こんにちは。
まめちゃん(@mame_chang)です。
韓国で二人の子供達を日韓バイリンガルに育てています。早速ですが、「語彙」という言葉を聞くと何を連想するでしょうか。私は、「語彙」と聞くと「ボキャブラリー」とか「単語」などの言葉を連想し、つい学生時代の英語の授業などを思い出してしまいます。
しかし、自分の母語である国語としての日本語の語彙はどうでしょうか。日本語の語彙は一体いくつあるんだろうと考えたことがあるでしょうか。
また、このブログのテーマである海外で育つバイリンガルの言葉の日本語の語彙について何か考えたり感じた事があるでしょうか。
なんだか今日は、最初から質問攻めですが、今回はあるニュースの記事を引用しつつ、子供の語彙力を伸ばすためにカギとなるものは何かについて海外在住のバイリンガル児のことを考えながら書いてみたいと思います。
子どもの語彙力向上のカギは母親との会話にアリ!
海外在住の子どもに日本語を受け継いでもらおうと思ったら、例えば次のような方法をとると思います。
1.日本語がネイティブの親が日本語で話しかける。
2.日本人の集まりに参加する。
3.補習校に通わせる。
4.日本から通信教育の教材を取り寄せる。
そして、日本語を聞いたり話したりする機会が少なく日本語を話さないといけない時になって
と感じることもあるのではないでしょうか。 ところで、次のようなニュースを先日読みました。
掲載日 :2016年9月29日
サイト名:President Online
タイトル:「子供の「語彙力格差」は母親との会話に原因がある」
(※2020年5月24日(日)に確認したらURLはリンク切れでした。)
ニュースの内容を短くまとめると以下のようになります。
ポイント
●佐藤久美子玉川大学大学院教授が、幼稚園の年長組の幼児200人の語彙力を調査した。その結果同じ6歳でも語彙力には2歳~11歳の差があることがわかった。
●子どもの一番身近にいる母親が子どもと会話する時、子どもが話しかけてきたらすぐに短く答えるのが理想。しゃべりすぎはよくない。
●子どもに話しかける時はゆっくり、はっきり発音して話しかける。子どもは母親のしゃべるのを聞いて真似をしながら音に気づき音を覚えていく。
ちなみにこの記事は、バイリンガル育児に関する記事ではなく日本での子育て、そして日本語での英語学習に関する内容でした。
「しゃべりすぎると…」というところで、ドキッとした方もいるかも知れません。 私もおしゃべりな方なので、ちょっとドキッとしました。また、この記事には英会話のレッスンでも教師がしゃべりすぎると生徒がしゃべれないと書いてあったのですが、日本語を外国人に教えたことがある経験から言っても、教師がしゃべりすぎると学習者の日本語は伸びません。
また、この記事では子どもに一番身近な「母親」と書いてあったのですが、両親が共働きで昼間は幼稚園、夜は親が帰ってくるまで祖父母と過ごす場合などは、一番身近な人は母親ではないこともあると思います。
バイリンガル育児にも当てはまるの?
さて、ここからはこのブログのテーマであるバイリンガル育児に話をもって行きたいと思います。
先ほどのニュースは日本での日本語による子育ての話で、海外のバイリンガル育児は想定されてないと思います。しかし、統計や研究結果を見たわけではないですが、言語が違っても子育ての場所が変わっても通じるものがあるのではないかと思いました。
特に海外で日本語を聞いたり話したりする機会が少ない子供の場合は、一時帰国の時などに日本の親戚と話したりして使える言葉の少なさや不自然さに気がつくことがあるかも知れません。
また、自分の子どもに言語的に一番身近な人が母親でなくても、このニュースには学ぶものがあると思います。
子どもにどんな語彙で話しかける?
周り、そして海外育児をしている私自身を振り返って思うことは、次のような事です。
1.子どもに通じやすい言葉を使うことがある。
2.同じような毎日の繰り返しだと日常的に使う言葉は決まってしまうのではないか。
3.子どもが現地語が強くなればなるほど日本語だけで通すのがだんだん辛くなっていく。
海外在住と言っても駐在員であったり駐在員の配偶者、現地の人と結婚してたりと色んなパターンがあります。
・海外在住には9つのパターンがあります。 ↓↓
子どもと過ごす時間の長さや、子どもが現地校で日本語は親とだけ、など様々な環境に合わせて日本語がネイティブの親は子どもに日本語を使います。そこで使われる日本語は子どもに理解してもらうことを優先したら、1.のような子供に通じやすい言葉になると思います。
例えば、私がいる韓国の場合だとつい現地語に近い言葉を選んでしまうことがあります。
・「シーチキン」の代わりに「ツナ」
・「用意する」の代わりに「準備する」
結果として、子どもには通じやすい代わりに子どもに対して使う言葉のバラエティが減って行くのです。
次に、2.ですが日常生活というか毎日のルーティンをこなすとしてどんな毎日を送っているでしょうか。
1つの例として私の平日のある1日をザックリと書きます。
★朝
・起床、子ども達を起こす。
・家族と朝ごはんをバタバタと済ませる。
・登園、登校、出勤準備。
・それぞれ登園、登校、出勤。
★昼
・それぞれの場所で過ごす(子ども達は現地校で韓国語で。私は職場で日本語、韓国語、たまに英語)。
★夕方〜夜
・帰宅、晩御飯、片付け、シャワーなどの家事や育児。
・子ども達が幼稚園や小学校からもらってきたお知らせがあれば読む。
・インターネットで見たい動画を少し見る。
・下の子に絵本の読み聞かせ。
平日で次の日にまた幼稚園や学校に行かないといけない日は、夜も子ども達を早く寝かせて自分はその後パソコンを開けて必要な作業をしたり、自分もさっさと寝ることもあります。このような毎日で、毎日日本語を使ってると言っても同じ行動の繰り返しなら、使う言葉も同じとなりがちです。
もちろん、よく使う言葉はしっかりと頭に入っていいのですが、言葉のバラエティには欠けます。
また、上の子(小学校高学年)を見ていて思うのは、昼間に学校では韓国語で学習しているので、そのひとつひとつを日本語に置き換える作業はなかなかハードで、だんだん追いつかなくなってしまいます。
子どももいちいち日本語に直されると話たいことも話せなくなることもあり、ほどほどがいいと思います。
子どもの語彙力伸ばしたければどうしたらいい?
では、海外在住の親は子どもの語彙力をアップさせたければどうしたらいいのでしょうか。
ニュースによると、母親(子どもに一番身近な人)のしゃべり過ぎはよくないし、教師としてもしゃべりすぎは学習者のためにはなりません。そのため、
インプット
↓
インテイク
↓
アウトプット
の流れを意識して親がしゃべる量(インプット)を調整するのがいいと思います。
つまり、インプットだけ大量にしてもインテイク、アウトプットがなければインプットされた語彙は理解はできてもそれを自分で使いこなすのは難しいということです。
・「インプット、インテイク、アウトプット」って何? ↓↓
また、しゃべる量を調整しても毎日のルーティンの中ではインプットできる語彙の種類や量が限られると思う場合は、動画や絵本の読み聞かせを活用すると親とは違う語彙で子どもに語りかけてくれます。
まとめ
今回は、インターネットでみたニュースをきっかけに子どもの語彙は母親(子どもに一番近い人)がしゃべりすぎると子どもがしゃべる機会が減ってしまい、結果として同じ年齢の子どもの語彙力に差がでるという話、そして海外在住の子どもの例として我が家のある1日をご紹介しました。
毎日、家庭では日本語を使っている......と言っても同じ行動の繰り返しでは自然と使う語彙も限られていきます。そのために、海外在住の子どもに日本語ネイティブの親ができることは以下の3つです。
ポイント
●インプット、インテイク、アウトプットを意識する。
●親がしゃべる量(インプット)ばかりを増やさず、子供にもアウトプットしてもらうようにする。
●日本語ネイティブとはいえ、毎日のルーティンの中では使う語彙には限界があるのでインターネットの動画や絵本の読み聞かせを活用する。
せっかく、海外に住んでいても日本語を子どもに教えるなら色々な日本語を聞かせて語彙を増やしてあげたいなと思います。