こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日奮闘しています。
前回は、「(前編)上の子と下の子の韓国語に影響された日本語の間違い。そこから何が見えてくる?」と題して、うちの上の子と下の子がする韓国語に影響された間違いについて、間違いの具体的な例やその理由を韓国語と照らし合わせながら書きました。
そして、今回は「後編」ということで、
「どうして韓国語に影響された間違いが起こるのか。」
そして、
「バイリンガル児は一度、このような間違いをし始めるとそのままなのか。」
について、考えたことを書いてみたいと思います。
(後編)上の子と下の子の韓国語に影響された日本語の間違いから見えてくるもの
韓国語に影響された間違いの具体的な例は、昨日の話を読んでいただくことにして(「合わせて読みたい」からどうぞ~)、昨日ご紹介したうちの上の子と下の子の韓国語に影響された日本語の間違いとは、つまりどんなものかを考えてみたいと思います。
・前回の話 ↓↓
間違いは昨日書いたものが全てではないのですが、上の子は韓国語を直訳したものが多く、下の子は直訳型と韓国語と日本語が混じったものなどなど、いろいろあります。 これは下の子がまだ幼稚園児なので言語的にまだどちらも確立していないため、不安定なことを表しているように思います。
そして、上の子にも下の子にも共通するのが「直訳」することなのですが、どうして直訳するのでしょうか・・・?
日本語を勉強する大人の場合
ところで、突然ですが、日本語を勉強している大人の場合はどうでしょうか。子どもの頃からではなく、モノリンガル(言語が1つだけ)で育って、その後自分の興味で日本語の勉強を始めた人がいるとします。このような大人がする間違いにはいろいろな種類がありますが、「母語から直訳」と考えた場合・・・
- 自分の母語の方が日本語より強い。
- 何といったらわからなかったら直訳してみる。
- 間違えていたら先生や周りの人に説明をしてもらったり訂正してもらったりして覚えていく。
このような流れになるのだと思います。大人の場合は、母語がちゃんとできていれば母語の方がもちろん上手です。言いたいことや内容も母語なら自由に自然に言えますが、外国語なら特に初級や中級の場合はスムーズに行かないこともあります。
そんな時にやってみる(またはやってしまう)のが、母語を直訳する方法です。これは意識的なこともあれば、無意識にやることもあります。
バイリンガルの子どもの場合
では、大人ではなくバイリンガル児の場合はどうでしょうか。韓国語の影響を受けるのはきっと次のような場合だと思います。
- 日本語よりも韓国語の方が使い慣れている場合。
- とっさに、何かが言いたくて言葉が出てくる場合。
残念ながら、1.の場合も2.の場合もバイリンガル児とはいえ片方の言語の方が強い時に起こるような気がします。特に、2.のようにとっさのひと言は無意識のことも多いと思うので、バイリンガル児にとって自然な言語が影響するのだと思います。
つまり、うちの子たちで言うと、、、、
・とっさに何かママ(←私)に、何か言わないといけない!
↓
・ママとは日本語で話すことになっている。
↓
・口から出た言葉は韓国語の影響を受けている。
とっさに、、、なので、多分このような流れが一瞬で起こるのではないかと思います。 また、上の子と下の子をみてると年齢が上がるほど韓国語が強くなってるように思います。それは幼稚園児の下の子と比べて上の子は今まで生きてきた中で韓国語に触れている時間が下の子よりも長く、韓国の小学校に通っていることもあり韓国語がしっかりしているからかもしれません。
年齢が上がると・・・、と考えると母語が確立しきっている大人はなおさらのことだと思います。このように考えると、大人になるまでにひとつの流れがあるのかもしれない、とも思います。
保育園 ←両言語とも不安定
幼稚園 ←両言語とも不安定
小学校 ←片方の言語が安定し確立され始める(理想は両言語ですが・・・)
中学校 ←片方の言語が安定し確立される(理想は両言語ですが・・・)?!
高校 ←片方の言語が安定し確立される(理想は両言語ですが・・・)?!
大学 ←片方の言語が安定し確立される(理想は両言語ですが・・・)
成人 ←片方の言語が安定し確立される(理想は両言語ですが・・・)
身近にいるのが保育園児、幼稚園児、小学生、そして大人(この場合は大学生以上)なので、正直言うと中学校と高校の方は個人的にはよくわからない部分があります。そのため、「?!」をつけておきました。
そして、気になるのは
「バイリンガル児は一度、このような間違いをし始めるとそのままなのか。」
ということです。
このままなの? このままじゃないの?
子どもが置かれた環境によると思いますが、私の今までの経験では「このままじゃない」と思います。それは、今年の冬に日本に約4週間一時帰国して韓国に戻ってきた時に、「はっ!」と気づかされました。
簡単に言うと日本での約4週間の間に子供の頭の中で強いと思っていた言語がかげりを見せて、
と感じた瞬間があったからです(詳しいエピソードは「合わせて読みたい・・・」からどうぞ~)。そのため、きっと子供が置かれた環境によってはこのままいかず強い言語は入れ替え可能なのではないかと思います。
・
強い言語が入れ替わった!と思ったエピソード ↓↓
大人の場合も入れ替え可能?
では、大人の場合はどうでしょうか? 日本に4週間一時帰国した私を例に挙げると、母国に戻って母語環境に戻っただけなのと、韓国にいても家庭では日本語を使うようにしているので、私の場合はむしろ韓国にいて韓国語漬けの生活をかなり長くすれば入れ替わる可能性はあると思います。
とは言っても、今は子どもたちをバイリンガルにするために韓国にいても日本語をよく使うので、それは期待できませんが・・・。
まとめ
今回は昨日の「後編」ということで、「前編」の内容を受けて、日韓バイリンガル児が韓国語に影響される理由や、このままの状態が続くのかなどについて、大人の場合や過去の経験なども交えてお話ししました。
子どもは頭が柔らかい・・・と言いますが、言語の面でも置かれた環境によって言語的な影響を受けやすいのだと思います。そしてそれは日本語と韓国語だけの話ではなく、きっとどの言語でもそうなのだと思います。
また、バイリンガル育児というものは子どもの言語的な成長も見ることができて、なかなかおもしろいと思います。