こんにちは。韓国で2人の子どもたちをバイリンガルに育てるべく毎日奮闘中のまめちゃん(@mame_chang)です。 突然ですがバイリンガルには種類があるのを知っているでしょうか? 私は、子どもたちを日韓バイリンガルに育ていると言うと、たいていの場合
「日本語と韓国語が話せるんだね~。」
といわれます。なぜか話す能力の方に目が向くようです。しかし、言語の能力には「話す」という能力のほかにも「聞く」「書く」「読む」という力もあります。また、バイリンガルと言っても実際にはいろいろな種類があるのです。
今回は、「バイリンガルの種類について」というタイトルでバイリンガルには一体どんなタイプがあるのかについて簡単にお話ししたいと思います。
バイリンガルの種類
言語が2つできる人のことをバイリンガルと言いますが、その2つの言語が、それぞれどのくらいできるかによってバイリンガルは種類に分けられることがあります。
「え?! バイリンガルにも種類があるの?」
と思った方もいるかと思います。厳密に言うとバイリンガルについて研究している人や、本について多少わけ方が違うこともあります。 また、バイリンガルとは子どものころから複数の言語に触れて育った人のことを指すこともあるし、大人になってから勉強して複数の言語ができるようになった人のことを含むこともあります。
このブログのテーマは「バイリンガル子育て」なので、今回のお話では子どものころから複数の言語に触れて育ってきた人たちについてのこととして書きます。
バイリンガルの種類は大きくわけて3種類
では、早速バイリンガルの種類3つについてみていきます。同じことを指すとしても、呼び名がいくつかある場合もありますが混乱を避けるためにここでは1つの呼び名だけを挙げることにします。
- 均衡バイリンガル
- 偏重バイリンガル
- セミリンガル
それでは1つずつ簡単に見て行きます。まず、1.の均衡バイリンガルとは、2つの言語をどちらも同じくらいの高めのレベルで扱えることです。
「高めってどのくらい?」
と聞きたくなる人もいるかと思いますが、この問いに答えるのはなかなか難しく、誰がどんな基準によって「高い」や「堪能である」などを決めるかは論争があるところです。
次に2.の偏重バイリンガルとは、2つの言語のうち片方がレベルが高いことです。このタイプは実はバイリンガルの中によくあるパターンで、片方の言語は読み書きや聞いたり話すことだけでなく考えたり抽象的な考えなどもできるのですが、もう片方はそこまで及ばない場合です。
そして最後の3.セミリンガルとは、2つの言語のどちらも十分ではないという意味ですダブルリミテッドとも言われます。2つの言語ができなくはないのですが、どちらの言語でも抽象的な事柄について考えることができなかったり、文法が正確でなかったり知っている言葉の数が少なかったりします。
このように見ていくと、言語を操るにはいくつかの段階がありきっとそれはモノリンガル(わかる言語が1つだけ)にも通じます。それは、おおまかには次のようなことだと思います。
1.目に見える具体的な物についてそれが何であるかわかる(例:スプーンを見てそれがスプーンだとわかる)。
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2.目に見える具体的な物についてそれについてどう思うか言える(例:りんごを食べておいしいと言えたり、昨日食べたみかんの方が甘くてもっとおいしかったなどと言える)。
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3.自分に身近な物や自分の体験について感想を話したり順序だてて説明することができる(例:冬休みに家族とスキーに行った。雪だるまも作って楽しく過ごせた)。
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4.目に見えない物や事柄について質問されても答えることができる(質問例:「さっきの集まりの雰囲気ってどうでした?」)
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5.抽象的なことについてざっくりと質問されても答えることができる(質問例:「人生って一体なんなのでしょうね?」)
モノリンガルでも子どものころから少しずつ具体的なものから抽象的なものへと理解し、自分でもそれについて意見を述べたりできるようになっていくものです。海外でバイリンガルに育つ場合、特にその国では使われていない言語(例えば韓国で日韓バイリンガル子育てをする場合、日本語がその国では使われていない言語となります)を抽象的なことまで問題なく考えて表現できるようになるには親子で相当の意識と努力が必要になってきます。
自分の子どもに目指して欲しいのはどのバイリンガル?
簡単ではありますが、このようにバイリンガルの種類には3つあります。海外で、日本語で育児をしている場合、自分の子どもには上のバイリンガルの種類1.~ 3.のどれになって欲しいでしょうか。
もしかしたら1.で、子どもにバリバリ日本語をさせたい! または、「家の中で話す日本語も大切だけど、今は外で勉強している時に使う現地語(例えば英語)の方が大切!」という人もいるかもしれません。
では、1.のように2つの言語を同じように高めのレベルでできるようになってもらうには、保育園や幼稚園の時期にはどうすればいいのでしょうか。方法はいくつかありますが、やはりできるだけ多くの語彙を覚え正しい文法を身につけることもさることながら「考える力を身につける」のがいいと思います。
保育園や幼稚園といえば、絵本をパパやママに読んでもらう時期です。
絵本を読んだ後は、「おもしろかった?」「びっくりした?」など、「はい」「いいえ」で答えられる質問ではなく、
「さっきの絵本で、おばあさんが箱を最後にもらったけど、あの中に何が入ってると思った?」
「何がおもしろかった?」
「どうしてそう思った?」
など、「はい」「いいえ」では答えられなく、「何」「どこ」「誰」「どうして」「どうやって」などの疑問詞を使って子供に考えさせる問いかけをしていったらいいと思います。
海外在住だから日本の絵本が手に入りにくいときは?
外国に住んでいると現地の絵本や現地の言葉で書かれている絵本は簡単に手にはいると思います。しかし、日本の絵本がなかなか手に入らないという方もいます。そんな時は、周りに日本人がたくさんいたら貸し借りができていいのですが、そうでない時は、海外にも絵本を送ってくれるサービスを利用するという手もあります。
私は、「「童話館ぶっくくらぶ」で絵本の定期購読」に詳しく書いたように絵本を韓国に送ってもらっていました。 また、「こどもちゃれんじbaby」を海外で!(感想編)」にも載せましたが「こどもちゃれんじ」も赤ちゃんのころから始めて進研ゼミまで続けていました。
日本の絵本や教材の海外受講は日本国内での受講よりもお金がかかりますが、それでも価値アリです。 子どものためにできることを考えて実行していきたいなと思います。
まとめ
今回は、バイリンガルといっても実は種類があることや、言語を自由に操れるようになるには段階があることなどについてお話しました。 バイリンガルの種類は3つあって、理想としては2つの言語が同じようにできる「均等バイリンガル」になってほしいものです。
しかし、現実にはどちらか一方の言語の方が強いということをも多いです。 親としては、自分の子どもにはどのバイリンガルになって欲しいのかをまず考えて2つの言語を身につける時に「考える力」を身につけてくれるように「はい」「いいえ」で答えることができる質問よりも疑問詞を使った質問を子どもにした方がいいと思います。
また、海外在住で日本の絵本が手に入りにくい時は日本の絵本や教材を海外受講するとう方法もあるので、自分の子どもにはどの方法が一番いいのかを検討して決めるのがよさそうです。