こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国に住んで約15年ほどですが、そのうち10年ぐらいは子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日努力中です。
さて、このブログを読んでいる方は外国語を勉強したことがあるでしょうか。学校に英語の授業があれば量や程度に差があっても経験がある人が多いのではないかと思います。
私は韓国で子育てをしていますが、ここでよく耳にするのは、
とか
という声です。これは、もちろん否定はしませんが果たしてネイティブ以外とだと意味がないのでしょうか。ネイティブではないノンネイティブと、またはノンネイティブ同士で外国語でコミュニケーションをするのは何も意味のないことなのでしょうか。
今回、このブログでは外国語を使ってネイティブではない人とコミュニケーションをする意味について、いくつか例を挙げながら考えてみたいと思います。
ネイティブじゃない人と外国語で話す?その3つの利点とは?
まずは、ネイティブとのコミュニケーションについてです。コミュニケーションしようとしている人の語学力がどのぐらいなのかにもよりますが、ネイティブの方が相手のレベルに合わせて話してくれないと難しいことがあります。
例えば、英語が初級レベルの人に英語のネイティブが自然なスピードで話しかけてきたら...? 英語が初級のその人は思考停止してしまうかもしれません。
また、英語のレベルが高い上級の人でも内容によっては語彙が足りなかったり背景知識がないことで会話が、盛り上がらなかったり会話が成立しなかったりします。
もちろん、背景知識がないことで会話が成り立たないのは、何もネイティブとノンネイティブの会話だけではなくネイティブ同士の会話も同じですが...。
それでは次はネイティブじゃない人と外国語で話すことについて考えてみます。
どんな時にネイティブじゃない人と外国語で話す?
では、どんな時にネイティブじゃない人同士で話すでしょうか。それは例えば次のような時ではないかと思います。
1.お互いの母語がわからないけど相手と話したい時。
2.外国語の授業などの会話練習で。
私の場合、自分の意思でノンネイティブ同志で話したのは1.が多く、2.は授業などで先生がやると言ったからやったという感じです。
1.は、知り合った相手が私の母語である日本語がわからない、そして私も相手の母語がわからない。でも話がしたい時にネイティブではないけどお互いがわかる言語で話しました。
その一例を挙げると次の通りです。
・タイ人、ラオス人、インドネシア人、ミャンマー人と英語で話す。
・ミャンマー人と韓国語で話す。
・中国人と韓国語で話す。
・韓国語と英語で話す(韓国語がわからなかった頃)。
・ベトナム人と中国人と英語または韓国語で話す。
・カンボジア人と英語で話す。
今、思いついただけの例を書きましたが、実際にはもっとあって誰と話すかによって同じ人と話していても2人で話す時は韓国語、韓国語がわからない人が加わると英語に切り替わったりもします。また、私がもっとたくさんの言語ができる人であったら、もっと他の言語を使ってノンネイティブ同志で話ができたのではないかとも思います。
そして話した内容は様々で、ただのおしゃべりのこともあれば、仕事や研究の話の時もあります。ではそこに何か意味があるのかを考えてみます。
ノンネイティブ同士の会話がもつ利点
ノンネイティブとして自分の母語ではない外国語で話す時に気をつけることは、きっと次の2つだと思います。
1.形式(文法、発音、イントネーション、言葉遣いなど)
2.意味(自分が言いたい内容が相手に正しく伝わっているかどうか)
1.の形式に気をつけるのは、文法に気をつけないと過去なのか現在なのか未来なのか、そして肯定なのか否定なのかが変わります。そして、文法を間違えるとこちらが意図したことと、相手の理解が違ってしまうという事態になるかもしれません。そのため、この2つに気をつけてコミュニケーションをすると思います。
そして、自分と同じくネイティブではない相手が話すことに耳を傾ける時は、何を聞いているでしょうか。それは多分、さっきの2つの、2.(意味)、そして1.(形式)の順ではないかと思います。例えば、簡単な例を出すと次のような場合だと思います。
(※わかりやすくするために、会話は日本語で書きます。↓)
この2人は料理の話をしています。相手の国の料理について聞きたいけど相手の母語がわからないので、お互いにわかる言語を使って話をします。この時に使う言語は、何語でもいいと思います。
例えばこの会話がもし韓国で出会ったAさん(日本人)とBさん(タイ人)の会話なら、韓国語かもしれないし、アメリカでであったAさん(韓国人)とBさん(ブータン人)なら、英語で話すかもしれません。
もちろん、話が複雑になると違いますが、この場合焦点を当てているのは会話の内容であって細かい文法ではないと思います。そういう意味で、ノンネイティブ同志の会話は
「形式(文法、発音、イントネーション、言葉遣い)などよりも、意味の方に焦点を当てていて、情報を得るという点で意味がある。」
と言えるのではないかと思います。
ネイティブじゃない人同士で話す利点
では、ノンネイティブ同士で話すことに、何か利点があるのでしょうか? 考えてみたらおおまかに次の3点が頭に浮かびました。
1.お互い簡単な言葉しか使わないから意思疎通が難しくない。
2.新しい考え方や文化が学べる。
3.母語が違うと使う言葉も違ってくるので、新しい言葉が学べることもある。
話している人たちの語学力によるところもありますが、お互いにレベルが高くない場合は簡単な言葉を使ってコミュニケーションします。そのため、言語的には難しくないこともあり話がわかりやすいです。但し、ノンネイティブと言ってもネイティブレベルに語学力がある人もいます。そして相手とのレベル差がある場合は、ネイティブレベルの人が話すスピードを遅くしたり、使う単語を簡単にしたりして調節が必要となります。
そして、話している言語がなんであれ話す内容がその国の人のことであれば、新しい考え方や文化が学べると思います。これは、簡単な例だと先ほどのノンネイティブのAさんとBさんの会話に見られるような料理(文化)などについてです。そして、外国語を使う時は母語の影響を受けることも多いです。そのため、同じ話をしてもどんな言葉(語彙)を使うかが変わってきて、それにより新しい言葉が学べたりもします。
ネイティブじゃない人同士で話す時に気をつける点
ここまでだと利点ばかりのような気もしますが、気をつけるべき点もあります。それは、次のと3つです。
1.その人が話す言葉はその人の母語の影響を受けてることがあるので最適/正しい言葉ではない可能性がある。
2.正しい文法ではない可能性がある。
3.母語の影響をうけた発音やイントネーションになっている可能性がある。
やはり母語が確立した後に、外国語として言語を身につけると母語の影響を受けることが多いです。そのため、ネイティブはしないような語彙の選択や発音、イントネーションとなることもあります。また、文法的にも完璧な人ばかりとは限らないため、文法的なミスも全くないとはいえません。
とはいえ、さっきの話のように利点もあるので「形式」よりも「意味(内容)」に耳を傾けてコミュニケーションを取ればいいと思います。
まとめ
今回は、ネイティブじゃない人と外国語で話すのは果たして意味があるのか…?という素朴な疑問に、例を挙げながらお話しました。結論を言うと意味はあると思います。利点としては、次の3つです。
ポイント
1.お互い簡単な言葉しか使わないから意思疎通が難しくない。
2.新しい考え方や文化が学べる。
3.母語が違うと使う言葉も違ってくるので、新しい言葉が学べることもある。
特に、2.の新しい考え方や文化、価値観が学べるのがいいと思います。つまり、形式よりも内容重視のコミュニケーションはノンネイティブでも問題はないのではないかな、、と思います。