こんにちは! 韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようとしているまめちゃん(@mame_chang)です。
この記事を読んでいる方々は、ご自分の母親のことを日本語で呼ぶ時どんな呼び方があるかわかるでしょうか。「ママ」「お母さん」「母さん」「お母ちゃん」「おふくろ」「オカン」「マミー」など、いろいろあると思います。 韓国に住んでいると、日本語で話している親子なのに母親を呼ぶ時だけ「엄마(オンマ)」と韓国語を使っているのを見かけることもあります。
今回、一時帰国中に日本で子育てをしている日本人の友人に何人か会えましたが、お子さんたちは幼稚園児から中学生まで幅がありました。 そして子どもが母親を呼ぶ時は、「ママ」と呼んでいたり「お母さん」と呼んでいたりでした。その中に中学生と小学生のお子さんたちがいる友人がいて、そのお子さんたちは、常に「お母さん」と呼んでいました。中にはお子さんが幼稚園児の時ぐらいからずっと「お母さん」と呼ばせている友人もいました。
私はそれを見て「いつごろまでママと呼んで、いつからお母さんと呼ぶんだろう?」と考えました。今日は、自分のことを振り返りつつ海外で育つうちの子たちのことについて考えてみたいと思います。
「ママ」から「お母さん」へ。呼び方は海外で育つ子供はどうしたら切り替わる?!
まず、日本で生まれ育った私はどうだったかな・・・?と、ちょっと昔のことを思い出してみると、私は小学生のころは母親のことを「ママ」と呼んでいました。しかし中学生になった時に母に、
と言われたのを覚えています。その時、私は中学生になってちょっと大人になった気分だったので、
と思っていました。
今のうちの子は?
私が子どもだったころはそんな感じでしたが、いつしか私も大人になりそんなことはすっかり忘れてしまっていました。しかし、自分も母親になって子育てをするようになり、あまり深くは考えず子どもたちに自分のことを「ママ」と呼ばせていました。きっとそれが私がそのように育てられてきたので、私にとって一番しっくり来る呼びかただったからです。
今回会った友人たちの様子から考えると、うちの上の子は小学校高学年、下の子は幼稚園児なので今ところ「ママ」でも「お母さん」でもいいような気もしますが、今のところは呼びなれている「ママ」だけを使っているといった感じです。
どうして「ママ」と「お母さん」と言葉が2つもあるの?
ところで、最初に「ママ」「お母さん」「母さん」「お母ちゃん」「おふくろ」「オカン」「マミー」など、色々挙げましたが、言語によっては母親のことを意味したり呼びかけたりする単語が1つしかない言葉もあります。日本語はさらに他にも「母上」なんて言葉もありますが、一般的には「ママ」または「お母さん」だと思います。
以前、どこかで世界の言語で母親を意味する言葉はどんな言葉か?という記事を読んだことがあります。記憶に残っているのは、そのほとんどが「m」の音で始まるということです。
私たち人間が生まれてから言葉を発し始めるのは1歳前後ですが、
「言葉を発することができる = どんな音でも出せる」
というわけではありません。言語(音)の習得には順番があって、その中でも「m」の音は比較的早い段階で習得されます。恐らく、「m」の音が比較的簡単な発声方法だからだと思います。 そのため、きっと世界の言語で母親に呼びかける言葉は「m」の音で始まるのが多いようです。
そして、その「m」の音なんて1つも入ってない「お母さん」ですが、これは言語習得の順序とは関係なさそうです。その語源はというと・・・
武家の母や妻女を「御方様(おかたさま)」と呼んでいたことに由来する。「おかたさま」から夫が妻を「かたさま」と言うようになり、子供がそれを真似た「かかさま」「かあちゃん」「かか」「おっかあ」を経て、現在の形となった。
語源由来辞典「おかあさん」より
習得順序から「ママ」が発音しやすいから子供が小さいころによく使われて、幼稚園児ぐらいに大きくなって「お母さん」と発音できるようになったら「お母さん」と呼ばせるのは、音の習得順序や子供が発音できる音の種類を考えると理にかなっているように思います。
「ママ」をやめないとどうなる?
このように考えて、もし「お母さん」を使わないで「ママ」をずっと使い続けるとどうなるのでしょうか。実際、日本人で母親のことを「うちのママは......」と呼ぶ女子大学生(帰国子女)に会ったことがあるのですが、正直にいうと違和感を感じました。
それはやはり、「ママ」は小さい子が発音がしやすいので「小さい子が使う言葉」というイメージや、私自身が中学生から「ママ」を止めて「お母さん」を使いだしたからというのがあるように思います。
日本で生まれ育つと、幼稚園、小学校、中学校と進んでいくうちに自分の親の話を友達とする時に、
「うちのママは・・・」
「うちのお母さんは・・・」
「うちのオカンは・・・」
のように友達が使っているのを聞くと思います。そして自分が使う言葉をもし周りがおかしいと思ったら、
「え~! ママだって?!」
のように言われて「ママ」を使うのを止めて周りに合わせて「お母さん」やその他の言葉を使いだすのだと思います。私は中学生のころから「お母さん」を使っていたものの、高校生のころは周りの影響で一時期「うちのオカン」と親のいないところで言っていました。
また、社会人になってからは、「うちの母は......」というように「母」という言い方をしていました。さすがに会社の同僚などには「うちのオカン」や「うちのママ」とはいえません。
しかし、海外で育つ子供で日常的に日本人との接触が親だけという場合は、そのような周りの影響もないのと使い分ける機会がないので、そのまま「ママ」が続いていきそうです。そして誰にも指摘されないまま大学生ぐらいになったらきっと、私が出会った女子大学生に感じたような違和感を周りも感じても、「まぁ、帰国子女だしね......」とか「まぁ、海外育ちだしね......」と思われるだけで何も指摘されないこともあるかもしれません。
そうすると、やはり「ママ」という言葉から「お母さん」という言葉への切り替えや、大きくなってから「ママ」という言葉を使うと周りはどんな印象を受けるかを子供に説明するのは、バイリンガル子育てをしている親の役目かなぁと思います。
うちは、上の子が中学生になったら「ママ」を止めて「お母さん」って呼んでもらおうかな、と考えています。そして、そのようにすると多分、下の子も上の子を真似して同じように私のことを「お母さん」と呼ぶようになるんだろうなぁ、と思います。
【追記】2021年6月23日
日本の大学生(このブログに書いたのと別の学生)とこの話をしていたら、「最近はママと呼んでる人もいますよ。要は使い分けですかね。」と言っていて、なるほど~と思いました。
まとめ
今回は、一時帰国中に子連れで会った日本人の友人たちを見ていて「ママ」や「お母さん」という呼び方について考えたことを書いてみました。 結果的に自分の母親に向かって呼びかける時の言葉と、他の人と話している時に自分の母親をどのように呼ぶかという話が混じってしまいました......。
日本にいたら自然に切り替えが進んでいく言葉も、海外に住んでいる場合は意識して切り替えが行われるようにしないといけないのも、バイリンガル子育てのうちのひとつなのかなぁ、と思います。