こんにちは〜。韓国で子供たちをバイリンガルにすべく毎日取り組んでるまでめちゃん( @mame_chang )です。 日本で生まれ育った私は日本語を聞いたり話したりすることは難しくはありません。それは日本で生まれ育って日本で幼少期を過ごし、日本で日本の学校に通ってたので日本語に囲まれて育ち、自然に日本語が一般的な日本人のレベルに到達したのだと思います。
日本で生まれ育っても日本語を覚える時期の子どもたちは、間違えながら周りに直してもらいながら正しい日本語を身につけていきます。 大人になっても言葉の学習には終わりはなく、流行りの言葉や若者言葉、ネット用語に専門用語などまで考えるとネイティブであっても常に言葉の変化に注意して自分の日本語の知識を更新していかないと、あっという間に死語だらけで話す人になってしまいそうです。
大人の話はさておき、海外で育つバイリンガル児の場合はどうでしょうか。日本で生まれ育っても間違えながら覚えるのが言語というものだとしたら、海外で複数の言語に囲まれて育つ子供たちの日本語はどうなるのでしょうか。
今回は、そんな「海外で育つバイリンガル児」の我が家の下の子(幼稚園児)の間違いについて最近のものをご紹介し、どうしてそんな間違いになったのかや、親はどうしてあけだらいいかを考えてみたいと思います。
バイリンガルの幼児の日本語の間違い。どんな間違いをどうしてするのかな?
幼稚園児の下の子は、現在年中組さんです。幼稚園では韓国語、家で日本語の生活を始めて約5年経ちます。子どもが言語を覚えながらする間違いにはいくつかの種類があります。今回集めたのはそんな中でも文法的な間違いです。
では、さっそくどんな間違いか具体的に見ていきます。
4歳児の間違い。間違いとその理由
では、まずは間違いの例です。 矢印の右側が正しい言い方です。
- いいくて → よくて
- とおいくな→ とおくない
- 行けられる→行ける
- ママが一番すきもん → 好きだもん
- 鼻かまらない → 鼻かまない
- 2人だけいなかった →2人しかいなかった
では、どんな状況で出てきた発言か、間違いの理由とともに具体的に見てみます。
★1.いいくて → よくて
天気がいいある日の散歩道での子どもの言葉でした。
と言うべきところを、
と言ってました。「高い」「低い」「長い」「短い」などの形容詞は「高くて」「低くて」「長くて」「短くて」となります。しかし「いい」は形容詞ですが、このルールには当てはまらず、「よくて」となります。4歳児は「形容詞」なんて言葉は知りませんが、無意識にこのルールを当てはめてしまったのだと思います。
★2.とおいくない→ とおくない
確か、おばあちゃんの家が遠いとか遠くないとかいう話をしてた時に出てきたと思います。
と言うべきところを
と言ってました。「い」が余分に入ってますね。これも形容詞の間違いです。
★3.行けられる→行ける
道を歩いてる時の私と子どもの会話に出てきました。
ママ: こっちから行こうよ。
子ども:こっちから行けられるの?
可能の意味を表す時は「〜られる」という言葉がある一方で、そうはならない言葉があります。
「〜られる」がOK!なもの
「食べる」→ 「食べられる」
「起きる」→「起きられる」
「寝る」→「寝られる」
「〜られる」にはならないもの
「書く」→「書ける」
「座る」→「座れる」
「歌う」→「歌える」
このように、「行く」は「〜られる」にはならない言葉ですが、うちの子はたまに混同してこの手の間違いをします。
★4.ママが一番すきもん → 好きだもん
こんな嬉しいことを言ってくれるのは小さい時だけだよなぁと思いつつ、思わず笑顔になっちゃいます。これは、子どもがママ(←私)に言ってきた言葉です。
というべきところを「だ」が抜けて
と言ってました。「好き」「静か」「にぎやか」のような形容動詞や「りんご」「水」などの名詞に「〜もん」をくっつける場合は、「だ」をつけるのが自然です。この間違い、なくても意味は十分伝わってくるので、危うくスルーしそうな間違いです。
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★5.鼻かまらない → 鼻かまない
風邪を引くと鼻水がでることがあります。子どもが鼻水を出してた時の会話に出てきました。
ママ:鼻水出てるよ。鼻かんだら?
子ども:ううん、鼻かまらない。
これを読んでる方は、「鼻かまない」というのが正しいとわかると思います。
普通、「〜らない」というのは次のような言葉の否定形に使います。
・「伝わる」→「伝わらない」
・「関わる」→「関わらない」
・「よわる(弱る)」→「よわらない」
つまり、「つたわる」「かかわる」のように「〜わる」で終わる動詞の否定が「〜らない」なのです。
こう考えると「鼻をかむ」は「かむ」なので、「〜わる」で終わらないのにどういうわけかうちの子は、このルールを当てはめてしまった....というわけです。
★6.2人だけいなかった →2人しかいなかった
子どもを幼稚園に迎えに行って、家に帰る途中の会話に出てきました。
ママ:お迎え遅くてごめんね。あと、教室にはお友達は何人残ってた?
子ども:あとね、2人だけいなかったよ。
文脈がなければ、「2人だけいなかった」も正しい日本語となります。しかし私が迎えに行った時点で後何人まだ教室に残ってたかという質問の答えとしては、「2人だけいなかった」ではなく、「2人しかいなかった」の方が適切です。
これは、「だけ」と「〜しか........ない」を混同してやってしまった間違いだと思います。
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間違いに対して親ができることは?
このような間違いには、日本語がネイティブの親ならすぐに気づくと思います。しかし、いいたいことがわかるとあえて指摘しなかったりすぐに忘れてしまうのではないでしょうか。 子どもの日本語の間違いに気づいたら、私はすぐにメモをすることにしています。そして、訂正します。その方法は、
子ども:今日は天気がいいくていいね!
ママ:え? 何て? 「いいくて」って何??
と言います。そして、子どもが自分で修正できるかを見ます。自分で修正できたらそれでいいので「そうだよ!よくわかったね!」と褒めてあげます。しかし、子どもが「こうかな?」と考えながらいくつか答えを言ってみても、正解にたどり着かないこともあります。
このような答えが返って来たら、子どもはわからないということで、わからないものはそれ以上待っても答えは出てこないので、「よくて」と答えを教えます。
他にも次のような直し方もあります。
子ども:今日は天気がいいくていいね!
ママ:そうだね!天気がよくていいね!
これは、子どもに聞き返さず親が正しい答えを言うパターンです。親が正しい言い方を言って子どもが気付けばそこで訂正に繋がるし、気付かなければ子どもの日本語はそのままとなることもあります。
これらのポイントは以下のとおりです。
ポイント
- すぐに答えを教えないで子どもが自己修正できるならそうさせる。
- 途中でヒントをだすのもアリ。
- 最後には正しい答えを教えて覚えてもらう。
- 子どもが言った答えを否定せず、親が言いなおして見せる方法もある。
まだ幼稚園児なので文法用語は使わず、子どもの様子を見ながら訂正したり気付いてもらったり... といった感じでしょうか。
間違いの訂正は非効率的かもしれないけれど...
「りんご」を間違えて「みかん」と言ってしまった場合などは
「これがりんごだよ~」
と実物を見せればいいのですが、文法的な間違いというのはある意味抽象的なので
「これだよ!」
と見せたり、日本語を外国語として学習する人達のように文法用語を使ってルールを教えることもできません。そのため、見方によっては非効率的で時間がかかります。しかし、そのような過程を経て根気強く訂正し定着させていくことが、「なんちゃって日本語」ではなく、少しでもきちんとした日本語を子どもに伝えていくことに繋がるのではないかと思います。
まとめ
今回は、幼稚園児の下の子が最近する間違いの中でも文法的なものを集めてどんな状況ででてきたかや、間違いの理由について少しお話ししました。
海外で育つバイリンガルの子どもたちで、日本語のネイティブは日本人の親だけという子どももいるかと思います。間違えたまま覚えてしまう前に、修正して覚えてもらうこと。それが日本語ネイティブの親ができることだと思います。
毎日の積み重ね、地道な努力が必要ですが、子どものためにもがんばりたいと思います。