こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で二人の子どもたちを日韓バイリンガルに育て始めて早くも約10年が過ぎました。
私は日本で日本語だけで育てられましたが、その私がひょんなことから韓国に興味を持ち韓国語を勉強するようになり、出会った韓国人と結婚して韓国に住むことになり現在にいたります。
私の方針で子どもたちは日本語と韓国語がわかるようになりましたが、
から
となってきています。多少の危機感を覚えつつも強制することもできず、なかなか難しいところです。
ところで、今回のブログのタイトルは
「親から受け継いだ母語は3代で消える?その理由と対策は?」
です。海外育児だと子どもに日本語などの母語を受け継いでもらおうと頑張るのですが、なんとそれは3代で消えるというのです。
今回はこの
「親から受け継いだ母語は3代で消える」
というのはどんな意味かと、それに対する対策は何かあるのかを調べたことや考えたことから書いてみたいと思います。
親から受け継いだ母語は3代で消える?その理由と親にできる事5つ
では早速ですが、
「親から受け継いだ母語は3代で消える」
とは、どんな意味なのでしょうか。これは移民の言語やバイリンガル教育などについて研究している人達の間では知られていることです。つまり移民として他の国に住むことになったとします。そして移民先で自分の子どもに受け継いでほしいとします。しかし、3代目になるころには移民してきた人の言語はなくなってしまうという事です。
もっと具体的に言うと、私は日本で生まれ育った日本語が母語の日本人です。結婚して韓国に住んでいるので私の事を「韓国に移民した」と考えます。そして、3代目なので私の孫の代になると私の孫は日本語なんてわからなくなってしまう、という意味です。
一般的にはそうかもしれませんが、もうちょっと細かく見てみるとどうなのでしょうか。
3代で消えるのは本当?
一般的には親から受け継がれる言語は3代で消えるとしても、多分いろいろなパターンがあると思います。それは、日本からの地理的な距離だったり、国際結婚や日本人夫婦が駐在や海外移住などで住むことにになった土地がどんな土地であるかや日本とその国との関係、そして親や周りが子どもの日本語教育に関してどのような方針を持っているかなど、きっと挙げたらさらにもっとたくさんあると思います。
そのため、もし、外国に移民や移住したとしても子ども(2代目)が、偶然日本人と結婚したり親のルーツを探すために日本に留学したことがきっかけで日本に住むことになったら…?
実際にアメリカに渡ってアメリカ人女性と結婚した日本人男性がいて、その息子さん(←私の知り合い)が親のルーツを探しに日本に英語を教えに来ていた人がいました。そして日本人女性と結婚してアメリカに住んでいます。そして3代目にあたる彼らのお子さん達は現地校に通いながら補習校にも通っているので日本語は消滅していません。
...かと思えば、韓国にお嫁に来た知り合い(1代目)でお子さんがいる人は何人もいますが、そのお子さん達(2代目)は、日本語がわかる場合もあればわからない場合もあります。日本語がわからない場合はその下の世代(3代目)に日本語を伝えていくこともできません。2代目が日本語がわからない場合は3代目どころか2代目で日本語が消えてしまっているということになります。
このように考えてみると本当に色んなケースがありますが、移民や移住でその土地に住み続け日本や日本人との交流が少なければ一般的には3代目で消滅するという意味なのだと思います。
3代で消えないようにするにはどうしたらいい?
日本語を子ども達に受け継いでほしいと思っている人にとっては、3代で消えるというのは少々衝撃的であり自分の孫にはちゃんと日本語がわかるようになってほしいと思うのではないでしょうか。それでは、まず
から考えてみたいと思います。原因として考えられるのは、次のようなことだと思います。
1.日本や日本語、日本文化に囲まれた生活をしていない。
2.1代目が意識して2代目に日本語や日本文化を教えていない。
3.1代目が意識して2代目に日本語や日本文化を教えているが現地語と混ぜ混ぜになっていたり、子どもの日本語が日本人に通じない時は親が通訳に入るなどバイリンガル育児の方法として最善の方法ではない場合。
4.子ども(2代目)が必要性や興味を感じていないので日本語の習得に積極的ではない。
5.子ども(2代目)は日本語や日本文化を受け継ぐことができてもその子ども(3代目)に受け継いでもらう重要性や必要性を感じていない(またはそのような環境ではない)場合。
このように見ていくと、原因は親(1代目)にあることもあれば子ども(2代目)にあることもあるように思います。そして、子ども(2代目)に受け継いでもらうことができなければ、結果的に孫(3代目)には受け継いでもらえないし受け継ぐこともできないのだと思います。
それでは、3代目で消えないために親ができることとは何でしょうか。
3代で消えないために親ができること5つ
一般的に言われているように、3代目で日本語が消えてしまわないようにするために親ができる事とはなんでしょうか。それは次の5つではないかと思います。
1.親(1代目)が継承語の重要性と意味をしっかりと理解すること。
2.子ども(2代目)には日本語と共に日本文化も受け継いでもらうこと。
3.子ども(2代目)には強制はせず興味が持てるような方向にもっていくこと。
4.できるだけ周りも巻き込んでいき日本語や日本文化に囲まれた生活を子ども(2代目)ができるようにすること。
5.受け継いだ日本語や日本文化を次の世代(3代目)に伝えていく大切さを子ども(2代目)に認識してもらうこと。
まずは1代目、そして2代目… ですが、重要なのはまず親(1代目)が理解することです。そうでないと、2代目で日本語が消えてしまったり、2代目で消えなくても3代目にまでうまく伝わらない事があるからです。
かと言って子ども(2代目)に強制するのはきっと逆効果で、うまく行かなかったり反発を招いたりしてしまいます。そうならないためには、子どもの興味の対象と日本語を上手にからめることができたらいいのではないかと思います。
まとめ
今回は、移民や移住者などの言語は「3代で消える」という話をもとに、どうしてそうなるのかや、親としてできることは何かについて考えてみました。今回のポイントは次のとおりです。
ポイント
★.3代目で消える原因として考えられること
1.日本や日本語、日本文化に囲まれた生活をしていない。
2.1代目が意識して2代目に日本語や日本文化を教えていない。
3.1代目が意識して2代目に日本語や日本文化を教えているが現地語と混ぜ混ぜになっていたり子どもの日本語が日本人に通じない時は親が通訳に入るなどバイリンガル育児の方法として最善の方法ではない場合。
4.子ども(2代目)が必要性や興味を感じていないので日本語の習得に積極的ではない。
5.子ども(2代目)は日本語や日本文化を受け継ぐことができてもその子ども(3代目)に受け継いでもらう重要性や必要性を感じていない(またはそのような環境ではない)場合。
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★.3代で消えないために親ができること5つ
1.親(1代目)が継承語の重要性と意味をしっかりと理解すること。
2.子ども(2代目)には日本語と共に日本文化も受け継いでもらうこと。
3.子ども(2代目)には強制はせず興味が持てるような方向にもっていくこと。
4.できるだけ周りも巻き込んでいき日本語や日本文化に囲まれた生活を子ども(2代目)ができるようにすること。
5.受け継いだ日本語や日本文化を次の世代(3代目)に伝えていく大切さを子ども(2代目)に認識してもらうこと。
まずは子ども(2代目)にきちんと受け継いでもらうこと…。すべてはここからですね。日々の努力は今日も続きます。