こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日を過ごしています。
日本で生まれ育った私は世代的にも小学校の頃に外国語などは導入されず、初めて英語に触れたのは中学校の時でした。そして、なんとなく英語を勉強しそのうち韓国語に興味を持つようになり(その後かじってみた言語もいくつかありますが...)、今に至ります。
外国語を「勉強」する時はたいていの場合教科書やプリントで文字を覚え挨拶や簡単な文から具体的な内容が言えるようにがんばり、だんだん抽象的で自分に身近ではないことも言えるようになるようがんばります。
外国語を話すことに慣れてきたら半ば自動的に口から言葉がでることもあるのですが、それまでは頭の中でいろいろと考えなければいけません。それは、
「この文法で合ってるかな?」
「単語の選択や意味は、これで合ってるかな?」
といったことです。文法だと、肯定形、否定形、過去形、未来形など、文法の時間に習ったことを思い出しながら文を作ります。韓国語は私の場合、学校で習ったことはなく自分で興味をもって勉強を始め韓国語教室のようなところに少し通っていましたが、やはりそこでも文法から始めていました。
そして言いたいことにぴったりくる単語を選んで使います。会話をする時も作文を書く時もいつも感じたのが、
ということです。文法ばかりに意識がいくとなんだか堅苦しい話し方になったり会話についていけなくなることがあります。しかし意味や言い回しばかりに気を取られているとコミュニケーション力はあるように見えるかもしれませんが文法的にボロボロとなることもあります。
では、海外で生まれ育ち親から日本語を受け継ごうとする子供たちの場合はどうなんだろう・・・?という素朴な疑問が湧きました。
今回はこの自分の素朴な疑問をうちの子たちが使う日本語を観察して思ったことなどについてお話ししたいと思います。
子どもって「意味」と「文法」ではどっちを意識してしゃべってるのかな?
ここで少し私の話がまだ続きます。日本で生まれ育った私が日本語を話す時は、
「文法的におかしいときはすぐに気がつく。」
「発音やイントネーションが自分の出身地と違うとすぐにわかる。」
ネイティブは例えば、
といった、文法的におかしな文を聞いたら、それが語学の先生でなくても瞬間的に「おかしい」と気がつき「大きいの本」ではなく「大きい本」と訂正することができます。
また、相手の発音やイントネーションは自分の出身地と違う場合もすぐに気がつきます。
子どもはどうなのかな?
では、海外で生まれ育つ子どもの場合はどうなのでしょうか。うちの子供たちの話す日本語を聞いていると、
★上の子の場合
小学校高学年の上の子は、文法的におかしな使い方はは最近ではほとんどしません。本人も文法はそれほど意識していないように見えます。しかし、使う単語や表現が不自然なことがあります。それは韓国語に影響された言い方であることが最近では多いです。
こう見てみると、上の子は多分文法ではなく意味や言葉の使い方に意識しながらしゃべってるのではないかと思います。そしてこれは上の子が幼いときから、
「不自然だな、間違ってるなと思ったら訂正する。」
ということを繰り返してきた結果ではないかと思います。
★下の子の場合
幼稚園児の下の子は、文法もまだまだ怪しくびっくりするような間違いをするかと思ったらこなれた言い方もできます。きっと文を頭の中で作りながら知ってる言葉をつなぎ合わせてしゃべっているのかもしれないと思います。
本当は「今、文法考えながらしゃべってるの~?」とか聞きたいのですが、きっとそれは幼稚園児には答えられない質問だと思います。頭の中で文を作る過程などをのぞくことができたら一番早いのですが...。
日本語と韓国語のバイリンガルの子どもになるってどういうこと?
韓国で生まれ、日本語が母語の母親に育てられているうちの子どもたち。ネイティブというものは文法についてはきっとあまり意識していないものだと思います。ただし言葉や言い回しは、場面や相手によって使い分けが必要なので意識するものなのだと思います。その代表的な例が友達とはくだけた言葉で話し、目上やアルバイト先のお客さんとは敬語で話す、といったことだと思います。
うちの子どもたちは韓国生まれ韓国育ちですが、文法は意識せず場面や相手によって言葉を使い分けることだけを意識するようになれたらいいなと思います。上の子は生まれてかれこれ10年なので、文法という意味ではネイティブに近づいているのかもしれません。しかし、場面や相手による言葉を使い分けはまだまだこれからです(←これは日本で生まれ育っていてもそうかもしれません)。
今後は、上の子は語彙を増やしてもっと実際に使ってみる練習が必要だなと思います。きっとそうすることで韓国語に影響された言葉や表現が減るのではないかと思うからです。一方、下の子は文法的におかしくない言葉で話せるように、ひとつひとつ直していきつつ新しい言葉もどんどん教えていくのがいいかな、と思います。そして、訂正する時は「文法」という言葉を使わず間違った言い方を直して正しい言い方をひとつのまとまりの言葉として覚えてもらえたら、と思います(例えば、先ほどの「大きいの本」→「大きい本」のようにです)。
まとめ
今回は、文法と意味や言い方などについて私自身の外国語学習や日本語を話す時の経験をまず振り返ってみました。そして、韓国で生まれ育つうちの子どもたちが使う日本語を観察し、上の子は文法についてはネイティブに近づいてるのではないかな?と思ったことや今後はどうしようと思っているのかについても、少し書きました。
子どもたちには成長するにつれ使う言葉や表現も豊かになっていってほしいと思います。今の環境では韓国語はそうなると思うのですが、日本語は意識しないとどこかで停滞してしまいそうです。
こう考えるとバイリンガル子育てとは、日々の努力と親子の二人三脚なのかもしれません。