こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子ども達を日韓バイリンガルにすべく、努力の毎日を過ごしています。
「バイリンガル」という言葉は、一般的によく知られていると思いますが「多文化」や「複文化/複言語」はどうでしょうか。
「複文化」については、以前このブログに書きましたので↓↓参考記事をご覧ください。
・複文化について ↓↓
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バイリンガルの子は◯文化で育つ?!
こんにちは。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようとしているまめちゃん(@mame_chang)です。 外国語を勉強すると言葉ばかりに目が向きがちですが、実は言葉は文化を表して ...
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さて、言葉通りに見ると「多文化」や「多言語」とは「たくさんの文化」そして「たくさんの言語」です。そのような環境で育つ子どもにはいくつかのタイプがあります。それは例えば次のようなものです。
1.住んでいる国や地域でいくつかの言語が使われている環境にいる。
2.住んでいる国や地域で使われる言語は1つだが、両親や親戚が国際結婚などで複数の言語が飛び交う環境にいる。
3.住んでいる国や地域で使われる言語は1つだが、親の方針で外国語を教えられている。
4.住んでいる国や地域で使われる言語は1つだが、外国人の定住者などが周りにいるので外国語に触れる機会がある。
1.は例えばインドやスイス、カナダなどでしょうか....。2.は日本在住の日米夫婦、韓国在住の日韓夫婦など色々です。そして、3.は日本在住で日本人夫婦が子どもに英語を教えることなどです。4.は日本のブラジル人が多い地域などではないかと思います。
このような環境で育つ子どもたちが、母語を保っていくことや日本語を覚えることなどはどうなっているのでしょうか。
今回は日本や外国に住む子どもたちで、たくさんの言語に囲まれた環境で育つ子どもの言語を育成することを目指して情報を提供しているWebサイト「ハーモニカ」のご紹介をしたいと思います。
多文化多言語環境で育つ子どもの言語育成のための情報共有サイト「ハーモニカ」
まずは、この「ハーモニカ」というWebサイトは、どのような方々がどんな目的で作ったのかをおおまかに見てみます。
このWebサイトは、国際基督教大学の鈴木庸子先生という方が、複数の言語に囲まれた環境にいる子どもたちの言語を育てることをサポートするポータルサイトを開発する研究をしていて、そこから様々なワークショップなどで得た情報を中心にして作られたそうです。
作られた目的としては、子どもや生徒、保護者、教師、支援者、研究者、行政関係者などに役に立つ情報を集めて提供する、ということのようです。
そして、
と思ったら、次のように書いてありました。
「ハーモニカ」の名称は、文部科学省の「CLARINET」「かすたねっと」に続く多言語環境に育つ子どものためのウェブサイト、という意味で楽器の名前からえらびました。多言語のハーモニーが子どもたちを楽しませてくれるように、という願いをこめました。
ハーモニカ「About Us」より
文部省の「かすたねっと」については、↓↓こちらに書きました。
・「かすたねっと」について ↓↓
複数の言語に囲まれた子どもたちや、その周りの大人達に役立つ情報を集めたサイト、というわけですね。それでは、もうちょっと詳しくどんな情報があるのかを見てみましょう。
「ハーモニカ」にある情報
「ハーモニカ」のサイトを見ていると、役立つ情報は次のように分けられています。
・子どもと学生
・保護者
・研究者
・先生
・ボランティア
・ステークホルダー
例えば、
と思ったら「子どもと生徒」の「リンク」をクリックしたらリンクの一覧が出てきます。
この中で最後の「ステークホルダー」がよくわからなかったのでちょっと調べてみたら、次のような意味でした。
ステークホルダー(英: stakeholder)とは、企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者を指す。
Wikipedia「ステークホルダー」より
つまり、直接または間接的に何か利害関係がある団体… という意味のようです。
ちょっと「子どもと学生」のページを見てみると、日本語フラッシュカードがダウンロードできるページや、ニュースをわかりやすく発音し漢字に振り仮名をつけたサイト、算数のプリントがダウンロードできる英語のサイトなど、たくさんあります(※サイトはすべて「ハーモニカ」内ではなく外部サイトです)。
海外で子どもを育てる人にはどう役立つ?
このサイトを見ていると、日本に住む外国人の子どもたちが中心のようにも見えます。それでは、海外で日本語で育児をしている人にとってはどうなのでしょうか。
海外で子どもを現地の言語と日本語のバイリンガルにしようとしている人が必要とする教材は、次のようなものです。
①国語教材。
②日本語の教材。
③現地の言語で日本語を説明したり練習したりする教材。
これは、年齢が低く子どもの言語がまだ確立していなければ、①国語教材 で国語として教えられます。例えば幼稚園の年中、年長組、小学校低学年なら、日本在住の日本の子ども向けの教材でも問題なさそうに思います。このような教材の一覧は、↓↓参考記事をご覧ください。
もちろん、先ほど紹介した「子どもと学生」のところにある日本語フラッシュカードなどは、どこに住んでいる子どもにも使えそうですし、日本語を学習する外国人にも使えそうです。
しかし海外在住の子どもと考えた時に、このサイトが役立つのは「子どもと学生」のところにある、「外国につながる子どもたちのための教材」や「キッズウェブジャパン」などではないかと思います。
例えば、「外国語につながる子どもたちのための教材」を見るとベトナム出身児童のための教材として漢字の読み方があります。ベトナム語訳があるのでベトナム在住でベトナム語と日本語のバイリンガル児でベトナム語は大丈夫だけど日本語はちょっと弱い…。という子どもには使えそうです。
「キッズウェブジャパン」は、子どもが日本について学べるサイトです。動画もあり、動画は指定した言語で見ることができるので、日本語の学習もですが日本について「知識を得る」という考え方にすると、子どもが一番わかる言語で動画をみるのもいいと思います。
このように考えてみると、このサイトは色々な使い方ができる可能性があるのではないかと思います。
「ハーモニカ」には相談室もある
また、子育ては日本にいても海外にいても喜怒哀楽が伴うものだと思います。子どもはかわいいけど育てるのが大変!と笑って言えるうちはいいのですが、本当に精神的に疲れてしまった場合や自分のバイリンガル育児がこれでいいのか...?、疑問を持ったり悩んだりしたらこのサイトを通じて相談することもできます。
サイトのトップページの「BM子ども相談室」をクリックすると、バイリンガル・マルチリンガル環境で育つ子どもの言葉について、相談ができます。サイトに申込フォームがあるので、そこから申込めばいいようです。
また、相談員の方々のリストもありますので、
と思ったら、一度ページをじっくり読んでみるといいかも知れません。
相談員の方々のリストを見ていると、さまざまな分野の専門家の先生方が集まっているようですので、バイリンガル・マルチリンガル育児の悩みを多方面から見てコメントがもらえそうですね。
また、バイリンガル育児だけでなく海外生活自体が辛いと感じる時は、別の相談先があります↓↓。
・子育てに色々と疲れた時に読む記事 ↓↓
まとめ
今回は、多文化・多言語環境で育つ子どもの言語の育成す支援を目指して情報を提供している「ハーモニカ」というサイトをご紹介しました。サイトの内容、そして海外でバイリンガル育児をしている人にはどんな部分がどんな風に役に立つのかも考えてみました。
サイトは、「子どもと学生」「保護者」「研究者」など6つの立場の人達に役立つ情報が載ったサイトが載せられています。そのどれも、質が高いものばかりだと思いました。
そしてこのサイトには「BM子ども相談室」というのがあり、バイリンガル・マルチリンガル環境で育つ子どもの言葉について専門家に相談ができます。
日本国内や海外でバイリンガル・マルチリンガル育児をしている人たちや、そのような人たちに関わっている人たちは、このサイトをじっくり見てみて自分が関わっていることや置かれている環境に照らし合わせて、「どのように使えるか」を考えて必要な情報を得たらよさそうだと思いました。