こんにちは! 韓国でバイリンガル子育て奮闘中のまめちゃん( @mame_chang )です。 現在韓国在住の我が家。昼間はそれぞれ仕事や学校で韓国社会に身を置き韓国語で暮らしています。そして家に帰って来ると日本語でコミュニケーションが始まる、といった毎日を過ごしています。
旦那は韓国人だし、子どもたちも韓国生まれ韓国育ちなので、おのずと韓国語が優位な人たちに囲まれて私1人が日本生まれ日本育ちの日本語ネイティブです。 韓国語に影響されたヘンテコリンな日本語を聞いても、それに慣れて流されないように抵抗しつつ、日本人らしい日本語をキープしようとがんばっています。
今回は、家族で話してた時にふとでた言葉をきっかけにバイリンガル児の疑問に対して、日本語がネイティブの親ならではの「答えの探し方」についてお話ししたいと思います。
「たこ焼き」と「焼きだこ」は同じ? バイリンガル児の疑問に日本人の親が答えてみた
いつものように、家族で家で食事をしていた時のことです。小学校高学年の上の子がこんなことを言いました。
子どもの質問は、
「たこ焼きは、たこを焼いたものでもないのに何で ”たこ焼き” と呼ぶのか?」
というものです。さらに疑問に思った理由が、
というのです。そこで私は、
と心の中で思いました。韓国にもうなぎを焼いたものがあって、「장어 구이(チャンオ クイ)」と言います。「チャンオ」は「うなぎ」そして「クイ」は、「焼き」なので、語順そのままの直訳が「うなぎ焼き」となるのです。
しかし、日本語では「うなぎの蒲焼」とは言っても「うなぎ焼き」はないですよね。言うなら「焼きうなぎ」が自然だと思います。(同じような韓国式の日本語には「貝焼き」や「魚焼き」もあります...^^。)
韓国語の影響を受けた日本語の話はこの辺にして、今回の本題の、
「たこ焼きは、たこを焼いたものでもないのに何で ”たこ焼き” と呼ぶのか?」
に、戻りたいと思います。
日本語がネイティブの親は即答すべき?
子どもにこのような質問をされると、このブログを読んでる方はどのようにお子さんに答えるでしょうか。
- 「さぁ、日本語では、ああいう食べ物はたこ焼きって言うんだよ。」と答えて、そういうものだと思ってもらう。
- 「なんでたこ焼きって言うか考えてみて〜。」と子どもに考えさせる。
- 「なんでだろうね? 一緒に考えてみようか。」と言って一緒に考えてみる。
日本に住んでいたら、
と、学校の先生にバトンタッチ!してしまうこともできます。しかし、海外に住んでいて子どもが現地校に通っているとそれもできないし、日本語のネイティブの親が国語の先生なのです。
ちなみに、私はこれを聞いてきたのが下の子(幼稚園児)なら、1.か2.にします。そして、
と、適当な理由をつけると思います。ちなみにたこ焼きは韓国にあって韓国語では「문어빵(ムノパン)」といいます。「ムノ」が「たこ」で「パン」が、日本語の「パン」です。「えっ?! パン?!」という驚きの声が聞こえて来そうですね!(^◇^;))
今回、質問してきたのが小学校高学年の上の子なので、3.のように一緒に考えるという方法をとりました。また、日本語教師の経験がある私は、このような場合、つい法則を即答してしまいそうになります。しかし、それでは子どもの記憶に長く残らないのではないかと思い一緒に考えるというやり方にしました。
日本語ネイティブならできるコト
さて、子どもの質問に答えるために日本語がネイティブならではの私がやった方法とは、リスト作りです。何のリストかと言うと、「たこ焼き」のように「○○焼き」という言葉には他にどんな言葉があるかリストにして書き出してみるのです。
そして、実際にたこを焼いた場合は「焼きだこ」となるので「焼き○○」という言葉で「○○」の中に食べ物の名前が入るものをリストアップします。
今回は子どもと2人で考えたのでパソコンは使わず、紙とえんぴつで思いついたものをメモしました。
ここまで読んで「そのどこが日本語ネイティブならではなの?!」と思う方がいるかも知れません。リストを作るのはもちろんネイティブでなくてもできます。
しかし、リストから法則を導き出そうと思うと、そのリストは正しい日本語でなければなりません。最初に書いた「うなぎ焼き」は、リストに子どもが入れたいと思っても「日本語ではそんな風に言わないよ。」と瞬時に直感的に判断してリストから外すことができるのはネイティブだからできることだと思います。
リストを眺めた結果?
さてさて、ではここで作ってみたリストを眺めてみることにします。
これを、じ〜っと眺めていると、ある法則が見えてきます。これを読んでいる方は、何か気がついたことかあるでしょうか。
それは、、、
- 「焼き○○」は、「焼いた○○である」。
- 「焼き○○」になると「○○」の最初のひらがなに点々(濁点)をつける。
ちょっと具体的に見てみます。
★.1. 「焼き○○」は、「焼いた○○である」。
焼きどうふ、焼きなす、焼きだこ、焼きイカ、焼き魚などなどです。つまり、その食べ物をどう調理したのかがわかると言ってもいいかもしれません。
- たこ焼き → たこを入れて焼いたもの。
- イカ焼き → イカを入れて薄く焼いたお好み焼きみたいなもの。
- とん平焼き → 豚(トン)を平たく焼いたもの。
- 回転焼き → 機械を回転させながら焼いたもの。
- ホイル焼き → アルミホイルで包んで焼いたもの。
- ○○の姿焼き → 食材のもともとの姿(原型)をとどめたまま焼いたもの。
- くし焼き →串に刺して焼いたもの。
ちなみに、とん平焼きは「とん平って何?!」と思ったので調べてみたら次のように載ってました。
とん平焼の語源は豚を平たく焼いたものから。
Wikipedia「とん平焼き」より
★.2「焼き○○」になると「○○」の最初のひらがなに点々(濁点)をつける。
なす、とうふ、さかな、おにぎり、うどん、そばなど、このリストには色々な食べ物の名前がありますが、点々(濁点)をつけることができるものとできないものに分けられます。
<点々(濁点)がつけられるもの>
・とうふ → どうふ
・さかな → ざかな
・たこ → だこ
<点々(濁点)がつけられないもの>
・なす
・おにぎり
・うどん
・そば
「と」は「ど」にできるし、「た」は「だ」にできますが、「な」や「お」には点々(濁点)がつかないですよね。なので、濁点をつけることがてきるものは「焼き」が前についたら濁点がつく、という法則があると言えると思います。
また、「イカ焼き」と「焼きイカ」だけは例外で、「イカ焼き」はイカを入れて焼いたお好み焼きみたいなものという意味にもなるし、イカを焼いたものという意味にもなると思います。
バイリンガル児が言葉の違いが気になったらどうしたらいい?
では、日常的に日本語の接触が限られている海外に住むバイリンガル児が、言葉と違いについて知りたくなった時、親はどうしたらいいでしょうか。
方法はいくつかあります。
- 子どもに自分で考えてもらう。
- 子どもと国語辞典を開く。
- 今回のお話のようにリストを作って法則を導き出してみる。
- 子どもがインターネットが使えるなら検索させてみる。
ちなみにうちで使ってる国語辞典については、↓参考記事をご覧ください^_^
・国語辞典について ↓↓
また、インターネットを使っての検索は海外在住のバイリンガル児ならではのアプローチもあります。それも参考記事に詳しく書きましたので ↓↓からどうぞ~。
・バイリンガル児ならではのインターネット検索 ↓↓
まとめ
日本で生まれ育ってたら学校で、または感覚的や知らないうちに、言葉の違いを学ぶことが多いのですが、海外にずっと住んでいる子供たちはその「感覚」が身につきにくく、意識しないと「知らないうちに覚える」ことも難しいそうです。
日本語がネイティブの親ができることは、、
- まず自分が国語として身につけた言葉を整理し見つめ直すこと。
- 何が違うのか考えてみること。
- 子どもが疑問に思ったら一緒に考えてみること。
ではないかと思います。 3.は、私の場合、子どもが疑問に思ってなくても、
と、話題として出してみることもあります。旦那も日本語がそこそこわかるので、一緒に考えたり上の子がパパに対抗心を燃やしてみたり・・・(笑)。
毎日こんな話題だと疲れるかもしれませんが、子どもが疑問を持った時やたまに日本語がネイティブの親から話のネタとして出してみてもいいかなぁ、と思います。
・他にもこんな方法があります ↓↓