こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルに育てようと、言語と文化の面から毎日努力中です。
私自身は日本で生まれ育って中学校に入って英語を授業で勉強し、大人になってから自分の興味で韓国語を勉強してわかるようになったので言語は複数わかるのですがバイリンガル児として育てられたわけではなく、後付けという感じです。
バイリンガルやトリリンガル(言語が3つわかる)、マルチリンガルと聞けば、まず気になるのは次のようなことだと思います。
「どんな言語がわかるんだろう?」
「どのぐらいしゃべれるんだろう?」
そして、大切なのによく置き去りになるのは「文化」や「社会」です。言語と文化、そしてその言語が使われる社会は密接な関係にあり、お互いに影響しあっているし反映もしていると思います。
今回、このブログではバイリンガルと「社会」という面に焦点を当てて、インターネットの記事を1つ紹介し、それに関連するこのブログの過去の記事も1つご紹介したいと思います。
バイリンガルの人格は1つではないと判明。その根拠は...?
ふと、インターネットであちこち見ていた時に見つけた記事があります。まずは、その記事の紹介をしたいと思います。
タイトル:社会言語学において「バイリンガル」は「多重人格」であることが判明
ざっくりとした内容:アメリカ文化人類学において日本語が母語だが英語を主に使って生活している日本人女性にインタビューした社会言語学者がいる。その結果、インタビューが日本語であるか英語であるかによって同じ質問でも回答が違うことがわかった。そして場合によっては回答内容がまったく反対のものもあるというもの。
出展:NEUS(2017年4月28日の記事)
そして、この記事で参照されているインタビューを引用すると次のようになります。
NEUS「社会言語学において「バイリンガル」は「多重人格」であることが判明」より
この記事の引用を見ていると、確かに回答が全然違うことに驚かされます......。
もっと詳しい内容は参照元である「New Prepublic」を英語版をみていただくことにして、ここからはこの記事を読んで思ったことについて書きたいと思います。
人格は1つではない...から思うこと
今回の記事は、バイリンガル育児をしている私としてはとても面白いと思いました。そして持った疑問は次の2つです。
1.どうしてこうなるの?
2.これって英語と日本語のバイリンガルの人たちだけに当てはまるものなのかな?
3.バイリンガル児もそうなの?
また、今回引用した記事は「日本語が母語だけど英語をメインに使っている日本人女性」とのことでした。そうすると、バイリンガルに育てられる子どもではなく後で勉強して母語以外の言語ができるようになった、いわゆる後付けバイリンガルのことなのか…。
そして後付バイリンガルと言えば、英語と韓国語が学習によりできるようになった私自身もそうなのかな?と思ったり。現在私は韓国在住で日本語と韓国語を毎日使っていて英語はたまに使うぐらいなので、英語ができますといったらちょっと語弊がありそうですが、言われてみると韓国語を話す時は韓国や韓国語に合うような表現を使ったり内容を言ってるような気もしますが、この記事で紹介されているような全く逆のことを言うことは場合によってはあるような気もします。
私の身近なバイリンガルたち
私の周りには日韓バイリンガルがたくさんいます。ある人たちは大人になってから日本語または韓国語を勉強してできるようになった人たちで、ある人たちは親に日韓バイリンガルとして育てられた(または現在そのように育てられている)人たちです。
そして以前、私は身近なバイリンガルとして夫(韓国人)と、うちの子どもたちに同じような質問をしたことを思い出しました。その結果、上の子は日本で日本の友達と遊ぶ時と韓国で韓国人の友達と遊ぶ時は、使う内容や言葉づかいを使い分けていることがわかりました。
また大人になってから日本語を勉強した夫(韓国人)も日本人に話しかける時と韓国人に話しかける時は、言い方を変えると言っていました。
★.使う言語によって内容や言葉づかいを変える例の詳細は「合わせて読みたい」↓↓へ。
私は社会言語学者ではないし、実際に聞いてみた人は周りのたった2人だけです。しかし、今回最初にご紹介したアメリカの研究結果と多少通じるものがあるのかなと思いました。
バイリンガル育児をしている親としてできること
さて、今回の記事を読んで、そして過去に自分でも夫と子どもに同じような質問をしていたことも思い出しながら、今後はバイリンガル育児をしている親としてどうしたらいいのかな…?ということを少し考えてみました。
まず、研究者でもない限りたくさんの人たちにインタビューしてそこから科学的な結果を導くのは大変です。しかし、インターネットで公開されているそのような記事があれば積極的に読んでみることはできるのではないかと思います。
そうすると、きっと知識が蓄積されて理解につながると思います。また、自分の子どもにバイリンガル育児をしてると、子どもが複数の言語を使っている時にしゃべり方、行動などが違うかどうかをチェックしつつ読んだ記事などで得た情報と照らし合わせて、自分の子どもはどうか観察したり考えたりできるのではないかと思います。
そのような意味で、親の「知識の蓄積」「理解」「自分の子どもの観察」はキーワードになるのではないかと思います。
まとめ
今回は、インターネットでみた新聞記事が興味深かったので、まず紹介しました。そして以前私も夫と子どもに同じようなことを聞いたことを思い出し、その時の話も出しました。また、バイリンガル育児をしている親として、どんなことができるのか簡単に考えてみました。
バイリンガル育児をしている親ができることは次の3つです。
ポイント
1.インターネットや本で知識をつける。
2.内容を理解する。
3.自分の子どもを観察して照らし合わせる。
また、研究結果はすべてが一般化できるものとは限らず、研究の方法によっては結果が変わったり誰にでも当てはまるものとも限りません。そのため、情報や知識を集めて蓄積することは大切なのですが、当てはまらない場合は「参考」に留めておくというのも1つの方法です。