こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルに育てるべく、試行錯誤と努力の毎日を過ごしています。
私は実は独身の時は子どもが苦手でした。なぜなら、周りに小さい子どもが全然いなかったので子供の相手をしないといけない時などは、どう接したらいいのかわかりませんでした。そのため、もし子どもと2人っきりにでもなってしまったら、会話が続かずなんとなく頭をなでなでして苦笑い…というパターンがありました。
しかし、自分に子どもができてからは子供に興味が突然湧いてきて、接するのも独身のころよりは上手になり子どもに関するニュースや情報などには敏感になったような気がします。
そんな私ですが、今回は街でたまたま見かけたステッカーをきっかけに韓国の「子供給食カード(아동급식 카드)」について少し調べることになりました。このカードはどんなカードなのでしょうか。そしてどんな子どもが持つことができるのかなどについて書いてみたいと思います。
韓国の子供給食カードって何?支給対象や申請方法など
いつものように街で買い物をしていたら、少々見慣れないステッカーを貼った店を見つけました。その店は一般的な食堂で特に高いわけでも安いわけでもないお店です。そのカードには子どものイラストと共に 아동급식 카드(直訳:児童給食カード)と書いてありました。
韓国語としては、「児童」も「給食」も「カード」も特に難しい単語ではありません。しかし子どもがいる私ですが、今まで聞いたことがありません。子どもがいる立場としては、
という疑問が湧きました。そこでそのお店の人に聞いてみたら、あいにく店長が不在でアルバイトらしき人がこう答えてくれました。
これを聞いて私は
と思いました。そして数日後区役所に行って聞いてみました。すると
と言われてしまいました。住民センターとは以前は「洞事務所」と呼ばれていて「区」よりもさらに小さい地域を管轄します。日本なら「〇〇1町目」とかの事務所といったところです。
さてその住民センターに行って聞いてみたらパンフレットなどはないけど…と言いながら簡単に説明してくれました。
どんな子どもがカードの支給対象になるの?
まず言われたことは、次のようなことでした。
・母子家庭や父子家庭など、親が1人しかいない家庭の子どもが対象。
・子どもは基本的に小学校などで給食が食べられるが夏休みや冬休みの間、共働きなどの子どもで親が働きに出ていてご飯が食べられない場合。
そして、このカードを申請するには「基礎生活受給者(기초생활수급자)」である必要があるとのことでした。つまりというか、いわゆる低所得層の方々の子どもたちのためのカードだということです。
ここまで話を聞くと
と思ったのですが、
という疑問も湧いてきました。そこで今度はインターネットを使ってもうちょっと調べてみることにしました。
このカードで問題になってることが?!
インターネットで調べてみると韓国政府のサイトである、政府24(정부24)に簡潔に載っていました。それをポイントだけ抜粋すると次のようになります。
・学期中はの朝食、夕食および夏/冬休み中の朝食~夕食:1食5000ウォン
・学期中の土曜日および休日の昼食:1食5000ウォン
・支給されたカードは加盟店やコンビニで使えます。
・団体給食所―小学生以下の子どものうち夕食対象者に週2回食事提供。
・弁当―小・中学生以下の子どものうち夕食対象者に週2回弁当を提供。
・支給対象者は、18歳未満の子ども。親が一人だったり病気やケガ、共稼ぎであっても一定の基準に所得が満たない場合。基礎生活受給者が対象。
・オンライン申請不可。申請は보육지원과 へ。
つまり、先ほどのように所得が一定の基準に達してない親の子どもたちということですね。また、このカードには、問題がないわけでもないそうです。インターネットで見つけた例をいくつか挙げると次のようになります。
・カードの不正使用
・加盟店の少なさ
・1回で食べられる食事の料金の低さ
ではこれを1つずつ具体的に見ていきます。
★.カードの不正使用
このカードは子どもがきちんとご飯を食べられるようにということで始まっていますが、親が生活が苦しくて子どものカードを使ってカードが使えるお店で食材を買わせたりすることもあるそうです。
★.加盟店の少なさ
最初、これを見た時はなぜ賛同する加盟店が少ないのかと驚きました。しかし、そうではなくこの給食カードにはICカードが付いていて、一般のお店で使うカード端末機とは少々異なるそうです。そのため、賛同するけれども給食カードに合った端末機をわざわざ導入するのは…と考える事業主も多いようです。
しかし、コンビニはもとからICカード対応の端末機があるものだそうです。そのため加盟店にはコンビニが多いのだそうです。
★.1回で食べられる食事の料金の低さ
小学生や中学生といえば食べ盛りです。その食べ盛りの子どもに1回5000ウォンの食事だと、物価が上がっている最近では少々物足りないと思う子どもも多いようです。そのため気軽にそして簡単に食べられる食べ物が多いコンビニに行く子どもも多いのだそうです。
では、このような問題もある「子ども給食カード(아동급식 카드)」ですが、支給対象として認定されるのは、ラッキーなことなのでしょうか。
支給対象者になるのはラッキーなこと?
支給対象として認定されると、子どもは「子供給食カード(아동급식 카드)」を使って食事ができるので、親は助かると思います。しかし、内容をよくよく見てみると問題も多いように思います。
例えば次のような事態が起こらないのか、ふと心配になります。
・コンビニばかりの食事で栄養のバランスは大丈夫?
・「子供給食カード(아동급식 카드)」が低所得層の家庭の子どもが使うものだと友達が知ったら周りにいじめられることはないのだろうか。
やっぱり気になるのは、子ども自身のことです。コンビニと言っても、何でも買えるわけではなくお酒やタバコ、コーヒーなどの本来の目的を妨げるようなものは買えない仕組みになっているそうです。
とはいえ、コンビニのおにぎりやラーメンなどは手軽で便利な食べ物でラーメンが好きな韓国人も多いと思います。食堂の加盟店よりは安価だとは言え、カロリーばかりが高くて栄養面で疑問のコンビニ食を毎日食べ続けると思うと、子どもの栄養のバランスは大丈夫なのだろうかと心配になります。
そして、小学校や中学生の時期はイジメなども起こりやすい時期でもあると思います。どんなことがきっかけになるか、わからないのがイジメ。イジメの原因にならなければいいのにと思います。
まとめ
今回は街で買い物をしていた時に見かけた「子供給食カード(아동급식 카드)」というステッカーをきっかけに、それが何であるかやどんな人たちが対象者なのかを住民センターで聞いたりインターネットで調べた範囲で書いてみました。
どんな子どもでも食事をする権利はあるし、それを行政がサポートするのは非常にいいことだと思います。しかし、それを悪用したり、端末機のせいで導入しなかったり、加盟店だけれども子どもの栄養のバランスに疑問を持つようなものを子供たちが食べたりなどの問題があることは、とても残念なことだと思います。
やはりこのような不正使用や栄養のバランスなどの問題を解決するには、お金を渡して解決するのではなく「物」を渡して解決するのがいいと思います。つまり、今回の場合だとこのようなカードを発給するのではなく、政府の「政府24」というサイトで触れられているように給食所や弁当配布という形がいいと思います。
もちろん、その方が経費がかかるのかもしれませんが、将来、自分の国を担う子どもたちのためだと考えると改善の余地はあればいいのにと思います。このような問題も解決しつつ少子化対策にもなればいいですね。
・普段は海外でのバイリンガル育児についてブログを書いています。メルマガも配信中です^^↓