こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で子どもたちを日韓バイリンガルにしよいと努力の毎日を過ごしています。
私は日本語がネイティブなので、どうやって日本語を覚えたのか?と言われたら親や周りの日本語で話したり小学校で国語として勉強したり...と答えると思います。
現在、韓国に住んでいて自分の子どもたちに日本語を教えていますが、海外でのバイリンガル育児というものは例え親が日本人であっても自動的に日本語がしゃべれるようになるとは限らず、親子でかなり努力が必要だと痛感しています。
とはいえ、海外に住む子どもたちにとって日本語は親の言語だし、自分のルーツを知る方法の1つです。
今回は、あるインターネットのニュースでみた外国語学習の記事をきっかけに、海外に住む子どもたちに日本語を覚えて欲しいと思っている親にどう活用できるのかについて考えてみたいと思います。
海外に住む子どもに日本語を覚えて欲しい!効果的な方法は◯◯をさせること
ではまずインターネットでみたニュースについて、その内容からお話したいと思います。
★ニュースの内容
タイトル: 【研究結果】本当に何かを習得したいなら、学習ではなく〇〇が効果的(←※2020年7月2日現在リンク切れ)
日付 :2019年12月16日(月)
メディア:Yahoo! Japan ニュース
ざっくり要約:何かを学び長い期間覚えておこうと思ったらどんな方法がいいかを研究したアメリカの大学の研究が紹介されている。この研究では、学びたい内容を繰り返し読むのではなく何も見ないで思い出そうとする方が効果的だと考えられる。そして勉強している本人はその効果について気がついていない。そしてこの研究は外国語学習だけではなく、他の分野でも同じ事が言えるのではないか。
今まで覚えるということについて苦労してきた人や、できるだけ効率よく何かを覚えたい、そして忘れたくない!という人には、なかなか興味深いニュース記事ではないかと思います。
「効果的な方法は◯◯をさせること」とは?
この記事で紹介されている研究によると、「記憶」や「学習」ということに焦点を当てて研究した結果、
「学習することよりも思い出すこと」
というのがキーワードになります。つまり、何回読んだか、何回見たか、ではなくて何回テストのような形式で自分の記憶の中から呼び出す… というか思い出すという事をしたかよっていわゆる「長期記憶」への繋がり具合が変わるというのです。
つまり、今回のこのブログのタイトルの「効果的な方法は◯◯をさせるとは?」という言葉に当てはめてみると
★効果的な方法は「思い出す」ということをさせる。
という事になります。
「思い出す」というのは、自分の記憶というある意味大きなデータベースの中から欲しい情報を、まるでインターネットで検索するような作業のように感じます。そして
・ヒットした!(思い出せた)。
・ヒットしない!(思い出せない)。
ということになるのではないでしょうか。自分の頭の中が人生で経験した内容が保存されているデータベースだと考えるとある意味面白いですね。
ではこの次に、海外に住むバイリンガルの子どもには関係があることなのか、少し考えてみたいと思います。
海外に住む子どもが日本語を覚える事との関係
このニュース記事では例えとして次のように書かれています。
例えば、ビジネスや法律などの専門知識を習得する際には、書籍を何回も繰り返し読むのではなく、書籍を見ずにその内容を思い出そうとする方が効果的であると考えられます。
Yahoo! Japan ニュース「【研究結果】本当に何かを習得したいなら、学習ではなく〇〇が効果的 」より
(↑※2020年7月2日現在リンク切れ)
そしてこの「ビジネス」や「法律」は、外国語学習には関係のないことです。 しかし、見方によると言語だけではなく他の分野、つまりバイリンガル育児にも使うこともできるのではないかと思いました。
そして、ふと自分自身を振り返って見ました。ここでTwitterでつぶやいている過去の私のツイートを引用してみたいと思います。
、
道を歩いてたらの臭いが。子「소って何だっけ?」
その単語忘れる?とビックリ
私「何だっけ?」
子「ヒント!」
私「平仮名2つ」
子「... 最初の平仮名は?」私「う」
子「牛!」下の子も段々韓国語が強くなってきた
知ってる言葉はすぐ答え教えず
ヒントで正解を引き出す。
— バイリンガル育児@まめリンガル (@mame_chang) November 8, 2019
これは下の子(幼稚園児)と私の会話です。私は子どもが日本語を思い出せない時は、いつも次のような段階を踏んできました。
1.すぐに正解を教えない。
↓
2.自分で考えてみさせる。
↓
3.自分で思い出す事ができなければヒントを与える。
↓
4.ヒントを与えても正解が出でこないなら答えを教える。
私がどうしてこんなやり方を取るのかというと、それは私は語学教師であり、今まで色んな学生たちを教えてきた経験から学生たちはわからない時にすぐに答えを教えると、
と思うようなのですが、それですぐ頭の中に長く留まるかというと全員がそうとは限りません。
特に、
2.自分で考えてみさせる。
のような「思い出す」「考える」というプロセスはとても大切だと感じました。
そのため、自分の子ども(学習者ではありませんが)にも同じような方法を取ってみたということです。その結果、うちの子どもたちは、次のようなことが習慣になってきています。
1.ママはすぐに答えを教えてくれない。
2.とりあえず自分で考えてみてわからなければママに「ヒント!」と言えばヒントをくれる(ヒントにもバラエティがある)。
3.ヒントを聞いて分からなかったら最終的に答えを教えてもらえる。
ヒントもいつも同じパターンではなく、少しバラエティをもたせてみたり時にはクイズっぽくしているからか子どもたちも一生懸命考えて当てようとします(正確には「思い出そうとする」ですが...)。
特に、子どもたち2人ともわからない事や家族みんなで食事をしている時にわからない言葉ができてきた時は次のような状態になります。
・上の子(小学校高学年)はパパ(韓国人)に対抗しようとする。
・下の子(幼稚園児)は上の子に対抗しようとする。
さすがにパパは大人なので対抗しようとしません(私のバイリンガル育児の方針を知ってるからだと思います)。研究結果というものはだいたいの場合、批判や賛否が分かれたりするものですが、今回のニュースの記事を読んでみて私がやってきた方法は悪くはなかったかも...と感じました。
では、次に、海外在住で
「子どもには日本語を覚えて欲しい!」
と思っている親にできることは何か…?について考えてみたいと思います。
「子どもに日本語を..」と思う親にできること
海外に住んでいる日本人の親が子どもに日本語を覚えて欲しいと思ったら、まず考えつくのが次のようなことだと思います。
・補習校に通わせる。
・日本の教材で勉強させる。
・日本語とは子どもで会話をする。
もちろんこれらも大切なのですが、今回の話の焦点である
「忘れないようにする」
「長い間、記憶にとどめておく」
「効率よく覚えたい」
ということを考えると、先ほどの3つにさらにプラスする(または意識してこの3つを実践する)必要があります。それが最初にご紹介したニュース記事にあった
「思い出す」
という事であり、それに親が関わるとしたらちょっとクイズっぽくすると子どもは乗ってくると思います。わからない時にすぐに答えを与えず、子どもにも1度自分で考えてもらって、それでもダメならヒント。ヒントでもダメなら正答を教える。
このような段階を踏むのがいいのではないかと思います。
まとめ
今回は、インターネットで読んだニュース記事をきっかけに「記憶」に焦点をあててこのブログを書いてみました。この「思い出す」という作業は、バイリンガル育児では親子でやるといいのですが、他にも自分1人で勉強したいことなどがあればどんどん1人で本などを見ないで「読んだ事を思い出す」という作業を頭の中でやってみたらいいと思います。
最後に海外でバイリンガル育児をしている親にできる事をまとめると、次のようになります。
ポイント
1.すぐに正解を教えない。
2.自分で考えてみさせる。
3.自分で思い出す事ができなければヒントを与える。
4.ヒントを与えても正解が出でこないなら答えを教える。
具体的に
という方は、過去に書いたブログを読んでいただけたらと思います。
このやり方で、全ての子どもにうまく行くかどうかはやってみないとわかりません。実践してみて自分の子どもに合うやり方に少しずつ調整していけたら一番いいのではないかと思います。