こんにちは! 韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと実践中のまめちゃん(@mame_chang)です。
1つの言語には、だいたいいくつぐらいの単語があるか考えたことがあるでしょうか。そして、このブログを読んでくださってる方は日本語の単語(語彙)をどのくらい知っているでしょうか。
日本で生まれ育っている人と、海外で親からバイリンガル子育てという方法で育てられた人は、知ってる言葉の数に違いがあることが考えられます。
海外に住んでいると言っても子どもが現地の学校に通っているのか、日本人学校に通っているのか、またはインターナショナルスクールに通っているのかによっても変わると思います。
昨日のブログでは、韓国で生まれ育っているうちの子どもが使う言葉について「準備」と「約束」と言う2つの言葉を例に挙げてお話ししました。
そして、「予定」という言葉は、うちの子どもにとっては「聞いたことがあって聞いたらわかるのにどうやって使ったらいいかわからない」言葉だと書きました。
今回は言葉(語彙)の中でも、「ただ知ってるだけの言葉」と「知ってるし自分でも使える言葉」について、バイリンガル子育てという点から考えてみます。
子どもが「知ってる言葉」と「使える言葉」は同じ?!
これらを例と共に簡単に説明すると次のようになります。
★「ただ知ってるだけの言葉」
文字通り、「ただ知ってるだけ」で「理解語彙」と呼ばれます。これは国語力も関係がありますが、外国語、方言、流行語などの場合があります。
例えば、SNSなどの自己紹介で「東京住み」と投稿したとします。「東京に住んでます!」という意味ですが、聞いたら意味はわかるけど自分は使わない、または使い方がよくわからないので使えない・・・。
また、関西人ではない人が関西人がよく使う「ちゃう」という言葉は、聞いたらわかるけど自分では使わない、または使えない。
そして、テレビを見ていると時代劇をやってる時がありますが、例えばその時代劇の中に出ている女性が、、、
と言ったとします。時代劇を頻繁に見てなくても「あなたが好きです。」という意味だとわかると思います。しかし、もしいざ誰かに告白することになった時にこの言葉は「使えない」のではなく「使わない」のではないかと思います。これも「聞いたらわかるけど自分では使わない言葉」になると思います。
★「知ってるし自分でも使える言葉」
「知ってるし自分でも使える言葉」は、「バス」「りんご」「帰る」のような言葉からちょっと難しい(?)「激昂する」「更迭」などの言葉、「ほかす」「なまら」などの方言、「치맥(チメッ/チキンとビールの意味)」「자소서(ジャソソ/自己紹介書の略)」などの外国語など、なんでもよくてとにかく「意味がわかって自分でも使える言葉」です。ちなみに、こちらは「理解語彙」に対して「使用語彙」と呼ばれます。
これらのただ知ってるだけの言葉」と「知ってるし自分でも使える言葉」は、子どもにも大人にも外国人にも当てはまるものだと思います。しかし、ここからはこのブログのテーマである「バイリンガル子育て」という目でみていきます。
海外に住む子どもたちの言葉の量はどのくらい?!
海外に住んでいると現地の言葉には日常的に接していても、日本語には意識しないと接する機会がないし、意識してもそれほど接する機会がない環境の子供もいます。そうすると、日本に住んでいる子どもたちと比べると、言葉の数が少ないのではないか??ということが想像できます。
実際に、子どもたちがどのくらいの数の言葉を知っているのかを数えてみるのは大変ですが、ひとつの目安としてWikipediaには、次のように書かれていました。
満年齢で6歳になる子供の場合、理解語彙の総量は、およそ5000~6000語ほど。13歳では3万語前後。20歳ではおよそ4万5000~5万語ほどという調査結果
Wikipedia「語彙」より
これは、国立国語研究所というところで、1951年に出された報告のようです。20歳で約5万語ということは、本をよく読む人などはもっと語彙があるのではないかと思います。
子どもの「ただ知ってるだけの言葉」と「知ってるし自分でも使える言葉」ってどうやったらわかるの?
「知っているし自分でも使える言葉」は、子どもが自分でしゃべったり書いたりするので、親からもわかりやすいと思います。そして、それが正しく使われていれば、問題ないと思います。
しかし「ただ知ってるだけの言葉」は、子どもの口から出てこないし、書いたりもしないので、親からすると子どもが知ってるのか知らないのかの判断がしにくいと思います。
そんな時は、親が日本語のDVDなどを一緒に見た後に、
と聞いてみたり、
と聞いてみてもいいと思います。
「うちの子ども知ってる言葉も使える言葉も少ないんだけど?!」と思ったらこの方法
子どもが使える言葉を増やすには、まずは子どもが「知っている言葉」を増やすことだと思います。その方法として2つ挙げます。
- DVDやインターネットで動画、絵本の読み聞かせなどできるだけいろいろなジャンルのものを見せたり聞かせる(絵本の読み聞かせ大切!)。
- 親も意識していろいろな言葉を使うようにする。
子どもも、DVDを見る時には好みがあるので、いつも戦隊ものを見たがる子どもやいつもおもちゃ紹介をみたがる子など、それぞれだと思いますが戦闘ものだと「突撃!」や「キック!」のような言葉がたくさん出てくると思います。そして、おもちゃ紹介の動画ばかり見てると「パッケージを開ける」「電源を入れる」「電池」という言葉には強くなりそうです。
そして、親も意識していろいろな言葉を使ってみるのがいいと思います。・・・と言っても思いつかないこともあると思うので、子どもといろいろなジャンルのDVDなどを見ながら、
と思い出しながら子どもにも使っていくと、子どもも覚えて「知っている言葉」となり、それが自分でも使えるようになれば「使える言葉」がひとつひとつ増えるのだと思います。
子どもの成長といえば、体が大きくなることに注目する人もいますが、言葉の成長もあります。特に海外にいて日本語を話すのは親だけ......という場合は親が使った言葉がストレートに子どもに反映されるので言葉の成長の過程がわかりやすいですね。
まとめ
今回は、子どもが知っている言葉と実際に使える言葉は同じ...?というテーマでお話をしました。知っている言葉と実際に使える(使う)言葉は同じではありません。海外で育つバイリンガルの子どもたちは、育つ環境によっては知っている言葉が少なく、そして使える言葉も少ないこともあります。
そんな場合は親ができることは2つです。繰り返しになりますが、以下の通りです。
- DVDやインターネットで動画、絵本の読み聞かせなどできるだけいろいろなジャンルのものを見せたり聞かせる。
- 親も意識していろいろな言葉を使うようにする。
日ごろ、日本語のインプットは日本語がネイティブの親しかいない... という環境の場合は特にこれら2つを意識すると少しずつ子どもが使える言葉が増えていきます。親が実感できるまで少し時間がかかりますが、根気をもって長い目で見て取り組んでいきたいものです。