こんにちは。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようとしているまめちゃん(@mame_chang)です。 外国語を勉強すると言葉ばかりに目が向きがちですが、実は言葉は文化を表していると言うことができ、それはその文化に関係する言葉が豊富であったりそうでなかったりします。 たとえば、日本語と韓国語に関していえば、日本には梅雨などがあるので雨に関する言葉が多く、韓国語は肉の部位に関する言葉が多いというものです。
文化の中でもわかりやすいのは、食文化ではないでしょうか。 例えば、韓国料理でいうと「キムチ」のように日本にも浸透していて日本のスーパーでも一般的に見られるものはいいのですが、「トガニタン」や「コドゥルペギ」などは、日本の韓国料理屋さんでもそれほど見られるものではないと思います。
ところで、文化といってもいろいろありますが「多文化」や「複文化」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 この2つは「似て非なるものと」いうことができるものです。 今回は文化の中でもこの「多文化」や「複文化」について、お話しします。
バイリンガルの子は◯文化で育つ?!
では、今回のブログのタイトルの「バイリンガルの子は○文化で育つ?!」の「○」の部分には、どんな言葉をいれたらいいのでしょうか。 さきほどの「多文化」または「複文化」のどちらかなのでしょうか。
そしてそもそも文化は文化でも「多文化」や「複文化」とは何でしょうか。言葉だけ見ると「多文化」は、「文化が多いこと」で「複文化」は「文化が複数あること」のようにも見えます。 まずはこの2つの違いを見ます。
「多文化」って何?
「多文化」とは、ここでは、先ほどのように1つの社会にいろいろな文化を持つ人がいて、それぞれ対等に扱われること、またはそうあるべきだという考え方です。 具体的にはある国に住んでいるのですが、私は日本人、同じアパートには中国人やカナダ人がいて、仕事先にはインド人と韓国人がいて、職場の近くにはフランス人がやっているフランス料理があって......のようにいろいろな文化背景を持つ人が共に暮らしているという感じです。
つまり、たくさんの文化があってお互いの文化を尊重しあっているような(そうではない場合もありますが......)、そのような文化です。 他民族国家だと、色々な民族がいるので多文化になりやすいのではないかと思います。
「複文化」って何?
先ほどの多文化が社会に関わるものだとすれば、「複文化」とは、国というよりも個人の問題となります。 つまり、1人の人がどのくらいの異なる文化を一部でも知っていて理解しているかという話になります。 例えば、日本で生まれ育った人であっても留学や研修、結婚などで外国に住む機会ができれば、異なる文化に触れてそれを理解し自分の中に経験として蓄積されていきます。そうして、1人の人の中で理解する言葉や文化が増えていくのです。
もっと具体的な例を挙げると、生まれも育ちも日本ですが留学でカナダに行き、そこでイタリア人に出会って結婚しイタリアに移住。 イタリア語を学んでみると昔、ちょっとかじったスペイン語に似ているなと思い、またスペイン語を始め・・・といった具合に1人の人間が複数の言語を身につけ、その言語と同時にその言語が話されている文化(衣食住、考え方など何でも!)も身につけるということです。
海外で幼少期を過ごすと・・・?
では、両親が生まれ育った国ではなく、海外で幼少期を過ごすとどうなるのでしょうか。 どのように両親に育てられれるのかによっても多少の差があると思います。 両親共に日本人で、親の仕事の都合などで海外で過ごすことになったら、家庭内では日本語や日本文化を身につけ、家の外では現地の言語や文化を身につけると思います(もちろん、日本人学校の場合は違いますが…)。
また、日本人夫婦ではなくても国際結婚で両親の母語が異なる場合、家の中でも複数の言語や文化を身につけ、家の外でも現地の言語や文化を身につけていくことになると思います。 多文化の国で育つなら、周りにいろんな国の言語や文化を持つ人がいる環境で子どもも完璧でなくても複数の言語を知り、複数の習慣や文化を理解していくようになるのではないかと思います。
また、幼少期だけでなく大人になってから自分の意志で色んな言語や文化が知りたいと考え、多民族、多言語国家に移住したりしたら、大人になってからでも十分1人の人間が複数の言語を習得し文化を知り、身につけていくことができると思います。
海外にいても、↓このような歌の絵本を使うと小さい子どもも自然に日本語に触れることができます。
小学生ぐらいなら、なぞなぞなどで楽しく日本語に触れてもよさそうです。↓↓
バイリンガルの子どもたちはどうしたらいい?
このように考えてみるとバイリンガルの環境で育つ子どもたちは、国によっても違いますが複数の文化や複数の言語を身につけながら育つのではないかと思います。 もちろん「バイリンガル」なので、言語が2つというのはよく知られていることですが、このような「多文化」や「複文化」という考え方を親が知っていて子育てをするのと知らないで子育てをするのとでは、やはり知った上で子育てをした方がいいのではないのかと思います。
そして、先ほどのように親も国際結婚や海外移住、転勤などがにより海外に出る場合、または日本国内であっても様々な人に触れ、言語や文化を知り身につけていくことで複数の文化を自分の中に取り入れていくことができます。
バイリンガルとして育つ子どもたちは、多文化の環境の中で様々な言語と文化、考え方や価値観を学んで自分の中に取り入れ、複文化的な能力を伸ばすのが理想ではないかと思います。 また、子どもにそうなってもらうためには、まず親が多文化の環境に身をおき自らも言語や文化を知ろうとする姿勢を持つことが大切で、それを見ている子どもは少なからず影響を受けるものだと思います。
まとめ
今回は、「多文化」と「複文化」という2つについて、その違いを説明し、バイリンガルで育つ子どもたちにはどのようになるのが理想なのかもお話ししました。 ポイントは次の2つです。
ポイント1
・多文化とは → 1つの社会にいろいろな文化を持つ人がいてそれぞれ対等に扱われること、またはそうあるべきだという考え方。
・複文化とは → 国や社会というより個人の問題。1人の人が複数の文化や言語を知り、理解しているかということやその能力。
そして、2つの目のポイントはバイリンガルに育てられる子どもたちについてです。
ポイント2
バイリンガルとして育つ子どもたちは、多文化の環境の中で様々な言語と文化、考え方や価値観を学んで自分の中に取り入れ、複文化的な能力を伸ばすのが理想。
また、海外に住んでも多文化の環境にいても異なる言語や文化を取り入れたり学ぼうという姿勢がなければ吸収することはできません。 まずは、親がそのような姿勢を持って異なる文化に接してみるのがスタートではないかと思います。