こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日奮闘しています。
昔は自分が母親になり子育てするなんて想像もできなかった時期もありましたが、気づけば二児の母。子どもたちを育て、逆に子どもたちに親として育てられている毎日です。
上の子が生まれた当初は、私は日本語を教えた経験があるせいか、日本語を勉強する人たちと同じように子供が日本語を覚えていくのかわかりませんでした。
もちろん、ひと通りの勉強はしたので知識としては言語の「獲得」と「習得」が違うことや、「母語」と「母国語」が違うことは知っていました(「それって何?!」という場合は、「合わせて読みたい」からどうぞ〜)。
・言語の「獲得」と「習得」の違い ↓↓
・母語と母国語と違い ↓↓
そして、いざ子育てを始めてみると知識として習ったことが実際に目の前に続々と現れてきました。それは発音、文法、単語、表現などすべてにおいてです。
今回は、そんな中でも子どもが日本語を覚える順番について日本語を外国語として学習する場合とも比較しながらお話ししたいと思います。
同じかな? 子どもが日本語を覚える順番と大人の学習者が覚える順番
私が「外国語として」日本語を教えたことがあるのは下は小学生、上は定年退職後の方々でした。小学生と定年退職後の人だと、年齢差が50歳ほどです。興味の対象や吸収力、話題の違いなどもおもしろかったです。
日本語を外国語として勉強する場合は、学習目的によっても多少変わりますが一般的には、
・◯◯は、〜です。
(例: 私は韓国人です。)
・◯◯は、〜ですか。
(例: 林さんは中国人ですか。)
・◯◯は、〜ではありません。
(例:李さんは韓国人ではありません。)
のような名詞の文から始まります。そして、形容詞、動詞となります。他にも、
「これ、それ、あれ、どれ」
「前、後ろ、横、上、下」
など、初級は覚えることがいっぱいです。そして、伝統的なカリキュラムは
「簡単なものから難しいものへ。」
と組まれています。そのため、例えば動詞を習ったとしても、
「◯◯さんは、ご飯を食べています。」
という文の作り方しか知らなければ、例え「食べる」という動詞を知っていても、
「妹にケーキを食べられました。」
という風に「食べる」という動詞を「食べられた」と活用させた文は、作ることはできないということです。
子どもの場合
子育てを始めて子どもが言葉を話し出すようになってから気がついたのは、子どもが言葉を覚えていく順番です。
日本語を「外国語」として勉強している人たちと、日本語を「母語」として親から受け継いでいく子どもたちが覚えていく順番が違うのは知識としては知ってたのですが、実際自分の子どもたちの様子を見ていてそれをしみじみと実感しました。
さっきの「外国語」としての場合だと、「簡単なものから難しいものへ」なので複雑な文法や単語などは最初の方には出てきません。
しかし、そんな複雑な文法や単語も子どもたちはあっという間に覚えて使っているのです。これには、かなり驚きました。例えば、
ママ〜、◯◯ちゃんにたたかれた〜。
(トンカツ食べてたら、)ソースが服についた〜。
どちらも、日本人なら問題なく作ることができる文です。しかし、
「たたく」を「たたかれた」に活用させることや「服につく」という言葉は、初級のころは教科書などには頻繁に出てくるものではありません。
しかし、子どもの場合はこれらの文をすぐに覚えて使います。その一方で、「これ、それ、あれ」の区別がちゃんとついてなくて、遠い物を指さしながら「これ」と言ってることもあります。この差は、どこから生まれるのでしょうか。
なぜ同じじゃないのかな?
さっきのように、日本語を「外国語」として学習する場合は、「簡単なものから難しいものへ」と学んでいきます。しかし、子どもが親から日本語を受けつぐ時は文法説明もなければ、親が
という意識もないものだと思います。そのため、日本語がネイティブの大人が普通に使う文法で子どもに話しかけ、単語だけが赤ちゃん語や幼児語になるのだと思います。
そして、いろいろな表現や文法、言葉が混在する中で子どもはママやパパとコミュニケーションが取りたくて使う言葉が、さっきの2つのような文なのだと思います。そしてもちろん、子どもの方にも
ママに教えてもらった通りの文法で話そう。
簡単な文法でしゃべったらいいかな。
というような意識はないと思います。子どもの方は、生活の中で出会った場面をママやパパに伝えたいことが、きっと頭に蓄積されていくのだと思います。きっとそこには「外国語」として日本語を学ぶ時のような「簡単なものから難しいもの」という配列は存在しておらず、「ママやパパとお話する時に必要な言葉」が身近なものからそうでないものへと続いているのかもしれないと思います。
バイリンガルに子どもを育てて思うこと
子どもが日本語を覚える順番が、「外国語」としての日本語を学習する順番と違うのは、とてもおもしろいことだと思います。バイリンガル子育てをしている親としては、やはり「外国語」としてではなく「母語」として日本語を覚えてほしいと思います。
そのためには、どんどん日本語で子どもとコミュニケーションをとるのが一番の方法だと思います。
まとめ
今回は、子どもが日本語を覚える順番が、「外国語」として日本語を勉強している人とは違うことについて、例も挙げながらお話ししました。外国語として勉強する場合は、すでに自分の母語が確立している場合もあるので、そのような場合はやはり文法の助けが必要となると思います。
子どもが子どもの時にしかすることができない「バイリンガル子育て」。今後も子どもの様子を見ながらゆっくりがんばらなきゃです。