こんにちは!まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で二人の子ども達をバイリンガルに育てて初めて約10年が経ちました。そして数年前から海外在住のバイリンガル育児のブログを書いています。
ブログを初めてから時々質問がSNSやブログの問い合わせフォームから来るようになりました。その中でも、同じような問い合わせが重なることもあるので、そんな時は
と思い、ブログに1つ記事を書くことにしました。
さて、国際結婚をして子育てをするとして子育てをする国はだいたい3つに分かれます。
1.パパの国で子育て
2.ママの国で子育て
3.パパの国でもママの国でもない第三国で子育て
今回は、この2.に焦点をあててお話をしていきたいと思います。
国際結婚でママの国で子育て。子どもがパパの言語を身につけるには?
まず、今回のこの記事を書くきっかけとなった質問は次のようなものです。
国際結婚をして日本に住んでいます。夫が外国人で妻が日本人です。子どもと一緒にいる時間は妻の方が長いのですが、パパの言語を子どもは覚えてくれるでしょうか??
私のところに相談(質問)してきた方は、パパもいますしママもいます。そしてパパの言語は英語圏であったりアジアの言語であったりと様々です。そのため、言語に関わらず考えることなんだろうと思いました。
ところで私は日韓夫婦で、韓国在住です。夫が韓国人、私が日本人です。そのため「ママの国」ではなく「パパの国」で子育てをしていることになります。
そのため、私の経験からはちょっと話がしにくい部分もあるので、「ママの国」で子育てをしている方々の事例をいくつかご紹介してそこから私が思うことを書いてみようと思います。
ママの国で子育てをしている人達の事例
私の周りに「ママの国」で子育てをしている人は何人かいます。ではそのうちの何組かをざっくりご紹介します 。
★Aさんの場合
滞在国:韓国
言語 :夫が日本人(韓国語は上級レベル)、妻が韓国人(日本語はできない)
お子さん :2人(高校生と小学生)
お子さんたちの日本語習得状況:上のお子さんは日本語はできません。下のお子さんも日本語は片言でしたが日本人の集まりに時々参加することで少しずつ覚えてきたそうです。
★Bさんの場合
滞在国:韓国
言語 :夫が日本人(韓国語は上級レベル)、妻が韓国人(日本語は初級レベル)
お子さん :2人(小学生)
お子さんたちの日本語習得状況 :お子さん達が小学生になるまでは日本語もたくさん使っていたが現地の小学校に通うようになってからは韓国語が強くなってきた。それでも家にいる時や週末はパパとの時間を増やし日本語に接しているので会話はできる。
★Cさんの場合
滞在国:日本
言語 :夫が韓国人(日本語は上級レベル)、妻が日本人(韓国語は中級レベル)
お子さん :2人(幼稚園児)
お子さんたちの韓国語習得状況 :韓国は聞いたらわかるけど自分からはなかなか話そうとしない。妻も韓国滞在経験があり韓国語がわかるが少しずつ忘れていっている。夫はお子さん達に韓国語で話しかけるが返事はいつも日本語でたまに韓国語。
★Dさんの場合
滞在国:日本
言語 :夫がイギリス人(日本語は上級レベル)、妻が日本人(英語は上級レベル)
お子さん :2人(小学生)
お子さんたちの英語習得状況 :英語は聞いたらわかるしイギリスに行ってしばらくしたら英語が口から出てくるようになる。家庭内では夫が英語ではなしかけても残りの家族全員(妻、子供達)が日本語で返すのが習慣になっている。
★Eさんの場合
滞在国:日本
言語 :夫が韓国人(日本語は上級レベル)、妻が日本人(韓国語は上級レベル)
お子さん :2人(小学生)
お子さんたちの韓国語習得状況 :Eさんの場合、お子さん達は韓国生まれですが上のお子さんが小学生になるタイミングで家族で日本に移住。つまりお子さん達は日本に移住した時は韓国語がゼロの状態ではなかった。日本移住後は妻の提案で「家族では韓国語で話す」というルールを決めた 。その後も日本の小学校の冬休みの時に韓国の親戚の家に1ヶ月預けたり韓国の塾で習い事をさせてみたりしている。
以上のAさん~Eさんの5つの事例からわかることって何でしょうか?
(私が韓国在住であるため、事例に日韓夫婦に偏っていてすみません・・・。)
子どもがパパの言語が上手になってるのはどんな家庭?
Aさん~Eさんの事例から、お子さんの年齢や住んでいる国、夫婦の語学力の違いなどもあるので
「子どもがパパの言語が上手に・・・」
という言い方はちょっとざっくりしていて感覚的なものになってしまいますが、ここでは「読む」「聞く」「書く」「話す」の中でも「聞く」「話す」の会話能力のことを言っています。Aさん~Eさんの中では、BさんとEさんのお子さんがパパの言語で会話ができます。
もう一度、BさんとEさんについてポイントとなる部分を見ると次のようになります。
ポイント
Bさん → 家にいる時や週末はパパとの時間を増やし日本語に接しているので会話はできる。
Eさん → 日本移住後は妻の提案で「家族では韓国語で話す」というルールを決めた 。その後も日本の小学校の冬休みの時に韓国の親戚の家に1ヶ月預けたり韓国の塾で習い事をさせてみたりしている。
ちなみにBさんもEさんも日本語教師の経験がある人たちです。このように言うと
という声が聞こえて来そうです。しかし、親が語学教師ならその子どももその言語ができるのか?と言ったら、必ずしもそうではないことは、以前このブログにその理由と共に書いたとおりです。
・語学教師の子どもはみんなバイリンガル? ↓↓
それでは、同じように「ママの国」で子育てをしている人たちの中で「パパの言語」ができるようになる子どもとそうでない子どもがいるのは、どこに差がでるのでしょうか。
ポイントは時間の長さではなく質
Bさんの場合は、ひと言で言うと
「パパの意識、努力、子どもとのコミュニケーション」
だと思います。Bさんは、とっても子煩悩な人でお子さんとの時間をとても大切にしています。奥様は日本語があまりできないので夫婦の会話は韓国語ですが、家族との時間を大切にし週末にはお子さんを連れて出かけたりしています。
次にEさんは奥さんが言い出した「家族のルール」がポイントです。日本に移住して日本の小学校に通うようになったら子どもさんたちはきっと韓国語を忘れていくだろうと思った奥さんの提案が、家族全員日本語ができるにも関わらず「家族では韓国語」です。また、機会があるごとに韓国にお子さんを行かせて親戚の家に滞在したり習い事をさせたりして韓国語に接する機会を意識的に増やしています。そうすることでお子さんたちの韓国語の維持と向上を図ったのだと思います。
たった2人ですが、このBさんとEさんの事例から言えることは次のことではないかと思います。
1.子ども達との濃い、充実した時間を作る。
2.家族のルールを作る。
このように考えれば、家族全員英語がわかるCさんのご家庭でも家族のルールを作れば日常的にお子さん達は英語を話すようになるのかもしれません。
また、夫婦で一方が相手の言語に堪能でなくても、家族のルールとして「家の中ではパパの言葉で話す」というルールが徹底されていてパパと子どもとの時間が充実したものであれば、お子さんたちもパパの言葉を覚えると思います。
...と、事例だけを見てみるとそうなるのですが、実際は子どもが嫌がったり親が面倒に思ったりすることもあります。そのため、やはり、
「どこまでやって、しないことは何か?」
を夫婦や家族で決めるのが無理のない方法ではないかと思います。
ママの国でママが家庭でできること
「そうは言っても妻はパパの言語が全くわからない」
や
「仕事上、出張が多いし平日は夜遅く帰ってくるし週末は疲れて寝てるので子ども達との充実した時間なんて難しい。」
という人もいると思います。そのような場合は、次のような方法も考えられます。
1.パパの言語のインプットを増やすDVDや、Youtube動画を見せてみる。
2.インプットだけでは伸びないのでパパが帰宅したらそれについて子どもと話す。
3.もしママがパパの言語ができるなら子どもにパパの言語で話しかける。
言語にもよりますが、1.は、比較的やりやすいと思います。子供って不思議で保育園や幼稚園の頃は、たとえ言語がわからなくても動画に釘付けになることもあります。しかし、ただ見せればいいというわけではなく、そこにコミュニケーションが生まれないと言語は使えるようにはなりません。
そこで、もしママがパパの言語ができるなら、3.のように子どもにパパの言語で話しかけるか、パパが家にいる時間に2.のように子どもが見たDVDについてちょっと話してみたり一緒に見たりするとそこでコミュニケーションが生まれます。
言語は1日で身につけることはできないので、最初のうちは動画の感想をママの言語で言ったり、見ること自体を拒否したりすることもあると思います。
そのため、様子を見ながらちょっとずつ......というのがいいかも知れません。
まとめ
今回は私のブログやSNSを通して、
国際結婚をして日本に住んでいます。夫が外国人で妻が日本人です。子どもと一緒にいる時間は妻の方が長いのですが、パパの言語を子どもは覚えてくれるでしょうか??
という相談(質問)が度々来ることあるので、今回の記事を書いてみました。
ポイントは次の通りです。
ポイント
1.子ども達との濃い、充実した時間を作る。
2.家族のルールを作る。
ママの国で子育てをしていて、パパは仕事で忙しい... でもパパの言語を覚えて欲しい、でもママはパパの言語ができない...... など悩みや葛藤も多いと思います。
親の言語を子どもに受け継いで欲しい...... その度合いに差があるとは言え、きっと多くの国際結婚の夫婦が考えるのではないかと思います。
環境的に、そして子ども自身の反応から、うまく行くこととそうではないことがあると思いますが、子どもの反応を見ながら少しずつ進めていけたらいいのではないかと思います。