こんにちは〜! 韓国でバイリンガル子育てをしているまめちゃん(@mame_chang)です。大人になってから外国語を勉強した経験がある人は、子どものうちに海外に出たり外国に触れる機会などがあった子どもがどんどん言語を吸収していくのを見て、ただうらやましく思ったことがあるかもしれません。
中学生になってから英語を学校で習い始め、大人になってから韓国語を始めた私はどうがんばってもネイティブにはなれないので、幼いころに複数の言語に触れる子どもたちをうらやましく思ったことがあります。
一般的に、親がその言語ができるかどうかは関係なく、子どものころに外国語に触れると大人よりも早く身につけられることはよく知られています。でも、それってどうしてなのでしょうか。
どうして子どもはあんなにすんなりと外国語を吸収できるのか......? について、今回は言語学者の理論とともにお話しします。
子どもが言語を驚くほどはやく身につけられる理由はコレ!
赤ちゃんや子どもは語学の天才、ということが時々言われますが赤ちゃんや子どもの時に語学を始めると自由に使えるようになると言います。そして、ある程度成長してから始めると努力の割に思うようにうまくならなかったり、どうしてもネイティブのような発音ができなかったりという経験をしたことがある人もいると思います。
ところで、「天才」という言葉は辞書を見ると次のように書いてあります。
生まれつき備わっている、並み外れてすぐれた才能。また、そういう才能をもった人。
goo辞書「天才」より
ある程度、成長してからどれだけ一生懸命がんばってもネイティブになれるのがまれなのに、赤ちゃんや子供は語学の「天才」であるとしたら、その「生まれつきの能力」とはどこからきているのでしょうか。
では次はこの疑問について、まず最初にも書いた、ある著名な学者の理論をご紹介したいと思います。
著名な学者って誰のこと?!
その著名な学者とはアメリカの言語学者である「ノーム・チョムスキー」です。チョムスキーは言語に関することだけてはなく、哲学や政治についても本を書いたり発言したりしているので、名前を聞いたことがあるという人もいると思います。
人間が持っている言語能力について、チョムスキーの考え方はこうです。
「幼児の時期にどんな言語に触れたとしても言語をびっくりするようなスピードで身につけることができる。そして、それは人間の脳の機能として生まれながらに備わっている。」
......というのです。これは、広い意味で普遍文法(Universal Grammar)とか、言語獲得装置(Language Aquisition Device )と呼ばれています。
で、その機能とは、文法や意味、音など全てのことで、これがあることにより言語を操ることができるというものです。そして、それを身につけるのは脳の力だそうです。また、このチョムスキーの理論は母語についての話で、成長してから習う外国語についての話ではありません。
「母語って何??母国語じゃないの??」という方は、↓↓の参考記事へ。
実際にこの理論から子どもについて考えてみる
幼児期にどんな言語に触れたとしても...... ということで考えると、私自身は幼児期は日本語にしか触れておらず、うちの夫は韓国語にしか触れていません。一方で、うちの子どもたちは日本語と韓国語に触れています。
また、英語にはネイティブにはごくたまに触れていて、後は子どもが見たがるDVDがたまたま英語を使って遊ぶものだったりします。子どもたちの英語については、毎日ふれているわけでもないし方法もDVDなどなので、子どもたちにとっては母語には当たらないと思います。
この理論から考えると幼児期に触れる言語が、たとえ両親はできない言語であっても子どもは関係なく身につけていくということになると思います。(例えば、転勤で日本人夫婦がタイに住むことになったとします。両親ともにタイ語はできませんが、現地の幼稚園に通うことになった子どもはタイ語に触れるので両親がタイ語ができなくても関係なく子どもはタイ語を身につける、というような場合です。)
そして、大人になってから外国語を学ぶといくら毎日触れていても文字を学び読んでみたり書いてみたり発音してみたり......、そして時にはお金を払って勉強します。大人になってから留学することもあります。
なのに......、子どもは置かれた環境次第で、大人よりも早く正確に(もちろん間違えながら)しかも流暢にその言語を身につけて周りの大人を驚かせます。一般的に言われている、
というのは、この辺のことのように思います。
詳細は、参考記事に書いたので、↓↓こちらをご覧ください。
子どもの時(幼児期)に触れないとどうなる?
このチョムスキーの理論からふと思い出したのは、以前テレビで見た野生の子どもたちの話です。どのくらい前に見たのか正確には覚えてないのですが、そのような子どもたちが何人かいてその子どもたちが発見された当時、人間の使う言葉を知らなかったそうです。
そして、言葉を教えようとしたのですが時間がかかり、最終的に幼児(またはそれに満たない)くらいの言葉しか身につけられなかった、というような話でした。
この話から考えられることは、人間には生まれつき言語を身につける能力が備わっているが、それが幼児期であればどんな言語でも身につけることができる、そして野生の子どもはその機能が一番働く幼児期に言語に触れてなかったので身につけられた言葉の数も多くなく、スピードも早くなかったのかなぁと思います。
この辺も、以前このブログに書いたので↓↓参考記事をご覧ください。
子どもを持つ母親として思うこと
では、今回の話についてバイリンガル子育てをしている1人の母親してどう思うかというと、、、、
そうか! やっぱり幼児期に言語に触れさせておけばどんな言語でも早く身につけられるのね! チョムスキーの理論が母語を獲得するためのものだとすると、子どもたちの母語の数が増えるように韓国語に日本語に英語に、◯◯語に・・・ってすればいいのかな?!
......とはなりません。ちょっと極論ですね^^;。今、自分の子どもが置かれている環境から言うと韓国語と日本語はいいのですが、英語やその他の言語を言語だけを身につけさせるためだけに触れさせるのは多少無理があるように思います。それに、言語はあくまでもコミュニケーションの手段なので、言語もいいですが内容的なことにもっと目を向けたいと思うからです。
まとめ
今回は、アメリカの言語学者のノーム・チョムスキーの理論を1つご紹介して、子育て中の親として思うことを書きました。チョムスキーの理論は特にバイリンガル子育てというわけではなく、人間には生まれつき言語を身につける力が備わっているというもので、それは脳とも関係があり幼児期に言語に触れるとその言語をはやく身につけられるというものです。
言葉について、このような理論を知るのは親にとっては役に立つことだと思います。しかし、自分の子どもが置かれている環境や言語を使って何ができるようになってほしいかを考えて、子どもを取り巻く環境を整えられたらいいと思います。
ポイント
・チョムスキーの理論(※ただし母語が対象)
「幼児の時期にどんな言語に触れたとしても言語をびっくりするようなスピードで身につけることができる。そして、それは人間の脳の機能として生まれながらに備わっている。」
・バイリンガル育児をしている親は、子どもが置かれている環境を考慮してどんな言語に触れさせるかを考えて決める。