こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国に住んで早くも10年ほど子どもをバイリンガルに育てています。
海外に限らず、日本でも世界のどこででもバイリンガル子育てをする場合、バイリンガルになってほしいと思う言語が2つまたはそれ以上(この場合は「マルチリンガル」ですね)あると思います。そして、1つの言語で言えることが他の言語で言えない時は、子どもはまず両方の言語がわかる人に聞くのではないかと思います。
両方の言語がわかる人が周りにいない場合(いても聞きにくい場合)で、親がバイリンガルなら子どもは親に聞いてくるのではないかと思います。そのような場合、親がバイリンガルであればすぐに答えてあげられるような気がします。
しかし、本当にそうでしょうか......? 実際にバイリンガル子育てをしてみると言語というものは必ずしも「1:1」や「A=B」のようにきれいに訳せるものではないと気が付くと思います。
また、バイリンガル子育てをしていなくても外国語の勉強の経験があれば
や
と思うこともあると思います。今回は、そんな「1対1」の関係ではない言語について、バイリンガル子育てという点から「ママ、これ日本語で何ていうの?」の答えに困った時の対応についてやってみたこと3つについて、お話しししたいと思います。
「これって日本語で何て言うの?」に答えられない時にやってみた3つ!
英語と日本語で考えると、「apple=りんご」や、韓国語と日本語の「물(ムル)=水」のように辞書などを見て、日本語の言葉が出ているとすっきりします。厳密には指すものが異なることもありますが、今回はその部分は考えないことにします。
今回の話は、上の子との会話からです。上の子が小学校に入ったばかりのころ、私と上の子との間でこんな会話がありました。
子どもがそこで私に見せてくれたのは、友達にもらったというもので私は見たことがないものでした。私にはどうやって使うものか見当もつきませんでした。子どもに使い方を聞いてみてもよくわからないとのことなので、夫(韓国人)に聞いてようやくわかりました。
공기(コンギ)とは、私が間違えた「空気」とスペルも発音も同じで、辞書を見ると「お手玉」と書いてありました。しかし、お手玉とも違うし、なかなかぴったりく来るものがないなぁと思いました。
ぴったり来る答えがなければどうしたらいい?
さきほどの、「apple=りんご」のようにぴったり来る日本語がない場合は、どうしたいいんだろう?と思い、やってみたことはこの3つです。ここでは、공기(コンギ)を例にとると・・・
- 공기(コンギ)と、韓国語をそのまま使う。
- 「お手玉」と辞書にある言葉を使う。
- 「韓国のお手玉でコンギっていう名前で、日本と違うのは・・・」と説明する。
これらをやってみた結果は、次の通りでした。
★1.공기(コンギ)と、韓国語をそのまま使う。
これは、韓国語がわかる人と話す時は親子でお互いにとても楽です。
とすぐに話が通じるからです。説明の必要もありません。しかし、韓国の人で日本語がわかる人と話していると、ときどき
と質問されることもあります。また、日本に帰った時には当然ですが、全然通じません。
★2.「お手玉」と辞書にある言葉を使う。
辞書にある通りに子どもに、
と教えて、「お手玉」という言葉を使うとします。「apple=りんご」のように、「공기(コンギ)」と言いたい時に「お手玉」と言えばいいので一度覚えれば、楽は楽です。
また、「お手玉」と言えば、日本人なら日常的に遊んでいなくても見たことがあるか、言葉くらいは知っていると思います。そのため、韓国のことを知らない日本人には通じやすい言葉だと思います。
しかし、「お手玉」と聞いて日本人が頭にイメージするものと、実際の「공기(コンギ)」には、やはりへだだりがあります。そして、結局「韓国の공기(コンギ)というのはね......」と説明することになります。
★3.「韓国のお手玉でコンギっていう名前で、日本と違うのは・・・」と説明する。
これは、ちょっと説明すると以下のようになると思います。
遊び方はいろいろで、しかも地域によって多少の差があるそうです。しかし、毎日の生活でいちいちこんな説明をするわけにもいきません。
結局こんな答えに落ち着きました
子どもといろいろ考えたあげく、1.공기(コンギ)だけだと日本に帰ったときに日本の友達に説明ができず、2.も日本語で指すものが違うので、途中で話が食い違ったり結局説明することになります。かと言って、3.は日常的にはしなくてもよさそうです。
そのため、うちではこのようにぴったり日本語にできない韓国語は、次のように扱うことにしています。
1.日常的には공기(コンギ)と韓国語を使う(親子でお互いに楽だから)。
↓
2.ときどき、意識して「공기(コンギ)って日本語で何だっけ?」と子どもに聞いて記憶を確認する。
↓
3.日本に一時帰国した時に、日本の友達に文章や実際にやって見せて説明できるようにする。
状況や相手によって変えるのは大変です。でも2つの言語と文化の間で育っている子どもは、小さい頃から相手がどんな人か(韓国語がわかるのか、韓国の文化をしっているのか)によって、使う言葉や説明を使い分けられるようになれたら、将来、誰と話していても臨機応変に対応できそうな気がします。
まとめ
今回は、異なる言語に存在する言葉は、いつも「apple = りんご」のように 1:1の関係できれいに訳せるわけではないことや、きれいな日本語にすることができない場合、どうしたらいいのかを韓国の「공기(コンギ)」を例にお話しました。
今回の話を書くにあたり、まず頭に浮かんだのは「공기(コンギ)」でしたが、実はもっとたくさんあります。しかし、ぴったりときれいに日本語に訳せない場合は、やはりこの1.~3.の手順にしておくと韓国文化を知らない人に会った時に子ども自身が少しでも説明ができるようになります。
最後にもう一度、この1.~3.の流れをポイントとして書きます。
ポイント
1.日常的には공기(コンギ)と韓国語を使う(親子でお互いに楽だから)。
↓
2.ときどき、意識して「공기(コンギ)って日本語で何だっけ?」と子供に聞いて記憶を確認する。
↓
3.日本に一時帰国した時に、日本の友達に文章や実際にやって見せて説明できるようにする。
これも、親子で日々少しずつやる努力なんだろうなぁ、と思います。