こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で子ども達を日韓バイリンガルに育てています。
さて、バイリンガルやマルチリンガルという言葉は聞いたことがある人もいると思います。言語が2つまたはそれ以上扱える人のことを言いますよね。しかし、バイカルチャーやバイカルチャルという言葉はどうでしょうか。
バイカルチャーやバイカルチャルとは、バイリンガルの人はきっと無意識に身につけているかもしれませんが、バイリンガル育児をしようとしている人(または既に実践している人)には、知っておくべきことの1つだと思います。
今回は、この「バイカルチャー/バイカルチャル」について、その意味と海外におけるバイリンガル育児では親はどんなことに意識したらいいのかについてお話したいと思います。
バイカルチャー/バイカルチャルとは?バイリンガルが身につけるべきもの
では、まずは「バイカルチャー/バイカルチャル」とはどんな言葉なのか、その意味を見ていきたいと思います。
コトバンクによると次のように書かれています。
[形動]2か国の言語・習慣・道徳などを、その国の人と同レベルに身につけているさま。また、理解できるさま。
コトバンク「バイカルチャル」より
ちなみにバイカルチャーとバイカルチャルですが、バイカルチャーの方は英語ではなく和製英語です。そして、バイカルチャルの方が英語でスペルは「bicultural」と書きます。今回のこのブログでは、これ以降は「バイカルチャー」と「バイカルチャル」の2つの言葉を使うのではなく、「バイカルチャル」という言葉1つだけ使うことにします。
さて、ではこの「バイカルチャル」ですが、「バイ」とは、「bi」と書いて「2」の意味なので、さきほどコトバンクに書かれていたように「2か国の…」と2つの国の言語や習慣、道徳をその国の人と同じレベルに身につけている様子となっています。
つまり、例えばうちの場合だと現在、子ども達を日韓バイリンガルに育てているわけですが、日韓バイリンガルとは「言語」の部分を見ているので、バイカルチャルにしようと思ったら、それプラス「習慣」や「道徳」の部分も必要となってくるというわけです。
バイカルチャルになるための方法
では、「習慣」や「道徳」の部分についてもう少し具体的に考えていきたいと思います。ここでは日本と韓国のバイカルチャルということで、日本と韓国の「習慣」と「道徳」について例をいくつか挙げてみます。
★日本の習慣や道徳
・ごはんは、お箸を使って食べる(食習慣)
・家に入ったら靴を脱ぐ、畳の部屋ではスリッパをはかない(住居の習慣)
・卒業式には、はかまを着て成人式には振袖を着る(衣服の習慣)
・誰かに何かをもらったらありがとうと言う、ゴミはゴミ箱に捨てる(道徳)
★韓国の習慣や道徳
・ごはんはお茶碗を持って食べない、お箸とスプーンは縦に並べる(食習慣)
・家にシャワーもあるけど銭湯にもよく行く、椅子に座ることも多いが床に座ることも多い(住居の習慣)
・チマチョゴリを着るのは幼稚園まで。その後はあまり着ない期間が続き自分のチマチョゴリを持つのは結婚する時(衣服の習慣)
・お年寄りを大切にする。バスや地下鉄ではお年寄りや小さい子どもに席を譲る(道徳)
ざっと書いてみましたが、個人的には違うという人もいるかと思いますが、全体的にみるとこんな感じではないかと思います。
では、言語の他にこのような習慣や道徳を身につけるとしたらその方法は何でしょうか。これは、まず身につけたい人がどこにいるかにもよると思います。
例えば、我が家の場合だと韓国に住んでいて子どもたちは韓国の学校に通っているので韓国語に加え韓国の習慣や道徳は現地校で教えられてきます。そのため、日本人である私がわざわざ教えなくても毎日の生活の中で覚えていきます。
しかし、日本の習慣や道徳はどうでしょうか。これは韓国に住んでいて韓国人と同じ生活をしていては身につきません。そのため、次のような方法(親が意識しておくこと)が考えられます。
1.家の中は日本式にする。
2.親が言葉で説明する。
3.一時帰国の時に子どもに自分で肌で感じてもらう。
どうしてバイリンガル児はこれらを身につけるべき?
さきほどの3つの方法をもう少し詳しく見てみます。
★1.家の中は日本式にする。
これは、言語、食事、習慣、テレビ、道徳などすべてです。もちろん食事などの場合、日本食を作りたいと思っても欲しい食材が手に入らなかったり値段が高かったりして難しいこともあります。そのような場合は無理をせず、できる範囲でもいいと思います。
習慣はさきほど例にだしたように、ごはんを食べる時はお茶碗を持ってお箸で食べることや味付けはしょうゆとみりん等、和食によくある味付けにするなどです。テレビも海外にいると一般のテレビでは日本のチャンネルはNHKぐらいしかうつらないので、インターネットを使うなどひと工夫が必要です。
・海外から日本のテレビを! ↓↓
★2.親が言葉で説明する。
子どもも幼稚園児ぐらいになると、親が韓国人ではないこともわかってきて外で聞くネイティブの韓国語とママ(←私)が話す韓国語は違うことなどがわかってきます。そして例えば
と聞いてくることもあります。そんな時は親が、
と、韓国の食習慣との違いと言葉ではっきりと伝えると小さい時はなんとなく理解し、そして成長するにつれてはっきりと理解していきます。ポイントとしては優劣をつけるのではなく、ただ単に国が違うからやり方が違うということをシンプルに伝えることだと思います。
★3.一時帰国の時に子供に自分で肌で感じてもらう。
地理的に日本から遠い場合は頻繁に日本に一時帰国できないこともありますが、一時帰国は海外で育つ子どもにとっては、日本語が伸びるチャンスであり日本の習慣や道徳を肌で感じる時です。
海外に住んでいても日ごろから親が滞在国と日本の違いを子どもに教えておけば、一時帰国の時に子どもは日本のおばあちゃんの家や日本のいとこ、保育園の一時保育、小学校や中学校の体験入学などで実際に体験を通じて学んでいきます。
そして、ただ話を聞くだけよりも実際に経験して肌で感じる方が子ども達の心には何倍も残りやすいものだと思います。
さらに、「どうしてバイカルチャルになるべきか?」というと、バイリンガル育児というと、とかく言語ばかりに目がいくのですが、実は言語とはその言語が話されている国の文化を反映するものです。
また、言語だけでなく習慣や道徳なども身につけておくと、将来的にその言語を使って友達とコミュニケーションをしたり仕事をしたりする時にも文化的な摩擦が起こりにくいと思います。
まとめ
今回は、バイカルチャルという言葉の意味やバイリンガル児はどのようにしたらバイカルチャルに慣れるのか、そしてどうしてバイカルチャルになるべきかについてお話しました。
そして、親が意識して実践したらいいことは次の3つです。
ポイント
1.家の中は日本式にする。
2.親が言葉で説明する。
3.一時帰国の時に子どもに自分で肌で感じてもらう。
1.や2.といった毎日の地道な努力が、3.の一時帰国で子どもが経験することに最大限の効果をもたらすと思います。
日々の努力、根気で取り組みたいものですね。