こんにちは! 韓国で子どもたちを日韓バイリンガルに育てているまめちゃん(@mame_chang)です。 子どもって特に小さい間は、うまく舌が回らなかったりしてかわいい言い間違いをします。
言い間違いは、大人にとっては「プッ!」と笑える瞬間であったりしてかわいいのですが、そのまま放置していても大丈夫なのでしょうか。 または徹底的に直した方がいいのでしょうか。
今回、このブログではある友人から聞かれたことをきっかけに、特に海外在住の子どもの言い間違いについて考えてみました。
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子どもが言い間違える言葉は放置しても直るもの?!
今回の話は、私がこのブログを書き始める前からの友人からの質問で始まりました。 私のTwitterの以下のつぶやきを見たこの友人は個人的に私に聞いてきました。
、
今日下の子(幼稚園児)と夫(韓国人)が似たような間違いを下の子「ママ、ちりとりしよう」
夫「あのドカンどこ?」
下の子は「しりとり」、夫は「図鑑」が正
どちらも同じ抑揚で一文字違い
下の子は日本語の単語を混同
夫は図鑑の韓国語発音(ドガム)の影響
一見同じでも理由は別のこともある
— バイリンガル育児@まめリンガル (@mame_chang) March 17, 2019
この友人の質問はを要約すると以下のように2つあります。
教えて!
1. よく、「あ〜そうね〜「ちりとり」しようね〜」みたいに、赤ちゃん言葉でそのままミラーリングすることがあるけどそれってしてもいいの?
2. しりとりとちりとりは、普通に日本にいる子供も間違えると思うけど、これぐらいの間違いも親が早いうちから気づかせて訂正した方がいい?
では、この友人からの質問を元にひとつひとつ見ていきます。
ミラーリング?!
1つ目の質問にあるミラーリングという言葉。私は「ミラー」という言葉と文脈で反射的に鏡のようにそのままうつすものみたいな意味だととらえました。
しかしその後、
と疑問に思ってちょっと調べてみました。
調べみると、コトバンクにはミラーリングの意味が3つ載っています(デジタル大辞泉)。その中でコンピュータやスマホ関係の意味が2つ。しかし、今回の話はコンピュータは関係ないのでその2つは割愛して最後の1つだけ引用します。
親密な間柄にある者の間で、仕草や動作が同調する現象。特に乳幼児と母親の間で行われる模倣が情動共有や注意喚起に重要な役割を果たしているとされる。
コトバンク「ミラーリング」より
ここで私が注目したのは「仕草や動作が同調」という部分です。 つまり、仕草や動作を同じにすることなのですが、では
と思ったのです。 そこで、 もう少し調べてみました。 すると、心理学の方面では、
「相手の言動と同じ事をすることで相手に好意をもってもらうこと」
「好きな相手(恋愛対象、芸能人など)の言動を真似すること。またはそれにより相手(特に恋愛対象)に好意を持ってもらうこと」
という言葉が見られ、具体的には相手の声のトーンや話すスピードに合わせることが例としてありました。しかし、子どもが言った言葉をそっくりそのまま繰り返すという例は、ざっと調べたところ見当たらなかったので、もしかしたら当てはまらないのかもしれません……。
正確にはミラーリングと言っていいのか多少の不安が残るので、今回はこれ以上ミラーリングという言葉は使わず友人からの質問は、
なので、「おうむ返し」という言葉を使う事にします。
子どもが言葉を間違えたらどうする?
ちょっと前置きが長くなりましたが、子どもが言葉を間違えたら周りの大人はどうするでしょうか。
例えば次のようにすると思います。
1. 速攻直す
2. ヒントを与える
3. おうむ返しに言う
今回は3.の「おうむ返しに言う」がポイントなので、3. を詳しくみていきます。
おうむ返しに言うとどうなる?
今回の私のTwitterに関連した友人からの質問の1つ目は、「おうむ返し」についてです。 もう一度、友人からの質問1は、「おうむ返しにしてもいいか?」でした。 おうむ返しにすると次のような会話になります。
下の子(幼稚園児): ママ、ちりとりしよう〜。
ママ: ちりとり?いいよ。何から始める? バナナ!
下の子(幼稚園児): なす!
ママ : すいか。
.
.
.
こうして親子の楽しい「しりとり」となります。 しかし、これで本当にいいのでしょうか?! 子どもは「ちりとり」と言ったのにママは特に反応せず「しりとり」を始めました。
ママの頭の中では
と瞬間的にわかります。 それは子どもがどんな言葉を知っててどんな言葉を知らないか、そして親子で過ごす時間の内容が濃いと親はすぐに何とどうして間違えたかがわかります。
一方、子どもの方はどうでしょうか。
とか
など、色々考えることはあまりないように思います。 ただ、ママと「しりとり」がしたかっただけなのです。
そして、次に「しりとり」がしたくなったら、また「ちりとり」という言葉を使うかも知れません。
では、子どもはみんなこうなのでしょうか。
大きな影響を与えるのは環境
子どもはみんなこうなのか? というとそうではありません。 少なくとも、日本に住んでたら日本語の間違いを直してくれる人がたくさん周りにいます。 例えば学校の先生、友達、塾の先生、親などです。 友達の場合は直すというか友達に
と笑われて恥ずかしくなり、自分で直したりする子どももいると思います。 そのため、極端な話をすると、たとえ1人か2人が聞き流したとしても他にも間違いを直すチャンスはあるのです。では、海外在住の子ども達はどうでしょうか。 大都市に住んでいたり日本人学校や日本語補習校に通っていたり、海外だけど日本人が何人も周りにいる環境なら日本語を直してもらえる機会はあると思います。
しかし、日本語がネイティブが周りにいない、または親しかいないとなると直すかどうか、子どもが間違った言葉をそのまま覚えてしまわないかは、その親次第なのです。
我が家の場合は、家族全員日本語がわかると言っても日本で生まれ育ったネイティブは私だけです。日本人の集まりにはたまに参加しますし、日本語は家の中で使っています。 とはいえ、ネイティブでなければ間違えたりおかしな言葉を使ったりすることもあります。
それは、ある意味日本語のネイティブには想像もつかない言葉だったりするのでおもしろいので、家族みんなで楽しんでもいいと思います。しかし、楽しむだけで終わってはいけないのが海外在住のバイリンガル育児だと思います。 それでは、具体的にどうしたらいいのでしょうか。
どうしたらいい?
ここからは、友人からの質問2.「親が早いうちから気づかせて訂正した方がいい?」に関係があります。 質問1.と2.を合わせたような回答で、今回のポイントでもあることは次の通りです。
ポイント
おうむ返しにしてもいいけど、疑問を持ったおうむ返しにする。
つまり、ただおうむ返しにするのではなく、
というニュアンスのこもったおうむ返しにするのです。 「それで合ってる?」のような表情も加われば、より子どもには伝わりやすくなると思います。 そうすれば子どもも、きっと
と一瞬でも思うと思います。 そして、
ちりとり... ちりとりしようってどういう意味?
ちりとりって何だっけ?
のように「ちりとり」の意味を確認します。 そして、意味がわかったところで
と言って「しりとり」という言葉が正しいことを教え、
としりとりを始めたらいいと思います。 そして、2、3日経ったら今度は親の方から
と誘ってもいいし、
と言葉を忘れたフリをして、ちゃんと「しりとり」が出てくるか、またはまた「ちりとり」が出てこないかを確認した方がいいです。
なぜなら、言葉は習慣なので日本に住んでいる子どもでも一度で覚えるのは大変ではないかと思うので、日本語のインプットが限られている海外在住の子どもたちが一度で覚えるのはかなり大変ではないかと思うからです。
確認をして、もし「しりとり」と言えたら思いっきり褒めてあげて、また「ちりとり」と言ってしまっても、訂正したりヒントを与えながら答えを導いて励ましながら覚えてもらうのがいいと思います。
まとめ
今回は、友人からの質問をきっかけに調べたことを最初にお話ししました。そして、子どもが使う言葉が間違っていた時にそのままおうむ返しにしたらどうなるかについて、「ちりとり」と「しりとり」を例にして特に海外在住の子どもにはどう対応したらいいかをお話ししました。
海外在住で日本語を間違えた時に訂正してくれる人がいなかったら、その間違いは放置されそのままになってしまいます。 また、日本語ネイティブの親が何も言わないと間違えた言葉がそれで正しいと思ってそのまま覚えてしまいます。 一度間違えて覚えた言葉を覚え直すのはかなり骨が折れることです。
そのため、子どもが言葉を間違えたら、聞き流さずに子どもが間違えたまま覚えないように訂正していくことが大切です。最後に友人からの質問と答えをまとめます。
ポイント
おうむ返しにしてもいいのか? → してもいいけど、疑問を持ったおうむ返しにする。
親が早いうちから気づかせて訂正した方がいい? → はい。放置するとそのまま覚えてしまいます。
そして、数日後の確認も忘れずに、です!