓
夫と子供には「今から、ある” 音“を聞くからその音を聞こえたままメモしてほしい。音は2回だけ聞く、メモするのは韓国語(ハングル文字)でも、ひらがなやカタカナ、ローマ字でもなんでもいい」と伝えた。(家庭内での言語は日本語なので、日本語で伝えました。)
↓
練習として、私が手を1回だけ「パンっ!」たたいてみせて「これ、どんな音に聞こえる?!」と聞いてみた。そしてそれをメモしてもらった。
↓
実験開始。動物の鳴き声を4種類聞いてもらってどう聞こえるかメモ。2人には動物の鳴き声だとは言わず「音」とだけ言った。
↓
実験が終わったらメモを見せてもらって、一緒に見ながら実は私が何を知りたくてこんな実験をしたのか説明。
実験に対する私の予測と結果
実験をする前に私が考えた「予測」と実際の「結果」は、次のとおりです。
★.<予測>
私の予測では、夫は韓国語的にとらえて「멍멍(モンモン)」と書くだろうと思ったのですが、上の子が「멍멍(モンモン)」と書くか「ワンワン」と書くかの予測が難しかったです。家の中は日本語なので「ワンワン」かも知れないし、昼間は学校で韓国語なので「멍멍(モンモン)」かも知れないと思ったからです。
★.<結果>
結果は、夫も上の子も2人ともメモはハングル文字でした。以下にそれぞれの回答を書きます。カッコの中はそのハングル文字の音をカタカナで表したものです。
★上の子の回答
1.글럭글럭(クロックロッ)
2.이히히이히힝(イヒヒイヒヒン)
3.꽉꽉킁월월(クゥワックンウォルウォル)
4.꼬깨꼬오꼬오(コケコオコオ)
続いて夫の回答です。
★旦那の回答
1.꿀꿀(クルクル)
2.이히잉(イヒン)
3.왕왕(ワンワン)
4.꼬끼오(コッキオ)
実験結果を見て思うこと
同じ音を聞いたはずなのに、夫と上の子の回答はちょっと違いました。それを見ているとかなり面白いことに気がつきました。
★上の子の回答
聞こえた音をそのまま文字で表してほしいという指示だったので、音を忠実に聞こえたとおりに文字にしてくれました。これを見ていると・・・
1.글럭글럭(クロックロッ) → 豚(ブーブー)
2.이히히이히힝(イヒヒイヒヒン)→馬(ヒヒーン)
3.꽉꽉킁월월(クゥワックンウォルウォル)→犬(ワンワン)
4.꼬깨꼬오꼬오(コケコオコオ)→にわとり(コケコッコー)
豚と犬は、言われないとなんの音(鳴き声)だか、全くわかりません。ちなみに3.の音声ファイルは最初は子犬のすすり泣き(?)ような部分なので、最後の「월월(ウォルウォル)」の部分が本当は「ワンワン」となります。
★夫の回答
夫の回答を見て、「やはり韓国語の影響を受けている」と思いました。夫は大人なので、1つめの音声を聞いてすぐに動物の鳴き声だとわかったそうです。
1.꿀꿀(クルクル)→豚(ブーブー)
2.이히잉(イヒン)→馬(ヒヒーン)
3.왕왕(ワンワン)→犬(ワンワン)
4.꼬끼오(コッキオ)→にわとり(コケコッコー)
ここで、私の最初の「夫は犬の鳴き声は「멍멍(モンモン)」と書くだろう、という予測は見事外れました。しかし!! 残りの豚、馬、にわとりは、どれも韓国語の言い方なのです。では、なぜ犬だけ「ワンワン」??と日本式なんだろう?と思って夫に聞いてみると「あっ!ホントだ~!」と夫は自分でもびっくりしていました。家の中はできるだけ日本語にしていることや、下の子(保育園児)に「ワンワン」という言葉を私が使っているのを旦那は時々聞いていたため、無意識に「ワンワン」と書いたそうです。不思議ですー。
夫と上の子の回答を見ていると、夫は韓国語の影響をモロに受けていていると思いました。それは最初に「今から”音”を聞くので、聞こえたまま文字にしてほしい」と言って、私はひと言も「動物の鳴き声だ」とは言ってないのに、1番目の豚の鳴き声を聞いて「動物の鳴き声だ」と思って4番目まで聞いたので、音を忠実に文字にしたのではなく、自分が「これは馬だ」と思った瞬間、それは上の子のように「이히히이히힝(イヒヒイヒヒン)」ではなく「이히잉(イヒン)」と聞こえたのだと思います。
一方、上の子の回答は、音を文字にしたものとしてはかなり忠実だと思います。これを見ていると、豚は「ブーブー」、馬は「ヒヒーン」となんて、実は鳴いてないんじゃないかとさえ思います。
まとめ
たった2人の例なので一般化はできませんが、実は犬は「ワンワン」とも「モンモン」とも「bow wow」とも「ruff ruff」とも鳴いているわけではなく、私たちは自分の言語によって、そのように「聞かされているだけ」なのではないかと思います。
そう考えると、上の子が書いた「音」が実際の犬の鳴き声なのかもしれません。もちろん、犬の鳴き声と言っても犬の気分によって鳴き方が変わるので、それをひとつひとつ覚えるのは大変だと思います。
今回は、私の素朴な疑問を解決すべく夫と上の子に協力をお願いして実験をした結果を書いてみました。日韓バイリンガル児の上の子は、音をそのまま文字にしてほしいというと一体何語なのかわからない言葉を書きましたが、強いて言えば「豚」と「馬」は韓国語が近いような気がします。また、「ニワトリ」は日本語が近いような気がします。韓国語に近いものと日本語に近いものが混ざっているのは、やはり日韓バイリンガル児ならではなのかもしれない・・・と思いました。