こんにちは〜。韓国で二児の母をしながらブログを書いてるまめちゃん(@mame_chang)です。子どもって日本で生まれ育つ子でも間違いをして周りに間違いを直してもらいながら日本語の言葉を覚えていくものだと思います。
海外でバイリンガルに育つ子どももきっと同じで、間違えながら日本語を覚えていきます。しかし、言語が複数あるという点と間違えた日本語を直してくれる人が周りにどのぐらいいるかは、その子どもが置かれた環境によって差があると思います。
私は、我が家の幼稚園児の日本語について、
「海外で育つ子どもの日本語の言葉の間違いの中には訂正しやすいものとそうでないものがある!」
ということに気がつきました。今回は、この「間違いの訂正」
という点について、その種類や訂正のしやすさ/しにくさ、その理由と対策についてお話ししたいと思います。
子どもの言葉の間違い... 直しやすい間違いや直しにくい間違いってどんな物?
我が家の幼稚園児は、園バスに乗って幼稚園に行く時もあれば歩いて行く時もあります。歩いての幼稚園の送り迎えは、子どもと二人で話したりするのにいい時間です。特に春や夏は道端で一緒に草花や虫などを観察するのにいいです。大人からしたら避けて通りたいアリの行列やウツセミ、干からびたミミズなどは子どもは興味津々です。こんな時は、子どもが興味を持ってる物の名前を教えるのにいいタイミングだと思います。
ある日の幼稚園への道でこんな会話がありました。
下の子 :「ママ、あれみて〜! 」
私 :「あ、あれってママの言葉(日本語)で何だっけ?」
下の子 :「ヘビ」
私 :「えっ......?! あれ、幼稚園ではなんて呼んでる?」
下の子 : 「뱀(ペム/韓国語でヘビのこと)」
ちなみに、幼稚園に行く道にいたのはヘビでなくミミズでした。その日は雨が降った次の日で、いつもの道では干からびたミミズを見ることはよくあったのにまだ生きていてアスファルトの上をジタバタしてるミミズをみたのは初めてか、またはかなり久しぶりだったのでヘビに見えたのか、またはヘビを連想したのかも知れません。
この後、
と言って本当は何と言う生き物なのか考えさせてみましたが、結局答えが出てこないので
と教えました。干からびたもの、生きてるものはパッと見、違いますが同じ「ミミズ」です。
この会話では下の子はアスファルトの上でジタバタしてる生きたミミズをみてヘビだと思ったので、厳密には言葉を間違えたというよりも勘違いしたと言った方がいいかもしれません。
しかし、このことが言葉の間違いや訂正、訂正した言葉の定着などについて考えるきっかけとなりました。
どんな間違いをするの?!
「ミミズ」と「ヘビ」の他にも、幼稚園児の下の子はいろいろな間違いをします。少し例を挙げると、次のような種類があると思います。
- 空耳系
- 韓国語の影響を受けたもの
- 日本人の私も聞いたことがないもの
- 見当が外れたパターン
- 文法的な間違い
1.空耳系
別の言葉を使うと「聞き間違い」や「勘違い」と言ってもいいと思います。具体的には、ある歌の歌詞で、
というのがあったのですが、子どもが歌っているのを聞くと、
と歌っていて爆笑したことがあります。
2.韓国語の影響を受けたもの
これは、韓国で育つ日韓ハーフならではだと思います。韓国語を直訳したパターンもあれば韓国語と日本語が混ざったパターンなどいろいろあります。具体的には、
というべきところを、
と言いました。「パッケ」とは韓国語で「~しかない」の「~しか(밖에)」の部分です。「パッケ」も「しか」も同じ意味なので韓国語と日本語の同じ意味の言葉がダブっている形です。
3.日本人の私も聞いたことがないもの
子どもに限らず、外国語を勉強している大人も覚えたての言葉を周りに使ってみると思います。その中には、使い方が正しいものもあればそうでないものもあります。例えば、
と言うべきところを
と、「交替する」と「ひとりずつ」が混じったようなことを言ったことがあります。
4.見当が外れたパターン
「おしい!」と言いたくなるようなパターンがこれです。子どもなりに周りが言う言葉を聞いて、なんとなく自分も使ってみたけど、一般的にはそんな使い方はしない、というものです。ある意味、3.の一部と考えてみてもいいかも知れません。
例えば、まだ乳歯が1本も抜けていない下の子が、歯が抜けた上の子(小学校高学年)の様子を見て言ったのが、
でした。 言いたいことはわかりますが、「ガタガタ」じゃなくて「 グラグラ」ですよね。
5.文法的な間違い
これは、一部大人の日本語学習者と同じような間違いが含まれています。例えば、
と言うべきところを
と言ったりする場合です。
間違い = 正しい日本語を教えるチャンス!
子どもが話す言葉(日本語)を聞いていると、子どもが頭の中でどんなことを考えているのかや、何がわかっていないかを親が知る手掛かりとなります。もちろん、ただの言い間違いもあるのですが同じ間違いを何度も繰り返すようであれば、言い間違えではなく本当に間違えていると思った方がいいと思います。
もし、日本に住んでいたらあまり細かく指摘しなくても自然に正しい日本語を覚えていくようですが、海外在住の子どもたちは日本語に触れる頻度も量も違うので、そうもいきません。また、間違えたままにしておいて、そのままになっていると間違いが定着してそれがその子が使う言葉となってしまいます。
間違いに気づいたら、
ではなく、間違いが子どもの中で定着してしまう前に直すことを考えた方がよさそうです。
つまり、海外在住の子供がヘンテコリンな日本語を使ったら、
「正しい日本語を教えるチャンス!」
ですね。
間違いを訂正!=すぐに直る?
先ほど少し書いたように、ひと言で「子どもの言葉の間違い」と言ってもいくつかの種類があります。今まで何度も子どもたちの日本語を訂正してきて思うのは、
「比較的すぐ直る間違いと、なかなか直らない間違いがある。」
ということです。では、さっきの例を見ながらもうちょっと具体的に見ていきます。
- 空耳系
- 韓国語の影響を受けたもの
- 日本人の私も聞いたことがないもの
- 見当が外れたパターン
- 文法的な間違い
子どもの言葉の発達や、習得状況、年齢によっても多少の違いがあると思いますが、我が家の下の子(幼稚園児)の言葉を直していて思ったのは、
です。すぐに直らないのは驚くべきことではないと思いますが、その中で
- 比較的すぐ直るもの
- 直るのに時間がかかるもの
があることに気がつきました。
・比較的すぐ直るもの
先ほどの、1.~5.で考えると比較的すぐに直るものは、1.と4.です。
- 空耳系
- 韓国語の影響を受けたもの
- 日本人の私も聞いたことがないもの
- 見当が外れたパターン
- 文法的な間違い
1.と4.が比較的直しやすいのは、ものにもよりますがきっと、
1.抱きしめる →カギしめる
4.ガタガタ →グラグラ
これらが、子どもに違いを示しやすいからではないかと思います。1.の場合なら「抱きしめる」と「カギしめる」を実際にやってみせたらいいし、4.の「ガタガタ」と「グラグラ」も具体的にドアをガタガタ言わせてみたり、積み木を重ねてグラグラさせてみたら視覚的に示せると思います。
このように、ものが具体的であったり間違ったとしても目で見てわかるものは、間違いの訂正がしやすいし子どもも覚えやすいのではないかと思います。
・直るのに時間がかかるもの
一方、直るのに時間がかかるのは、2.3.5.の中で特に5.だと思います。2.は国際結婚の子どもならでは、または海外在住の子どもならではかもしれませんが、常に韓国語に囲まれた生活をしているので、韓国語が先に出てきてしまうことがあるからです。
そして、一番直すのに時間がかかるのは5.の文法的な間違いです。もう一度、5.の例を見てみると、
を、
「キッズカフェ、 たのしかったね。」
と訂正するとして、「たのしい」ということは視覚的に示すことはできないし、「たのしいかった」が、どうしてダメなのかというと、それは
- 「日本語ではそう言わないから」
- 「文法的におかしいから」
という理由なので、子ども(幼稚園児)にとっては、なんとも抽象的です。さらに視覚的ではないので、ママがそう言うなら「たのしいかった」ではなく「たのしかった」と言わなきゃいけないんだなぁ、ぐらいに子どもは思うのではないかと思います。
なかなか直らない間違いはどうしたらいい?
子どもが言葉を間違えると親としては気になるし、ちゃんと覚えてほしいと思うものだと思います。しかし、親ばかりが焦ってもきっとうまくいかず親子でストレスを感じてしまうかもしれません。そのため、
- 間違いのパターンを探る
- 様子を見ながら根気よく訂正
のようにするのがいいと思います。どんな種類の間違いをするかを観察し、たくさん間違えたとしても一度にあれもこれも訂正は大変だと思うので、直すターゲットをいくつか決めて根気よく訂正していくのがよさそうです。
まとめ
今回は幼稚園児の下の子との会話をきっかけに、子どものどんな言葉の間違いが直しやすくどんな間違いが直しにくいかを例とともにご紹介しました。
ひと言でまとめると、次のようになります。
ポイント
●直しやすい間違いは子どもが目でみて確認しやすい具体的なもの。
●直しにくい間違いは子どもが目で確認できない子どもにとって抽象的な文法のミス。
なんとか間違いを1つずつ直して、ちゃんと使える言葉を増やしてあげたいものですね。また、子どもによっては間違いを親に指摘されるのを嫌がる子どももいるので、様子を見ながら進めていくのがよさそうです。