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韓国のあれこれ

韓国の「先生の日/師匠の日」にしてもいい事としてはいけない事とは?

 

こんにちは〜!

まめちゃん(@mame_chang)です。

韓国で2人の子供たちを日韓バイリンガルに育てることを始めて、早くも10年以上が経ちました。

 

さて、日本には父の日や母の日、子供の日に成人の日など、「◯◯の日」というのがいくつかあります。 しかし、韓国にはあって日本にはないのが「先生の日」で、「師匠の日」とも呼ばれます。これを聞くと何かを教えている先生は

 

「おお〜っ!先生の日があるのか〜。いいね〜。」

 

と思うかも知れません。ところがこの「先生の日(師匠の日)」には、してもいいこととしてはいけないことがあるのです。

 

今回は、この「先生の日(師匠の日)について、その背景や教えを受けた教え子やその保護者が、教えてもらった先生に対してしてもいい事としてはいけない事についてお話をしたいと思います。




韓国の「先生の日/師匠の日」にしてもいい事としてはいけない事とは?

それではまず、韓国の先生の日とは一体いつなのでしょうか。

 

★先生の日っていつ?

それは毎年5月15日です。ではどうして5月15日かというと韓国民族文化大百貨辞典というサイトによると次のような流れでそうなったのだそうです。

 

1963年5月26日 青少年赤十字中央学生協議会が5月26日を「師匠の日(스승의 날)」と決めて、謝恩行事を行う。

1965年からは世宗大王の誕生日である5月15日に変更。各種行事が行われる。

1973年には庶政刷新方針により謝恩行事が規制され、「師匠の日」も廃止となる。

1982年「師匠の日」復活。

 

つまり、世宗大王のお誕生日だからということですね。

 

また、この日は日頃、色々と教えてもらっている先生に感謝する日です。一般的には赤いカーネーションをプレゼントしたり、特別講演が行われたりするそうです。 ・・・と、ここまでなら普通だし、「ふ〜ん」と言った感じだと思います。

 

ところが先生も保護者もやはり人間です。そして、純粋に先生に感謝する日からそうでない日へと少しずつこの日が持つ意味が変わっていきました。

 

というのも、いつからか自分の子供にはよくしてもらいたいとか、進学のための内申点をあげてもらいたいなどと考える親がいたようで、それを目的とした保護者達による子供の先生へのプレゼント合戦のようなものに発展してしまったようです。

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韓国の親は教育熱心!

我が家でも上の子が小さかったときは、保育園の先生や幼稚園の先生に簡単なプレゼントをしていました。それは、子供の成績がどうこうというわけではなく、単に「いつもありがとう!」という気持ちと「先生の日だから」という気持ちだったからです。

 

ところが・・・ 上の子が小学校に入ったら、状況は一変しました。つまり、プレゼント合戦のスタート、そしてエスカレートです。 まだ小学生なのに・・・とも思いましたが、保育園や幼稚園では成績表(通知表)などはないのに対して、小学生になると学期ごとに成績表が子供に渡され、保護者はそれを目にすることになります。

 

以前は数字だったようですが、最近はどの科目も「到達」「未到達」という表示がされてます。つまり、例えば成績が5段階評価だったとして、5、4、3なら「到達」。そして2,1なら「未到達」というわけです。といっても親には、「到達」と言っても5が取れて余裕で到達できたのか、または3でギリギリなのかはわかりませんが・・・。

 

韓国の親はとにかく教育熱心で、小学生は放課後で追加料金を払って「放課後授業」と呼ばれる授業を受ける子も多いです。この授業は英語や算数、理科など以外にもスポーツや音楽もあります。そして、小学校の前には塾のバスがスタンバイしていて、学校が終わった子供達を塾まで連れて行ってくれます。

 

ちょっと長くなりましたが、ここからが生徒、学生、保護者が先生にしてもいいことといけないことです。ざっくり書くと次のようになります。

 

★してもいいこと

・先生にお手紙を書くこと。

・小さい贈り物をすること。

 

 

★してはいけないこと

・お金を渡すこと。

・高額な贈り物をすること。

 

では、これはどのようなことが根拠になっているのかについてお話します。




「キム・ヨンラン法」って?

2015年の3月に韓国の国会で可決され、2016年9月に施行された法律で、「不正請託及び金品等の収受禁止に関する法律(부정청탁 및 금품 등 수수의 금지에 관한 법)」というのがあります。ちょっと長い名前なので、「請託禁止法(청탁금지법)」と、よく呼ばれています。

 

また、この法律は最初に提案した人、キム・ヨンランさんという国会議員の名前にちなんで「キム・ヨンラン(김영란/金英蘭)」とも呼ばれます。

 

概要はWikipediaによると次のようになっています。

 

この法律は、公職者、公務員、政府関連機関・公共機関の職員、私立・国公立など全学校の教職員、大学病院の医師・看護士、マスコミ関係者が対象。対象者の配偶者にも適用される。しかし、国会議員は対象外のため批判されている。対象者は約400万人。

Wikipedia「不正請託及び金品等の収受禁止に関する法律」より

 

 

公的な仕事をする人たちが多いと見せかけて、実は国会議員が対象外って・・・。それは批判したくなりますね。 そして、贈り物については以下のような場合は罰金を受けるという規定があります。

 

1.職務(または配偶者の職務)と関連がある人から、1回あたり3万ウォンを超える接待を受ける

2.1回あたり5万ウォンを超えるプレゼント・中元・歳暮を受け取る

3.1回あたり10万ウォンを超える祝儀・香典を受け取る

 

 

つまり、何か贈り物をしたい時は3万ウォン(約3000円)以下におさえればいいわけです。また、違反者には罰金があったり違反した人を通報すると褒賞金(最大2億ウォン、約2000万円)をもらえるなどの規定もあり、法律施行時は、「監視社会になるのでは?」という声も聞かれました。

 

また、この法律を見るかぎり、塾や習い事の先生は対象になっていないように見えます。きっと内申書や成績が関係ないからではないかと思います。

 

このような法律がありますが、やはり韓国では5月15日はカーネーションが街で売られていたり、法に触れない程度の贈り物をする姿も見られます。2016年の法律施行から数年が経ち、社会的にも混乱が収まり「1回に3万ウォン以下なら・・・」という気持ちで先生に感謝の気持ちを表す生徒や学生、保護者もいるのではないかと思います。

 

ちなみに、よくわからない時この法律について検索できるサイト(韓国語)があります。

請託禁止法統合検索(청탁금지법 통합검색)




まとめ

今回は、韓国には「先生の日/師匠の日」という日があることや、教育熱が高い保護者などによるプレゼント合戦や接待が多い韓国で「請託禁止法(청탁금지법)」という法律があること、その対象者や規定範囲などをご紹介しました。最後にまとめると以下の通りです。

 

ポイント

対象者: 公職者、公務員、政府関連機関・公共機関の職員、私立・国公立など全学校の教職員、大学病院の医師・看護士、マスコミ関係者

罰金対象:

1.職務(または配偶者の職務)と関連がある人から、1回あたり3万ウォンを超える接待を受けること。

2.1回あたり5万ウォンを超えるプレゼント・中元・歳暮を受け取ること。

3.1回あたり10万ウォンを超える祝儀・香典を受け取ること。

 

 

そのため、逆に考えるとこの範囲を超えなければ日ごろお世話になっている先生に保護者から贈り物をしても大丈夫ということになります。

 

ただし、、、韓国はよく物事が変更されることもあるのでこのブログを書いている2019年5月の時点ではそうなのですが、今後なんらかの理由で法律が変更される可能性もあります。

 

そのため、ちょっとでも「これって大丈夫なのかな?」と思ったら調べてみることが大切だと思います。

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  • この記事を書いた人

まめちゃん

韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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