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バイリンガル育児

バイリンガルの兄弟はみんな同じくらいバイリンガル?(5つの事例から)

 

こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日奮闘中です。さて、バイリンガル子育てをしていて、しかも国際結婚家庭だと周りからは自然とそれぞれの親の言語ができるように思われるようです。

 

うちは日韓夫婦で韓国でバイリンガル子育てに奮闘中ですが、周りにも日韓夫婦で同じようにバイリンガル子育てを実践中の人がいます。そのような日韓夫婦のお子さんは、年齢もさまざまですが日本語が達者になったりならなかったりです。

 

今回は以前書いた兄弟(姉妹)間の会話は何語?」(詳細は↓↓「合わせて読みたい」へ)に関連して、バイリンガル子育てをしているご家庭の兄弟姉妹間の言語は何語なのか、そして同じ家庭に生まれた兄弟姉妹は2つの言語が同じくらいできるのかについて、事例とともに見ていきます(今回の事例は海外に限らず日本も含みます)。




バイリンガルの兄弟ってみんな同じくらいバイリンガル?(5つの事例から思うこと)

では、早速バイリンガル子育てをしている家庭は、世界にたくさんあると思いますが、今回は5つだけご紹介します。それぞれの居住国、兄弟姉妹の数などの詳細は以下の通りです。

 

バイリンガルには種類がありますが、詳細は↓↓「合わせて読みたい」をご覧ください。子どもたちがどのぐらいバイリンガルなのか、については保護者の方々にお聞きした内容です。

 

★事例①(Aさんの家庭)

居住国  日本

父   : 中国人(日本滞在20年以上日本語は日本人レベル)

母  :日本人(中国語は少し)

子ども :4人(高校生、中学生、幼稚園児)

子どもの学校 :中国系の学校

兄弟間の言語 :日本語

 

子どもたちは家庭では両親と日本語で話していて中国語に触れるのは学校のみです。兄弟が4人です。一番上の高校生のお子さんが一番中国語ができてその次が中学生のお子さんだそうです。学校で触れている期間に比例しているという感じだそうです。

 

★事例②(Bさんの家庭)

居住国 :韓国

両親 :日本人(父は韓国語堪能、母は多少できるが込み入った話の時は通訳が必要)

子ども :2人(小学生と幼稚園児。上の子は日本生まれ、下の子は韓国生まれ)

子どもの学校 :それぞれ韓国の学校・幼稚園

姉妹間の言語 : 日本語

韓国在住 :約8年

 

子どもたちは家庭内では日本語で、子どもたちはそれぞれ親と日本語で話します。学校や幼稚園では韓国を使いますが、家に戻ると家族では日本語を話します。上の子は学校で韓国語で科目学習をしているため、下の子よりも韓国語がわかります。しかしそれでも二人とも韓国語に比べると日本語の方が強いそうです。

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★事例③(Cさんの家庭)

居住国 :アメリカ、韓国など

父:アメリカ人(日本語はあいさつ程度しかわからない)

母:日本人(英語堪能)

子ども :2人(大学生、高校生)

子どもの学校 :アメリカでは現地校、韓国ではインターナショナルスクール

兄弟姉妹間の言語 :英語と日本語

韓国在住 :約5年

 

子どもたちは家庭内では父とは英語、母とは日本語で話します。父の仕事の都合で転勤が多く家庭の中では英語と日本語、家庭の外でも現地の言語ではありませんが英語というパターンが多かったそうです。このお子さん達のバイリンガル度を比べると上のお子さんはお父さんと話すことが多く英語を使う機会が多いそうです。日本語もわからなくはないですが英語の方が強く年齢があがるにつれてお母さんとも英語が増えてきたそうです。

 

反対に下のお子さんはお母さんと日本語で話すことが多く、学校では英語、家では日本語となっているそうです。そのため、上のお子さんが英語が強く日本語が弱いのに対して下のお子さんは日本語も英語も同じくらいできるのだそうです。これは、上のお子さんが学校でも家でも英語がメインなのに対して、下のお子さんは家の外は英語、家の中は日本語になっているからのようです。

 

★事例④(Dさんの家庭)

居住国 : 日本

父 :韓国人(日本語はある程度できる)

母 :日本人(韓国語堪能)

子ども :2人

子どもの学校 :2人とも大学生

兄弟姉妹間の言語  :日本語と韓国語。

韓国在住 :韓国生まれ韓国育ち。

 

Dさんの家庭ではお父さんが日本語堪能ではないこともあり、家庭内でお父さんがいない時は日本語、お父さんがいる時は韓国語も混ぜて話してたそうです。大学生になった今は上のお子さんは日本留学も経験し日本語も韓国語も共に同じようにできます。一方下のお子さんは、日本語よりも他の分野に興味ができたため、日本留学などは考えず韓国の大学で日本語とは関係ない分野を専攻しています。

 

お母さんの話によると、中学生くらいまでは2人とも同じくらいできたそうなのですが、高校辺りから興味の対象がそれぞれ違ったこともありその辺から上のお子さんの方が日本語が伸びて最終的に日本留学という形で磨きがかかったそうです。お母さんの言葉を借りると「上の子は日本に留学して日本人になった」のだそうです。




★事例⑤(Eさんの家庭)

居住国 : 日本

父 :日本人(中国語がわかる)

母 :台湾人(日本語がわかる)

子ども :2人

子どもの学校 :2人とも日本の小学校

兄弟姉妹間の言語  :日本語

日本在住 :日本在住日本育ち。1年に1回ほど台湾帰る。

 

Eさんの家庭では夫婦間で日本語や中国語、時には英語でコミュニケーションをとることがあるそうです。親御さんによるとお子さんは2人とも、現在のところ中国語よりも日本語の方が強いのではないか。そしてそれは日本の学校に通っているからではないかとのことです。また、上の子と下の子を比べると上の子の方が中国語が強く、その理由は上の子は生まれてからお母さんとのコミュニケーションの時間が長いことが理由ではないかだそうです。

 

反対に下のお子さんは上のお子さんと日本語で話すことや、中国語で困ったときは上のお子さんが助けてくれることもあるので、上のお子さんほどは中国語が伸びなかったと考えているとのことです。




5つの事例から言えること

この5つの事例は、国際結婚であったりなかったりですが、兄弟姉妹間や親子でどんな言語を使ってコミュニケーションをしているかは家庭によって異なります。また、兄弟姉妹間でどのくらいバイリンガルになるのかも違うようです。これには、どんな理由があるのでしょうか。

 

「理由1」通っている学校が現地校かどうか。

「理由2」夫婦間の言語がどんな言語か。

「理由3」両方の親が日本語がわかるか。

「理由4」家の中と外の言語は同じか。

「理由5」両親と何語でコミュニケーションをとるか、そしてその時間ではなく内容の濃さ。

「理由6」子ども本人が日本語を覚えることに興味があるか。

 

通っている学校が現地校かどうかは、兄弟姉妹間の言語に影響を及ぼしそうですが、事例②のBさんの家庭のように家族全員日本人だと兄弟姉妹間の言語も日本語になるようです。

 

また、「理由2」「理由3」のように両親がわかる言語と両親の間で使われる言語は、どの事例をみても影響を与えているように思います。また、バイリンガル子育てをする上でひとつのカギとなりうる「理由4」は事例②と④と⑤、そして事例③には一部当てはまりそうです。両親が使う言語については、↓↓「参考記事」へ。

 

「理由5」は、事例③と⑤に当てはまりそうです。言語に関して言うと両親と過ごす時間もですが、コミュニケーションの内容の濃さも重要ではないかと思います。つまり、一緒にいてもただテレビを見るということではなく会話をして耳で聞いて考えて話す、という一連の活動が頭の中に起こらないと言語は伸びないのではないかと思います。

 

そして、「理由6」は子ども自身が目標としている2つの言語を覚えることに興味があるかどうかでも、事例④のDさんのお子さん達のように兄弟間でバイリンガル度に差がでるように思います。




まとめ

今回はバイリンガル子育てをしている家庭で、兄弟姉妹の言語はどんな言語なのか、そして同じ家庭に生まれ育った兄弟姉妹は、2つの言語を同じくらいできるのかを5つの事例と共に見てみました。

 

数あるバイリンガル子育て実践中の家庭の中から、たった5つの事例しか紹介していませんが、その家庭が置かれた環境や夫婦間の言語、父と母それぞれとのコミュニケーションに使う言語、そしてコミュニケーションの濃さなどによって兄弟姉妹間の言語は変わるように思います。

 

そして、兄弟姉妹間でコミュニケーションをとる言語が何語であれ、かならずしもその語学力は同じとは言えません。それは、年齢差、通っている学校、両親のうちどちらとよく話すか、そして子ども自身の興味など、全てが混ざり合った結果なのだと思います。

 




  • この記事を書いた人

まめちゃん

韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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