こんにちは。韓国で2人の子どもたちをバイリンガルに育てるべく毎日奮闘中のまめちゃん(@mame_chang)です。私たちは毎日の生活の中で他の誰かとコミュニケーションする時に言葉を使います。相手は家族、近所の人学校の人、会社の人、たまたま道を尋ねた交番の方、お店で買い物をする時に売り場の場所を聞いた店員さんなどさまざまです。
このコミュニケーションは会話だけとは限らず、SNSで知り合いに何かを伝えたい時や情報を得たい時など、文字にしてコミュニケーションをとることも近年では増えてきました。
この「言葉」ですが、私たちは親から教えられて主に幼児期に「獲得」したものと、幼児期以降に勉強して身につけて「習得」したものとに分かれます。
・「獲得」と「習得」について ↓↓
そして「言葉」について頭の中や口に出したりして「言葉」で考えます。例えば、、、
「こんな言葉をこんな状況で使っても大丈夫なのかな?」
「◯◯って言葉は初めて聞いたけどどんな意味だろう?」
「リスってどんな動物のことを言うの?」
などです。今回は言葉について言葉で考えるときに日本語のネイティブならどうしているのか、そして海外で日本語を覚えながら育つバイリンガル児はどうしたらいいのかについて考えてみたいと思います。
メタ言語とは…海外で育つ子どもの日本語教育に役立つのかな?
多分「メタ言語」なんで言葉は聞いたことがない人も多いと思います。「メタ言語」とはコンピューターの世界でも使われることばですが、言語の世界ではだいたい次のような意味で使います。
- 言葉を使って言葉について考えること。
- 「これって文法的に正しいの?」と考えること。
- エアコンのついてない部屋で誰かが「暑いですね。」と言ったら「そうですね。」とだけ言うのか、「窓を開けましょうか。」と言うべきか考えること。
- 言葉の意味を考えること。
- ある場面でどんな言い方をしたらいいかを考えること。
では、このようなメタ言語について早速考えてみたいと思います。
ネイティブとメタ言語
日本生まれ日本育ちの私は日本語がネイティブなのですが、ものごごろがついた時には日本語をしゃべっていました。その私の経験では幼稚園〜社会人になるまで次のような感じだったと思います。
★.幼稚園の時
・言葉を覚えて語彙を増やす。
★.小学生の時
・言葉を覚えて語彙を増やす。
・親にしてはいけないと言われたことをやってしまった時に、どう言えば親に怒られないか考える。
★.中学生の時
・言葉を覚えて語彙を増やす。
・部活の先輩などとの人間関係を円滑に進めるための言い方を考える。
・英語では「◯◯」というのはどうして日本語では「▲▲」というのかな?などと考える。
★.高校生の時
・言葉を覚えて語彙を増やす。あとは中学の時とだいたい同じ。
(高校生の時は受験勉強に明け暮れてたので正直言うとあまり記憶がありません・・・。)
★.大学生の時
・言葉を覚えて語彙を増やす。
・バイトをしながらお客さんにはどんな言葉を使うべきか、いわゆるバイト用語のようなものについても考える。
★.社会人になってから
・言葉を覚えて語彙を増やす。
・会社で使う言葉、ウチとソト、敬語などについて使いながら覚えて考える。
今思いついたことだけを書きましたが、ざっとこんな感じでしょうか。全部に「言葉を覚えて語彙を増やす。」があるのは、日本で生まれ育った日本人とほいえ、初めて聞く言葉というのがたまにあるからです。
そして、言葉を覚えたら言葉通りの意味で使うこともあるし、そうでないこともあることも少しずつ覚えていったような気がします。
海外で育つ子どもはどうしたらいい?
では、海外に暮らすバイリンガル児はどうしたらいいのでしょうか。バイリンガルの子どもたちが基本的に海外でしていることは次のようなことだと思います。
★.家で
・親や兄弟と日本語で会話。知らない言葉を覚える。
・家庭によっては読み書きもする。
★.集まりや補習校などで
・日本語で会話。
・読み書きの練習。
もちろん、家で会話だけでなく読み書きを練習しているバイリンガルの子どもいると思います。そして近くに日本人の集まりや補習校がなければオンライン日本語補習校という手もあります。
・オンライン日本語補習校について ↓↓
しかし、おそらく現地校の場合は現地校の勉強や宿題もあるため、知識を身につけるのに精一杯で言葉の使い方や言葉通りの意味ではないことなどは教える余裕がない人もいるかもしれないも思います。
ところで韓国生まれ韓国育ちのうちの子たちですが、日本語についてどうなのかちょっと書いてみます。
海外で育つ子どもの例
では、海外で育つ子どもの例として、うちの上の子と下の子の話をしてみたいと思います。
★上の子(小学校高学年)の場合
私と毎日日本語で話していても生活の中の日本語は毎日決まったことの繰り返しだったりします。そのため、毎日生活で使う会話以外の話をテレビや本などを題材に話したりします。
また、「言葉を使って言葉について考えること。」については、ときどき、、
のような子どもの疑問から始まり私と2人で考えたりします。しかし意識してやらないと忙しい毎日に流されてしまいそうになることもあります。
★下の子(幼稚園児)の場合
下の子は、まだまだ知識を身につける時期で韓国語で言えることを日本語で言えない場合は日本語で教えたり、初めて聞く日本語は意味を教えたりしている段階です。
言葉を言葉通りに受け止めないことなどは下の子はまだまだこれからといった感じです。
メタ言語... 大切なことは何だろう?!
海外で子どもに日本語を覚えて欲しいと思ってバイリンガル子育てをしていますが、今回の「メタ言語」という点から言うと大切なのはきっと次のようなことだと思います。
- ただ日本語の語彙を増やすだけではない。
- 言葉について考えるということを意識化する必要がある。
- 言葉通りに受け止めないことがあるというのも具体的に教えておく。
実際に、上の子が日本の小学校に体験入学をした時も「言葉を覚えるというのと正しく使えるのは違う。」と痛感しました。
・言語を覚えるというのと正しく使えるのは違うと痛感した話 ↓↓
言葉ってたくさん知ってるに越したことはないのですが、それを「どのように使うか」や「他の人はどう使うか」、そして「使い方によって言葉は喧嘩の原因にもなるし誰かと仲良しになることもできる」ということ・・・。
これは日本で生まれ育っていたら自然と体得していくものだと思うのですが、海外に住んでいる子どもたちは日本語を使ってそこまでの経験ができない子どももいます。
そのため、日本語で生まれ育った親は「メタ言語」なんて言葉は特に知らないとしても子どもが日本語をどのように使っているかや聞いている人がどんな印象を受けるかなどについて気にしておくといいなと思います。
まとめ
今回は、「メタ言語」ということをキーワードに、日本語がネイティブの人はどう身につけるのか、海外で育っているけど日本語も身につけたいバイリンガル児はどうなのかについて書いてみました。
語彙を増やすのはなんとかなりそうですが、言葉について言葉で考えるというのは意識しないとなかなか難しいですね。日ごろから言葉について考える習慣がつけられたらいいなと思います。