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子どもがネイティブになれるのはなぜ?

 

こんにちは〜。韓国で2人の子どもたちをバイリンガルに育てているまめちゃん(@mame_chang)です。 子どもって親がどんな言語を話す人であれ、外国に住んだ経験があったり子どものころに外国語に触れていると、とっても上手になりますよね。

 

さすが発音がきれい~!

 

なんていうのもよく聞くことです。

 

でも、このような時に言う「子ども」というのは、多少ざっくりしていると思うのですが、なぜかあまり一般的に年齢などを言われることもなく「子どもって...」と言われたり、大人にうらやましがられたりすることが多いように思います。

 

それでは、今回はその辺に焦点をあてて「子どもがネイティブになれるのはなぜ?」と題して書きます。




子どもがネイティブになれるのはなぜ?

子どもの時に外国に住んでたり、外国語に多く接しているとネイティヴのようになれるのはよく知られていることです。一方、大人になってから外国語を始めるとかなりネイティヴに近い人もいますが、大抵の場合、発音やイントネーションの部分になまりが残ります。

 

私は生まれも育ちも関西なので、私の母語は関西弁です。また、中学校に入ってから英語を学校で始めてアメリカにもちょっとだけ住んでいたので多少の英語はわかりますが、ネイティブとはほど遠いです。 そして現在は韓国に住んで10年を越えますが韓国語は成人してから始めたので、韓国在住歴が長くても日本語なまりの発音というのは抜け切れていません。 英語も韓国語も一生懸命がんばって勉強したのに、です。

 

ところが韓国生まれ韓国育ちのうちの子ども達は、保育園に通い出したころから私の韓国語力(特に発音やイントネーション)をさっさと超えてしまいました。 子どもの頃に外国語などの言語に触れておくとネイティブになれるのは周知の事実だと思いますが、それにしても子供って不思議ですね。

 

では、子どもがネイティヴになれるのはどうしてでしょうか。子どもと言っても何歳くらいまでの子供のことを指すのでしょうか。幼稚園児? 小学生? 中学生まででしょうか? どうやら、これには人間の「脳」が関わっているようです。 

 

それでは早速そんな不思議について、「」に焦点を当ててみていきます。

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    バイリンガル育児の始め方

子どもの脳の中では何が起こっている?

「右脳」や「左脳」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。よくトレーニングやゲームなどで「右脳」を鍛えるという話はよく聞きます。 脳には右と左があり、それぞれ役割が違います

 

ざっくり言うと、左の脳は言語をつかさどり右の脳は音楽や美術などの芸術分野をつかさどります。 生まれた頃は、このようにはっきりと分かれていないのですが、ある程度の年齢になると役割分担が完了します。そして、その時期が過ぎると第1言語と同じように外国語を覚えるのが困難になるといいます。

 

これは、「臨界期仮説」と呼ばれています。 例えば、日本で日本人家庭に生まれ育った子どもの第1言語は日本語ですが、その後親の都合でアメリカに住むことになったとします。 アメリカに移り住む年齢によって臨界期が過ぎていなければ日本語のように英語が覚えられるという意味です。

 

もちろん、これはひとつの例すが、もうひとつ例を出すと英語を話す夫婦が子どもが赤ちゃんの時にカンボジアに長く住んだとして、ご夫婦がクメール語がまったくわからなくても、子どもがカンボジアの幼稚園や小学校に通ったりするとすればその子どもは両親から英語を覚え、家の外でクメール語を覚えて英語とクメール語のネイティブになれるという話です。




何歳が臨界期なの?!

こうなると、一体何歳ごろ、いつが臨界期なのか気になりますね。 これは、研究している人によって主張が違うのですが、9歳〜14歳など、幅があります。

 

臨界期仮説についてサクっとわかりやすくまとめてあるのは、Wikipediaで以下のようにあります。

 

臨界期とよばれる年齢を過ぎると言語の習得が不可能になるという仮説である。母語の習得および外国語の習得の両方に対して使われる。第一言語と第二言語の両方の習得に関して年齢が重要な要素となっていることは定説となっているが、はたして臨界期なるものが本当に存在するのか、また存在するとしたらそれがいつなのかなどについては長い議論があり、仮説の域を出ていない。

Wikipedia「臨界期仮説」より一部抜粋

 

年齢と脳だけを考慮にいれて環境的な要因や個人の性格などは考えないこともあるため批判されることもあります。 さらに、大人になってから外国語を学び始めてネイティヴのように上手になる人がいるのも事実です。

 

仮説の域を出ない臨界期仮説ですが、海外で子育てをしている人にはどのように役に立つのでしょうか。 それはやはり、臨界期がいつであれ、子どもが生まれた(妊娠した)頃から日本語で子どもに接してできるだけ自然な日本語で話しかけたり教えたりすることではないかと思います。

 

もちろん、言葉で言うのは簡単ですが実際は大変なこともあります・・・。 子どもが現地校に通っていれば現地の言語の方が強くなるので家の中では日本語を使おうと試みても、現地の言語の方が楽になった子どもたちは日本語を話すのを嫌がるようになる子どももいたりします。 バイリンガル育児には根気と親の努力も必要なのではないかと思います。



まとめ

さて、今回は子どもの言語について、読んだり書いたり聞いたり話したりなど言語の能力ではなく「脳」という面から簡単にお話ししました。 両親がどんな言語を話すかに関係なく、臨界期を過ぎる前に外国語に触れておけば母語のように習得できるというものです。 また、研究者によって9~14歳と幅のある臨界期ですが、仮説の域を出ないとはいえ、そのような話を聞いたら気になってしまうのが親ではないかと思います。

 

難しいことはよくわからなくても、とにかく海外在住で日本語がネイティブの親は子どもに日本語でずっと話しかけることで、子どもは日本語を覚えてくれます。 言語を覚えるのには本当に色々な要素が関わってるんだなと改めて思います。 また、人間の脳は解明されていない部分もあると言いますが、言語について言えば不思議な部分があるからこそ面白いのかなぁと思ったりもします。




  • この記事を書いた人

まめちゃん

韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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