こんにちは。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようとしているまめちゃん(@mame_chang)です。
「外国語を勉強する時って、文字を見ながら確認しないとなんとなく不安になるのがアジア人の大人の学習者。」
ということをどこかで読んだ気がします。なんでも欧米系の人は文字よりも耳から入る人も多いのだとか(どこで見たか覚えてないので、また見つけたら追記します!)。
私もやっぱりそんな感じで中学生になってからの英語の勉強は学校で読み書きもやらされたのでちょっとおいといて、自分で学習を始めた韓国語やちょっとだけかじった中国語などもやっぱり文字がないとちゃんとした発音がわからないし、勉強した気分にはならなかったものです。
一方、子どもって文字がちゃんと読めるのっていつごろでしょうか。日本語の場合、日本で生まれ育っていたら幼稚園の年中さんぐらいになったら平仮名で自分の名前を書いたりできるようです。そして小学校に入ってから本格的に読み書きの勉強が始まります。それまでは、周りから聞こえること、話しかけられることを頼りに耳で覚えて言葉を覚えていくようです。
今回は、そんな「耳」だけを頼りに言葉を覚えている海外在住のバイリンガル児がいいたい言葉が言えるようになるようになるために、私がやってみたことについてのお話です。
「トドって何?」下の子の質問からこんな方法で正しい単語に導いてみました。
子どもたちのバイリンガル育児を始めて早くも約10年ですが下の子はまだ3歳なので10年ではなく、まだ3年です。下の子というものは一般的に上の子の影響を受けるもののようですが、やはりうちの子も上の子の影響を言葉はもちろん遊びや音楽など、いろいろな面で受けています。
韓国生まれ韓国育ちですが日本語はちゃんと覚えて欲しいと思って子どもたちを育てていますが、上の子にはうまくいったことも下の子にはうまく行かないこともあります。
その理由はいくつかありますが、そのひとつが年齢ではないかと思います。私と子どもとの日々のなにげない会話から下の子が今持ってる単語の数を増やすためにやってみたことの1つ、とは何でしょうか。
3歳児の日本語ってどんな日本語?!
3歳児といっても細かくみると3歳何ヶ月なのかや兄弟姉妹がいるかによっても違うので一般的な話は難しいですが、うちの下の子は上の子が小学生、3歳といっても4歳に近い3歳児です。
そのうちの3歳児の日本語は、だいたい次のような感じです。
★.できること
- 自分がしたいことや欲しいものを日本語で相手に伝えることかできる。
- 自分の感情を簡単な単語で表現することができる。
- 日常的なことについて幼稚園であった出来事を韓国語の単語混じりなら話すことができる。
★.まだ難しいこと
- 幼稚園で習ったことについて日常的ではないことはしどろもどろ。
- 文法的におかしな文をつくる。たまに韓国語が1つの文にまざることも。
バイリンガル児の3歳児ならではだと思うのは、日本語と韓国語が混ざってしまうことです。そしてそれは昼間に通っている韓国の幼稚園で習ったことを家に帰ってきてからママ(←私)に話したいのに日本語でなんと言ったらいいかわからない時によく起こります。幼稚園であった出来事をママに話したいんだなぁ、と思いながら聞いています。
言いたいことが言えない時の誘導
こんな感じの下の子ですが、まだまだ韓国語も日本語も発展段階です。数日前に私と下の子はこんな会話をしました。下の子と道を歩いていた時の会話です。その会話はこんな風に始まりました。
私は、季節的にも夏だし幼稚園で海の生き物の話でも聞いてきたのかな? 「・・・にしても日本語?! トドなんてどこで聞いてきたんだ?!」と思いながら、
と答えました。まぁ、魚と言っていいかわかりませんが・・・。すると子供はこういうのです。
そこで私はようやく子どもがいいたいことがわかりました。私は子どもと日本語で会話をしていたので当然日本語の語彙としてこの「トド」という言葉を理解しようとしていたのですが、実は子どもは日本語の「トド」ではなく韓国語の「도둑(トドゥッ)」が日本語で何というかわからなかったのです。(ちなみに「도둑(トドゥッ)」は「泥棒」の意味。)
私は少し下の子がどれくらい説明できるか見てみることにしました。
もちろん子どもは違うといいました。そこでこんな風に誘導してみました。
誘導の具体的な方法
私 :トドって、なんだろうね。人? 物? 動物?
子ども: 人。
私 :そうなの? どんなことする人?
子ども:えっと・・・(長い沈黙)
私 :いいことをする人かな? それとも悪いこと?
子ども:悪いこと。
私 :悪いことしてパトカー乗るの?
子ども:うん。
私 :じゃぁ、それは「どろぼう」だね~。
子ども:どろぼう?
私 :うん。物を盗んだりして悪いことしておまわりさんに捕まったらパトカー乗るんだよ。
子ども:どろぼうだ・・・。
もちろん、私の質問の仕方では「悪いことをしておまわりさんに捕まってパトカーに乗る人」は、殺人犯や詐欺師、密輸犯などいろいろな「悪いこと」があてはまります。しかし、子供が言いたかったのは「도둑(トドゥッ)」、つまり「泥棒」なのであえて「どろぼう」とだけ答えました。
上の子(小学校高学年)なら日本語で何というかわからないことがあっても、なんとか日本語で説明ができます。しかし、日本語も韓国語も、発音も文法も知っている単語の数も発達途中の下の子。「説明してごらん」と言ってもうまく言えません。そんな時は、たとえ「トド」と「パトカー」で意味がわかったとしても子供にひとつずつ質問していって答えにたどりついた方がいいかな、と思いました。
まとめ
今回は、下の子(3歳児)の知っている言葉を増やすために日本語で言えないことを誘導しながらいいたい単語に導く方法についてやってみた話をしました。まだまだ韓国語も日本語も発達段階の下の子ですが、今日お話しした方法は、私が韓国語がわからなかったらできなかったように思います。
また、私が忙しい時などに子どもに話しかけられて、
などと言ってしまったら、きっと子どもが本当に言いたかった言葉の「泥棒」という語彙にはたどりつけなかっただろうし、「泥棒」という言葉を子どもがちゃんと知らないのを私が把握することもできなかったと思います。
子どもが「言いたい」「ママに伝えたい」と思うことで、日本語でいえないことを何とか導き出し日本語で何というかを教えていけば知ってる言葉も少しずつ増えていくのではないかと思います。
子どもの様子を見ながら少しずつ・・・、ですね。