こんにちは!まめちゃん(@mame_chang)です。韓国在住15年を超え、日韓バイリンガル子育ても早や10年を超えました。そして、その経験をこのブログに書いています。
また、私は日韓バイリンガルに育ったのではなく大人になってから韓国語の学習を始めて韓国語がわかるようになったのでこのブログにも「韓国語」というカテゴリーを作り、韓国語学習についても少しずつ書き始めました。
今回は、そんな韓国語学習の中でも日本人にはとっつきやすいもの、「韓国語になった日本語」に焦点を当てていくつかの例と共にお話し、バイリンガル子育てをしている親としてはそれをどう考えて子供にはどう教えていったらいいのかについて考えてみたことをお話したいと思います。
韓国語になった日本語は覚えやすい?! その3つの種類とは...?
日本に戻った時期はあったものの、韓国在住が通算で約15年の私。韓国在住といってもソウルではなく釜山なのでソウルなどの首都圏とはまた少し違うと思います。そのため、釜山に住んでいて耳にする韓国語の中からいくつかご紹介しようと思います。
さて、韓国語になった日本語にはいろいろありますが、大きく分けて種類が3つあるように思います。その3つとは次の通りです。
1.使い方も発音も日本語とほぼ同じもの。
2.韓国語に入って意味が変わってしまったもの。
3.日本語語源じゃない?と聞かれたり日本語語源だよと言われた事があるがよくわからないもの。
それでは具体的にどんな言葉が韓国語になった日本語なのか、この3つの例をみていきます。
★.1.使い方も発音も日本語とほぼ同じもの。
では使い方も発音も日本語とほぼ同じものをいくつか紹介します。これらの単語は次の順番で書きました。
日本語 韓国語に入った日本語(読み方をカタカナで書く)→韓国語の単語
爪切り 츠메끼리/쓰메끼리(スメキリ) → 손톱깎기
バケツ 바케스(バケス) → 양동이
たらい 다라이(ダライ) → 대야
たまねぎ 다마네기(ダマネギ) → 양파
終わること 시마이(シマイ) → 마침
いっぱい 이빠이(イッパイ) → 많이
そして、寿司、刺身、天ぷら、カラオケといった言葉はある意味典型的な日本なので、「Sushi」「Karaoke/可楽OK」のように音が他の言語(例えば英語や中国語)にそのまま入ってることもあります。しかし、韓国語は意外とそうではなくそれぞれに韓国語があります。
寿司 → 초밥
刺身 → 회
天ぷら→ 뒤김
カラオケ → 노래방
★.2.韓国語に入って意味が変わってしまったもの。
では次に韓国語に入って意味が変わったものをいくつかご紹介します。
見当をつける 겐또 치다(ケントウ チダ) → 건목 치다
段取り 단도리하다(ダンドリ ハダ) → 준비, 채비,단속
車 구루마(クルマ) → 대차
これはちょっと説明が必要だと思うので例を挙げます。
まず。「見当をつける」は、次のように使います。( )の中の日本語は直訳です。
先生:시험은 어땠어요?(テストはどうでしたか。)
学生:전부 다 몰라서 겐또 쳤어요. (全部わからなかったので見当を打ちました。)
この「学生」日本語、ちょっと変ですよね。つまり、「見当をつける」は、発音だけ「겐또(ケントウ)」と残っていてその後ろの動詞は韓国語です。そして、これは自然な日本語では「あてずっぽうで答えました」の方がいいと思います。このようにもともと日本語の「見当」は韓国語に入って、
「全然わからない時に適当にあてずっぽうで答えること」
と意味が変わっています。
次に「段取り」は次のように使います。
①나는 좀 바쁘니까 니가 단도리 하고 있어.(私ちょっと忙しいから段取りしといて。)
②오늘은 비가 올 테니까 창문 단도리 해라.(今日は雨が降るから窓の段取りしといて。)
①の「段取り」は文脈によっては日本語としても問題ないこともありそうです。ここでは「準備」の意味、②の「段取り」は窓なので「閉める」と言いたいところですが「締める」の方がニュアンス的に合う使い方です。
最後に 車は、 구루마(クルマ)は、自動車ではなく荷物を運ぶ台車の意味で使われます。あと、昔市場でおばあさんがリヤカーを指して「クルマ」と言っているのを聞いたことがあります。これは例文がなくてもよさそうなので割愛します。
このような言葉は日本語が語源だと知っている韓国人の日本語学習者は、そのまま日本語の文に入れて使うことがあるので、使い方が違うなどと指摘するなど注意が必要です。
★.3. 日本語語源じゃない?と聞かれたり日本語語源だよと言われた事があるがよくわからないもの。
最後に日本語語源かもしれない言葉です。
시다바리(シダバリ) → 下働き、使い走り
소매(ソメ) →袖
나시(ナシ) →袖なしの服(민소매)
シダバリ、ソメ、ナシ、という言葉と日本語の意味を見ていると、何となくそれらの日本語から来たのだろうと思います。なお、これらの言葉はソメ(袖)やナシ(袖なし)などに見られるように衣服関係には日本語語源が多いというのを聞いたことが有ります。
なぜ韓国語になった?
ところで、なぜこれらの日本語が韓国語になったのでしょうか。理由はいくつかありますが、やはり歴史的背景や地理的理由ではないかと思います。また、釜山の中でも比較的年齢層が高い人たちが使うように思います。
これから時代や世代が変わると、もとは日本語だったことすら忘れられ普通の韓国の単語として生き残っていいくか、またはそれに代わる韓国語の単語に置き換えられていくのか…。言葉は時代と共に移り変わるので、今後どうなるか観察が楽しみでもあります。
日韓バイリンガル育児をしている親として
ところで、このブログのメインテーマはバイリンガル育児です。それではバイリンガル育児、特に日韓バイリンガル育児をしている親はこのような韓国語に入っている日本語を子供にどう教えたらいいでしょうか。
色々な考え方があると思いますが、もし日韓バイリンガル育児をしていてすでに親が日本語と韓国語が達者な場合は、その言葉が日本語から来ていることを伝えたらいいと思います(もちろんどこまで教えるかは子供の年齢に合わせて、です)。そして、使い方や発音が違う場合は、それも合わせて教えておくといいと思います。
子供にとっては、自分の親のルーツを知る方法の1つが言語です。子供が
「へぇ~!そうなんだ!」
と思って聞いてくれたらいいなと思います。そして、このように「へぇ~、そうなんだ!」というある意味驚きやインパクトと共に話を聞くと心に残りやすいからでもあります。
まとめ
今回は、韓国語に入っている日本語についていくつかご紹介しました。これらの日本語は3つの種類に分けられます。
1.使い方も発音も日本語とほぼ同じもの。
2.韓国語に入って意味が変わってしまったもの。
3.日本語語源じゃない?と聞かれたり日本語語源だよと言われた事があるがよくわからないもの。
韓国語を勉強する日本人には、1.は日本語の発音を韓国語風にするだけなので難しくないです。しかし、2.と3.は違いを知っていたほうがいいし、3.は「結局これは日本語なのか?」と聞かれた時に、
「現代の日本語にはないけど使い方を考えたら多分日本語が韓国語に入る過程で発音や使い方が変わってしまったのかもしれない…。」
ぐらいは言えたらいいかな、と思います。
最後に日韓にバイリンガル育児をしている親は、このような単語が韓国語に入っていること、その背景を自分の知識として持っておいて必要があれば子供に説明してあげられるのがいいのではないかと思います。