こんにちは。韓国で2人の子どもを日韓バイリンガルに育てている、まめちゃん(@mame_chang)です。韓国在住の私ですが、子どもには日本語はちゃんとわかって欲しい・・・という気持ちでうちの子たちには日本語がわかるように育てています。
そして、このようなブログを書いていると、同じように海外在住で子どもを現地の言語と日本語のバイリンガルやトリリンガルに育てようとしている方とも知り合うことができました。 また、反対にいろいろな理由で自分の母語で自分の子どもに話しかけないママ達というのもいます。
環境や考え方は人それぞれで、正解はあってないようなものです。 しかし、子どもをバイリンガルやトリリンガル、マルチリンガルに育てようとしている立場にいると、どうして自分の母語で話しかけないママやパパ達がいるのだろうと思うこともあります。
それは、きっと私自身がバイリンガル児として育てられたわけではなく、中学生になってから英語を始めてその後自分の興味で韓国語の勉強も始めたため、どうがんばっても日本語のなまりや日本語の影響を受けた間違いをしてしまうという事実があるのと同時に、外国語学習の楽しさも知っているからそんな風に思うんだと思います。
今回は、ふとしたきっかけで自分の言語で話しかけないママに思い切ってその理由を聞いてみたことや、その他の事例を2つご紹介して私なりの考えを書いてみたいと思います。
ネイティブなのに自分の母語で子ども達に話しかけないママ達の話
では、まずネイティブなのに自分の母語で子ども(達)に話しかけないママ達について1人ずつご紹介します。 ネイティブなのに自分の母語で子ども(達)に話しかけないのには、いったいどんな理由や目的、事情があるのでしょうか。
今回は次の3人のママたちの話をして行きたいと思います。
・飛行機の中で出会ったベトナム人ママ。
・アメリカに住む韓国人ママ
・日本に住む中国人ママ
それでは、それぞれのママについて簡単に見ていきたいと思います。
飛行機の中で出会ったベトナム人ママ
このブログを書いている現在、小学校高学年の上の子が4~5歳ぐらいの時に、二人で10日間ほどの旅行に行きました。 パパは韓国でお留守番です(笑)。 私たちの行き先はベトナム(ハノイとホーチミンシティ)経由のシンガポール行きでした。
ベトナム経由なので、韓国からハノイに行く便もホーチミンから韓国に戻る便にもベトナム人親子が何人もいました。 なぜかホーチミンから韓国行きの方が多かったように思います。 それはさておき、あるベトナム人のママが一生懸命韓国語で3〜4歳のお子さんに話しかけているのが聞こえてきました。
内容は「울지마~!(ウルジマ~!/泣くな〜)」や「빨리 먹어~(パッリモゴ~/早く食べなさい)」、「가만 있어!(カマンイッソ!/じっとしてなさい)」などなど、
普通に親が子どもに言うことばかりです。 そして失礼ながら、外国人である私でもわかるほどベトナム語なまりの韓国語でした。 もちろん、私が韓国語を話す時も日本語なまりが出るので、
と思いました。 しかし、もし私が同じような状況になったらきっと韓国語ではなく日本語で子どもに話しかけたと思います。そこで、私は思い切って韓国語でそのママに聞いてみました。
するとそのママは、こう答えました。
そしてもう1つ聞いてみました。
ときくと
という回答でした。 なるほど・・・確かに私も義理の両親や韓国側の親戚がいると旦那も子どもも韓国語になるので私も韓国語にした方が楽なので、その気持ちはとてもよくわかります。
そんなわけでこのママの場合、子どもにそれでもベトナム語がわかるようになってほしいという方向には行かず、韓国語一色になる道を選んだようです。
アメリカに住む韓国人ママ
これは私がアメリカの南部に住む、知り合いの韓国人ママと話してた時の話です。 この方は私が韓国からアメリカに行く飛行機の中でたまたま隣の席になった韓国人の60代の方でした。この時も、私は上の子と二人で飛行機に乗ってたのですが、最初は私たちが日本語でしゃべってたので言葉が通じないと思ったようでした。
しかし、客室乗務員の方と私が韓国語で話しているのを聞いて、なんとなくおしゃべりが始まりアメリカまでの長いフライトの間、初対面でしたが色んな話をしました。 この方ののご主人はアメリカ人で韓国語がわかりません。 そして子どもさんは成人してアメリカで働いています。
子どもさんの話になった時に気になったので聞いてみました。
答えは、
聞くと、小さい頃から韓国語で少しずつ話しかけてきたけどアメリカでずっと住むなら韓国語より英語かな、と思ったそうです。 そのため、娘さんは韓国語は聞いたら多少はわかるけど、ほんとにちょっとだけという感じでした。
ご主人も韓国語がわかるというわけでもないということで、特に韓国語は意識せずほとんど英語だけで子育てをしたそうです。 ちなみに、このママはアメリカ在住20年を超え、私と韓国語で話してる間も、単語や文で英語がはいってました^_^;
日本に住む中国人ママ
以前、仕事関係で出会った人の中に日本在住の中国人ママがいました。 このママはご主人が日本人で日本語が非常に達者な方です。 当時の記憶では、お子さんが2人いていずれも小学生とのことでした。
そして、やっぱり私が聞いたことは、
でした。すると、
と非常に流暢な日本語で答えてくださいました。 なんでも、お子さん達は中国語をママが話すことで注目をあびたり、みんなと違うと思われるのが嫌だったのかもしれないとのことでした。 そして、なんと家でもママが中国語を話すことは嫌がったそうです。 ちなみに日本人のご主人は中国語がわかりません。
子どもが赤ちゃんの頃から中国語で話しかけないで、ある程度大きくなってからちょっとしゃべったら子どもにこのように言われてしまったのか、またはたまたまママが中国語をしゃべっているところを友達に見られて何か言われたのかはわかりません。
私も中国の勉強を少ししたことがありますが、何が難しいって発音です。 何をどうしたらあんな発音ができるのか・・・。 ママが中国語のネイティブなのに非常にもったいない!と私は思うのですが、子どもには子どもなりの理由があるということのようです。
ネイティブなのになぜ自分の母語で子どもに話しかけない?
以上のように3つのママたちの例を見てみました。世界にはもっとたくさんのママたちがいる中で、たった3人のママの話ですが、この3人の例だけをみてもどうして自分の母語で子どもたちに話しかけないかという理由は、たとえば次のようなことだとわかります。
・周りに自分の言語がわかる人がいないから自分も現地の言葉をしゃべった方が楽だから。
・自分の母語よりも現地の言語の方が社会的に重要度が高いと考えるから。
・子どもに拒否されたから。
理由は、そのママがいる国や周りの人、環境によってバラバラです。しかしどれだけ自分が楽であっても、どれだれ現地の言語の方が重要だといっても、子どもに拒否されたとしても、やっぱり子ども自身が自分のルーツを知る上でも親の言語を受け継いでいくことは大切ではないかと思います。
まとめ
今回は、ネイティブなのに自分の母語で話しかけないママたち3人の話をしました。 ひと言で「自分の母語で話しかけない」とは言っても、このように1人ずつ見ていくと実は、親の考え方や子供の受け取り方、そしてママがどんな環境が海外育児をしているかによっても違うということがわかります。
海外で子育てをしながら、その国では使われていない言語(親の母語)を受け継いでもらおうと思ったら、親の考え方、子供の反応、そして、その親子を取り巻く社会的な環境が相まって実現できるものなのかもしれないと思いました。
または、子供が反応することすら知らない赤ちゃんの頃やママのお腹の中にいるころからママの母語で話しかけて「ママは●●語を話す」というのを習慣化してしまうと、また少し違うのではないかと思います。
子育ての環境と子供の反応を見ながら、日々努力・・・です。