こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で子どもたちを日韓バイリンガルに育て始めて、約10年以上が経ちました。
海外に住んでいても歳を取ったら日本に帰りたいと思う人がいれば、ロングステイなどで逆に海外に移住する人もいます。私の場合、現在は結婚をして韓国に住んでいます。老後はどうするのかは、まだちゃんと決まっていないのですが、子どもたちが大きくなるにつれて夫婦の会話にそんな話が全く出ないわけではありません。
また、海外に住んでいる日本人に万が一何かあった場合(死亡した時)は、どうなるのだろうという疑問から、以前具体的に調べてみたこともあります。
・海外で日本人が死亡したらどうなるの? ↓↓
今回は、Twitterでフォロワーの方と話をしたことがきっかけで
1.海外に住んでいる日本人が日本の年金をもらう時ってどうやってもらうの?
2.海外の銀行口座にも送ってもらえるの?
という2つについて知りたくなったので調べて、このブログに書いてみることにしました。将来、どうなるかわからない部分もありますが、今回の話はこのブログを書いている2020年2月時点の話だと思ってお読みいただければと思います。(※2022年2月12日に情報を確認し更新しました。)
海外在住で年金受給。申請とチェックポイント7つ(海外の銀行口座でも受給可)
「年金」と言っても実はたくさん種類があるように思います。ちょっと思いついたものだけ羅列してみます。
・国民年金
・老齢年金
・障害年金
・厚生年金
・共済年金
・個人年金
思いついた順に何も考えず書いてみましたがその後、試しにWikipediaで見てみると次のように書いてありました。
日本年金機構「公的年金の種類と加入する制度」より
これを見るとさっき私が思いついたまま羅列したのは、本当にただの羅列だったことがわかります。さて、海外在住の人はこの中では「国民年金」に当たると思います。もともと日本に住んでいた人で海外在住になった場合でも、任意加入ができます。また海外在住者で年金受給という場合は、だいたいの方が「老齢基礎年金」ではないかと思います。
そのため「老齢基礎年金」受給のための条件を簡単に書くと次のようになります。
・60歳までに国民年金の保険料を10年以上払っていること。
平成29年(2017年)からは、それまで国民年金を25年以上払わないといけないというルールでしたが、それが現在では10年に短縮されています。また、この「10年以上」というのは保険料を免除されていた期間(学生の時や出産などで保険料が払えない時など)も含まれます。そうすると、人によって払った金額に差がでるのですが、保険料を払った期間に応じた年金が支給されます。
この他にも、海外在住者は次の内容をチェックしておく必要があります。それは次のことです。
・日本と社会保障協定を締結している国で年金制度に加入していた期間
という方のために、以下引用です。
国際的な交流が活発化する中、企業から派遣されて海外で働くことや、将来を海外で生活される方が年々増加しています。海外で働く場合は、働いている国の社会保障制度に加入をする必要がありますが、日本から海外に派遣された企業駐在員等については、日本の社会保障制度との保険料と二重に負担しなければならない場合が生じています。また、日本や海外の年金を受け取るためには、一定の期間その国の年金に加入しなければならない場合があるため、その国で負担した年金保険料が年金受給につながらないことがあります。
社会保障協定は、以上を踏まえ、以下2点を目的として締結しています。
- 「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)
- 年金受給資格を確保するために、両国の年金制度への加入期間を通算することにより、年金受給のために必要とされる加入期間の要件を満たしやすくする(年金加入期間の通算)
年金機構「社会保障協定」より
つまり簡単に言うと、
海外で働く時はその国の年金に入らないとダメなんだけど、そうすると日本でも払ってるから二重に払わないといけなくなるよね…。それは大変だから海外で加入して払った年金保険料は歳取ってから年金もらう時に必要な期間(現在だと10年以上)に入れてしまおう!そうすれば負担が減るよね!
ということです。しかし、海外ならどの国でもOKというわけではなく協定がある国のみです。それらの国とは以下の表のとおりです。
年金機構「社会保障協定」より
(※2022年2月12日情報更新↑)
ちなみに私は日本の国民年金を払っていますが、年々高くなる国民年金の保険料…。なんとか安くならないかなぁと思って見つけた方法を、以前このブログに書きましたのでよろしかったら参考になさってください。
・年金を払うなら損はしたくない! ↓↓
年金受給のための申請方法
では、次に海外在住者のための年金受給のための申請方法です。国民年金の保険料を60歳までに10年以上払っていれば受給資格ができるわけですが、資格できたり支給開始対象年齢になったら自動的に年金がもらえるのではなく申請(請求)しなければなりません。
方法
ステップ1.日本年金機構のウェブサイトから申請書をダウンロードする。
↓
ステップ2.申請書記入して提出書類といっしょに年金事務所に提出。
これだけ見ると
と思えるのですが、しかし…海外に住所がある人の場合や海外の銀行口座に送金を希望する場合は、日本国内居住者とは異なります。では、このような場合はどうしたらいいのでしょうか?
海外の銀行口座にも送金してもらえます
海外に長く住んでいればいるほど、生活基盤はその国となり、銀行や必要書類などもその国のを利用することが多くなります。今回のブログを書くにあたり、Twitterのフォロワーの方と話したのは次のような内容でした。
う~ん、どうでしょうね。日本年金機構のサイトの申請書見る限り、銀行口座は日本国内のものって感じですが…。
というわけで今度は
について、調べてみました。先ほどの日本年金機構のウェブサイトによると、次のような書類が必要とのことです。
※請求者の住所が日本国外の場合は、上記の書類に代えて次の書類が必要となります。
- 世帯全員の住民票の写しに代えて在留国の日本領事館による証明(本人及び配偶者等の在留証明書)
- 所得証明書が必要な場合は、滞在国で税の申告を行っている方はその申告書のコピー、申告をしていない方は所得に関する申立書を添付してください。
- 「年金の支払を受ける者に関する事項」
年金を受け取る金融機関や口座番号、住所を届出するための書類です。口座証明、小切手帳の写し、通帳の写し等を添付してください。- 「租税条約に関する届出書」
年金にかかる二重課税を回避するために必要な書類です。租税条約締結国に居住している場合は届出書を2部提出してください。
日本年金機構「支給開始年齢になったとき」より
(※2022年2月12日情報更新↑)
これら2つのPDFを見てみると、1つ(年金の支払を受ける者に関する事項 )は上の引用にもありますが、海外の銀行口座に関する情報を書く書類です。そして、もう2つ(租税条約に関する届出書 )のは、税金に関する内容のようです。両方とも大切な書類ですね…。
そして海外送金というと次に気になるのは、
日本円で送金されるのかな?
または現地通貨かな?
ということです。例えば私が韓国の銀行に送って欲しいとしたら、韓国の通貨であるウォンでもらえるのか?または日本円なのか?ということです。
これについては、同じく日本年金機構のウェブサイトによると国ごとに決まっていて個人的に日本円がいいとか現地通貨がいいとかは決められないそうです(ちなみに韓国の場合はアメリカドルでした)。そのPDFのリンクはこちら。
海外在住者の老齢年金受給申請時のポイント
さてここまでで、Twitterのフォロワーの方との会話には答えが出ました。フォロワーの方との会話をもう一度書くと...
う~ん、どうでしょうね。日本年金機構のサイトの申請書見る限り、銀行口座は日本国内のものって感じですが…。
そして、ポイントは次の3つです。
・海外送金も可能。
・海外に住所がある場合は日本に住んでいる人とは書類が違う。
・受け取る年金の通貨は国ごとに違うので要チェック。
ということがわかりました。「海外送金も可能」なので、逆に言うと海外在住でも本人名義の銀行口座が日本にあれば日本国内の銀行口座を指定することもできます。
そして書類が日本に住所がある人とは違うので気を付けたいですね。また、通貨は国によって違いますがアメリカドルが多いようです。為替相場の影響を受けることもあるので滞在国の通貨がアメリカドルに対して安かったら、つらいですね…(日本から滞在国へ送金の際の手数料は日本が負担してくれるそうです)。しかし、
という人もいるかと思います。そして年金受給の申請は自分でするのが一番いいとは思うのですが、いろいろな理由でうまくできないこともあると思います。そんな時は、代行してくれる会社にお願いすることもできます(有料)。
海外から老齢年金申請代行
というワードで検索すると数社ヒットするので、手数料ややり取りの方法、実績などで会社を選んでもよさそうですね。
まとめ
今回はTwitterのフォロワーの方との会話をきっかけに海外在住の人が日本の国民年金の受給は海外の銀行口座でもできるのかということを調べてみました。今回のポイントやチェックすべき点は次の7つです。
ポイント
1.60歳までに10年以上国民年金保険料を払っていること(免除期間を含む)が条件。
2.海外在住者は滞在国と日本が社会保障協定を締結してるか要チェック。
3.国民年金(老齢年金)は支給開始年齢になっても申請しないと自動ではもらえない。
4.本人名義の銀行口座があれば日本国内の銀行口座でも受給可能。
5.海外の銀行口座に送金してほしい場合は日本に住んでいる人とは違う書類が必要。
6.海外送金の場合は国ごとに通貨が違う。為替相場の影響を受けることもある。
7.海外在住者の国民年金(老齢年金)申請を代行してくれる企業が数社ある(有料)。
今回の話は、このブログを書いている2020年2月時点の話です。(※2022年2月12日情報更新)年金の受給開始までまだまだ年数があるという人も、知識として知っておくといいですね。そして今後変更があるかもしれないので定期的にチェックするのもよさそうです。
普段は海外で子どもに日本語を伝えていくバイリンガル育児の記事を書いています。メルマガも配信中ですので、ご興味のある方は↓どうぞ^^!