こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で二人の子どもたちを日韓バイリンガルに育てようと、今日もがんばっています。
「子どもをバイリンガルに!」
という話が出た場合、よく見るのは3つのパターンです。
・日本在住で子どもに英語を覚えて欲しい。
・国際結婚で日本在住。日本人ではない親の母語を子どもに覚えて欲しい。
・海外在住で現地の言語プラス日本語を子どもに覚えて欲しい。
そして、「バイリンガル」と言えばすぐに頭に浮かぶのが、2つの言語を自由に操れる人。しかも流暢にしゃべれるという「会話力」に目がいくことが多いように思います。
会話とは、
・相手の言った事を聞いて理解する
↓
・自分が言いたいことを考える
↓
・言葉で相手に伝える
というプロセスの繰り返しです。そして、自由に扱える言語であればこれを瞬時にこなすことができます(もちろん、自由に扱える言語でも内容的に難しいものや考えないといけないものは、瞬時とはいかないこともありますが…)。
今回はこのような「子どもをバイリンガルに!」の中でも先ほどの
・海外在住で現地の言語プラス日本語を子どもに覚えて欲しい。
のパターンに限定して、一見子どもが流暢に日本語をしゃべっているように見えても「正確に」覚えているか…?という点に絞って、「正確さ」をチェックしたい時にはどこを見たらいいかとその理由についてお話したいと思います。
子どもをバイリンガルに!言葉を正確に覚えているかはここをチェック!
さきほど、
「流暢にしゃべれるという「会話力」に目がいくことが多いように思います。」
と書きましたが、言語の力には会話のほかにどんな力があるのでしょうか。それは次のとおりです。
「読む」
「書く」
「聞く」
「話す」
これらは4技能と呼ばれるものです。これに「文法」や「漢字」がプラスされることもあります。
海外で育つ子どもで日常的に日本人の親と日本語で子供のころから会話をしていれば、この4技能のうち「聞く」「話す」は身につきます。そして自然に「文法」も少しずつ身について行きます。そのため、残りの「読む」「書く」「漢字」辺りで苦労することも多いです。では、今回の話の
「正確に日本語を覚えているかな?」
は、これらの能力のうちの、どこを見たらいいのでしょうか。
言葉を正確に覚えてるか知りたい時は?
では、「正確に覚えているか」が一番よく表れるのは、どの能力か…?というと、
「書く」
です。書かせてみたら、言葉だけでなく文法がちゃんとわかっているかが、はっきりとわかります。その理由は、会話だと言葉がわからない時は発音を曖昧にしたり途中で言うのを止めたり、会話をしている相手が助け舟を出してくれたりすることがありますが、書くときはそうはいかないからです。
例えば「赤ずきんちゃん」という言葉が思い出せない(またはちゃんと覚えてない)とします。
子ども「あれ、赤いやつ…。何だっけ?赤ずき..?」
母親「赤ずきんちゃん?」
子ども「そう。それ。その本読んでくれたよね、幼稚園のころ~」
といった感じです。ところが、書く場合、特にたったの1段落の作文であってもきちんとそれぞれの文を完成させないといけないため、先ほどのように「赤ずき…?」で文を終わらせることはできず、例えば
「幼稚園の時、赤ずきちゃんの本を読んでもらいました。」
などと書かなければいけません。SNSのチャットなどではない場合、1人で書くので助け舟を出してくれる人はいません。この例は「幼稚園の時、…」と漢字とひらがなが混じった文で書きましたが子どもの書く力によっては全部ひらがなで書くこともあると思います。
また、会話ではちゃんとしゃべっているように聞こえても会話では助詞を言わなかったりすることもあるので、書かせてみると
1.「友達を会いました」
2.「おおじさま(王子様のこと)」
などと書いてしまうかもしれません。ちなみに、1.は文法(助詞)の間違いで、2.は「おうじさま」と書くべきところを発音どおりに「おおじさま」と書いた間違いです。
子どもにはどんな言語能力をもったバイリンガルになって欲しい?
これら4技能をバランスよく伸ばしたい。そして苦労はするけれど漢字も覚えて欲しい…。 というのがベストだと思います。しかし、現実的には現地校に通ってたら現地校の勉強や宿題、その他習い事やスポーツなど、子どもが大きくなってきたら親がやらせたいことよりも子どもがやりたいと思う事もも多くなり、子どもがやりたいと思う事が日本語とは関係ないこともあります。
そのため、何がなんでも4技能を伸ばす!というのではなく、バイリンガル育児を始めた時の目標は4つの技能を全部習得することかもしれませんが、成長していく子どもに合わせて目標を少しずつ変更・調整していくのが現実的で長続きする方法だと思います。
私の周りには日韓夫婦をはじめ、たくさんの国際結婚の夫婦がいます。そして、子どもにどのぐらい日本語を覚えて欲しいかという目標は、家庭によってさまざまです。このブログでも何回か書きましたが、バイリンガル育児… と言っても、家庭の数だけ考え方や方針、目標があるのだといつも感じます。
ちょっと話がずれてしまいましたが、繰り返すと今回の「子どもの日本語の正確さ」をチェックするには、文や文章を書かせてみるのが一番わかりやすいです。
バランスのよいバイリンガルに育つには?
ちょっと話が前後しましすが、それでは4技能のバランスが取れたバイリンガルに育てるにはどうしたらいいのでしょうか。日常的にできることを技能別に見ていくと次のようになります。
「読む」 →通信教育、お手紙、SNS、親と交換日記など
「書く」 →通信教育、お手紙、SNS、親と交換日記など
「聞く」 →日本人の親と会話、インターネット、テレビ、同じような境遇の友達と会話など
「話す」 →日本人の親と会話、インターネット、テレビ、同じような境遇の友達と会話など
そして「文法」は、小さいころから日本人の親と日本語で話していたら身についていくので、親と話しながら直していけばいいです。しかし親といくら日本語で話しても身につかないのは「漢字」です。海外でバイリンガル育児をする場合、漢字圏ではない国がほとんどなので、漢字を覚えるのには苦労する子どもが多いです。
漢字を覚える1つの方法は漫画です。好きな漫画があったらそれを読みながら、まず漢字を見て読めるようになること。そして次の段階が書けるようになることです。そして日本語に関する試験もモチベーションに繋がると思うので、試してみるといいと思います。
・日本の試験について ↓↓
まとめ
今回は、子どもが一見日本語を流暢に話しているとしても、正確に覚えているかチェックする方法についてお話しました。今回の話のポイントだけをまとめると次のようになります。
ポイント
・言語の能力は4つある(読む、書く、聞く、話す)。
・子どもが日本語をペラペラにしゃべっていてもそれは「聞く」「話す」の2つの能力だけを見ていることになる。
・言葉を正確に覚えているかは書かせてみたらはっきりとわかる。
・たったの1段落でも書かせてみたら文法や表記の間違いがわかることがある。
・4つの技能をバランスよく伸ばすには各技能に合った方法をとる。
・日本語能力に関する試験を受けてみると子どものモチベーションが上がるかもしれない。
「子ども」とっても年齢層が広いですが、まず現在の自分の子どもの状況をみて当てはまることや子どもの興味を引きそうなことから初めてみたらよさそうですね。