こんにちは〜。韓国で二児の母をしながらブログを書いてるまめちゃん(@mame_chang)です。
日本と韓国は隣の国で言葉や文化が似ています。実際に発音が日本語とほとんど同じに聞こえる単語がいくつかあるほどです。やはり、これは地理的、歴史的な影響があるのかもしれないと思います。
しかし、いくらとなりの国で言葉や文化が似ていると言っても「似ている = 同じ」ではありません。今回は、そんなお隣の国に長く住んでいる私が、似ているが故に、
と思った経験と、それを韓国で育つうちの子どもたちにどう伝えるかを考えて実行してみたお話です。
「それ?」同じ言葉なのに指す物が違う。子どもに教える事と親が気をつける事
言葉というものは不思議なもので、あるものを見せられて例えばそれが見たことがないもので
と教えられたら、
と思いながら覚えていくものだと思います。
子どものころから親に
とか
と質問を繰り返したり、大人が話しているのを聞いて自然に耳から覚えていくこともあると思います。
その後、外国語を勉強するようになるとすでに知っている言葉をその外国語で何と言うか学んでいきます(もちろん、文化の差などで自分の言語にはないものにも出会うと思います)。
ところで、韓国に来てから言語の差なのか文化の差なのか、知っている言葉なのに
と驚いたことが何度かあります。ではではは、早速そんな言葉の例をいくつか挙げながらバイリンガル子育てと関連させて考えてみたいと思います。
一見同じ単語だけど・・・
「一見よく知っている言葉なのに指す物が違う・・・」これは例をあげると・・・
- カステラ
- エアコン
- ホットドック
などです。韓国語でもこれらの言葉はおなじような発音なのでてっきり日本語の意味と同じだと思っていました。ところが・・・
★1.カステラ
最初に、
となったのは、かれこれ10年以上前のことです。まだ独身で韓国に来たばかりのころに、知り合いのお宅に遊びに行くことになりました。そこで、私は手土産として箱に入ったカステラを持っていきました。
知り合いのお宅に到着してご挨拶をして、手土産のカステラを渡しました。すると、その知り合いの方がご家族にこう言ったのです。
私が持って行ったのは「パン」ではなく「カステラ」です。
と
と思いました。それまで考えたことはなかったのですが、私の中では「パン」よりも「ケーキ」の部類に入ると思います。しかし韓国ではカステラやロールケーキも「パン」を意味するのです。また、日本ではケーキ屋さんとパン屋さんは別々のお店であることが多いのですが、韓国ではパン屋さんとケーキ屋さんがひとつのお店で一緒になっていてパンもスイーツも売られていることがよくあります(代表的なチェーン店だと「パリバケット」とか「トゥレジュール」などでしょうか・・・)。
★2.エアコン
暑い時、そして寒いときに使うのがエアコンで壁や天井に取り付けられたものを指す、と私は思っていました。しかし、韓国に住んでみると暑い時はいいのですが寒い時に暖房の機能がすべてのエアコンにあるとは限らないのです。
それは韓国人の方のお宅で話していた時にわかりました。
私 :ちょっと寒いですね。エアコンつけてもらってもいいですか。
韓国人の知り合い:エアコン? もっと寒くなりますよ。オンドルをつけなきゃ。
私は一瞬「えっ?」と思いましたが、すぐに意味がわかりました。韓国の家ではオンドル(床暖房)があるので、家庭用のエアコンなど一部のエアコンには暖房機能がないものがあります。そのため、「エアコン = クーラー」であって、「エアコン = ヒーター」ではないのです。
しかし、会社や学校など床に直接座らない場所(土足で歩く場所)で使うエアコンには冷房、暖房の両方の機能があります。そんな時は、エアコンは「クーラーの機能もヒーターの機能も持ち合わせた物」という意味となり、
- クーラー = 冷房(냉방)
- ヒーター = 暖房(난방)
のように韓国の人は使い分けていて、リモコンなどの操作ボタンにもそのようにハングルで表示されています。 ふむふむ・・・ 韓国のエアコン事情といった感じですね。
3.★ホットドッグ
これはうちの子と話していた時のことです。
うちの子:ママ~、ホットドッグ買って!
私 :ホットドッグ? どこ?
うちの子:あそこ。
私 :どこ?? ないけど??
うちの子:あそこだってばー。
その時、私たちは高速道路のサービスエリアの売店にいました。すぐに食べられるものが売っている売店の前に、子どもは走っていって「ホットドッグ」を指差しましたが・・・
子どもが指差したものは、私にとっては全然「ホットドッグ」ではなく「アメリカンドッグ」だったのです。
私が思う「ホットドッグ」は、パンに切り目を入れてソーセージや玉ねぎなどをはさんで上からケチャップやマスタードをかけて食べるものです。しかし韓国では私が「アメリカンドッグ」だと思うものを「ホットドッグ」と呼んでいます。
日本の楽天でも買えますね!
|
Amazonにも!^^;
さてさて、それではパンに切り目を入れてソーセージや玉ねぎなどをはさんで上からケチャップやマスタードをかけたりトッピングしたりして食べるものは、韓国では「アメリカンホットドック(아메리칸 핫도그)」と呼ばれています(但し、単にホットドックと呼ばれることもたまにあります)。
子どもにはどう教える?
では、子どもには、どのように教えたらいいのでしょうか...? 子どもには、やはり区別して覚えてほしいし区別して使えるようになってほしいと思います。そのため、
と教えたらいいと思います。そして子どもたちは、家の中で日本語で話す時や日本人と話す時、日本に一時帰国した時には、「アメリカンドッグ」といい、韓国にいる時や韓国語で話す時、韓国人と話す時は「ホットドッグ( 핫도그)」を使うよう使い分けができるようにしていけばいいと思います。
我が家の場合は上の子は小学校高学年なので、このような使い分けは習慣にするとうまく行きます。しかし、下の子はまだ幼稚園児なのでまだまだ使い分けがちゃんとできてないこともあるので、少しずつやっていこうと思います。
「楽!」と「日本語らしさ」の間で葛藤...
家の中にいると、夫、上の子、下の子は韓国語がネイティブ、私が日本語がネイティブなので、3対1です。もちろん、「家の中は日本語」ということにしているのですが、たまに韓国語で夫と子どもたちが話していることもあります。
アメリカンドッグの例で言うと、私も「ホットドッグ」と、つい言ってしまったり韓国語で話してしまえば楽は楽なのですが、それでは子どもたちの日本語は育ちません。子どもたちが日本語をしゃべっている時に、うっかり間違えて「ホットドッグ」と言ってしまってももちろん私には意味がわかるのですが、そのままにせずに
と、子どもに聞いたりしています。たぶん、そういうひとつひとつの積み重ねが子どもの日本語が日本語らしくなるのに繋がると思うからです。ついつい、韓国語に流されないように私自身が気をつけなきゃです。
初めの「違和感」を忘れない!
韓国に長く住んでいると最初に、
と違和感を感じたことも、年月が過ぎていくのと共にだんだんと普通になっていって違和感が薄れていくことがあります。
しかし、初めに感じた違和感はきっと日本で生まれ育った人としての言語的な「直感」で、きっと日本語ネイティブならではのものだと思います。
韓国に住んでいて周りが韓国人だらけですが、初めに感じた違和感を忘れないで日本語らしい日本語を子どもたちに教えていきたなぁと思います。
まとめ
今回は、日本語でも韓国語でも同じような発音で同じような言葉について、指すものが違う場合、その理由とバイリンガル子育てをしている子どもたちにはどう教えるか、そして日本人である私自身はどうすればいいのかを考えてみました。
海外在住が長くなっても日本語らしい日本語は忘れず、子どもたちに伝えて行けたらいいいなぁと思います。そのためには、初心を忘れずに......、ですね。