こんにちは!韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと努力の毎日を過ごしている、まめちゃん(@mame_chang)です。子どもって幼稚園児の頃から文字に興味を持ち始めて、親がメモなどをしているのを横で見ながら真似をして書きます。
最初はただの点だったり、殴り書きだったりしますが、運筆の時期を経てだんだんと文字が書けるようになっていきます。
そして文字が書けるようになってきたら文を書き、文が書けるようになってきたら文章がかけるようになっていきます。
・子どもが文字に興味を持つまでに... ↓↓
このように運筆は、文や文章を書くための第一歩なのですが、最初の運筆をする国もあればしない国もあります。そして字がキレイなことがかなり肯定的に受け止められる国や文化もあれば、それほど重要だと思われていない国や文化もあります。
今回はこの「キレイな字」について、海外育児をしている親という立場から次のつについて考えてみたいと思います。
・字はキレイかどうかはどのぐらい重要なの?
・日本ではどう指導されている?
・子どもが書く字について親ができること。
では、早速1つずつ見ていきましょう。
子どもの字が汚い!字がきれいなことはどのぐらい重要?
私が子どもが書く「字」に興味を持ったのは子育てを始めてからです。
先日はこんなツイートをしました。
、
子どもが書く字って子どもらしくてかわいい。でも、「子どもらしい字」は子どもが成長すると
「子どもっぽい字」となってしまう。
この辺をどうするか......
✅日本人学校?
✅補習校?
✅自助グループ?
✅その他?解決する方法はいくつかあるように思う。
— バイリンガル育児@まめリンガル (@mame_chang) November 5, 2020
また、こんなツイートもしました。
、
先日上の子(小学校高学年)が風邪で声がれだったので筆談を勧めてみた
「ママとは日本語」
を頑張ってるので筆談も日本語の文章
もう高学年だけど書く練習をしないと
書く練習をしていた時で筆跡も止まるんだなと実感
筆跡は低学年の時のまま💧
— バイリンガル育児@まめリンガル (@mame_chang) October 19, 2019
子どもの字については以前から興味を持っていたので、このように何度かツイートをしていたというわけです。子どもらしい字というのは、見ててなんだか微笑ましいですし、文字を一生懸命書いている姿はかわいらしくもあります。
でも、海外バイリンガル育児と考えた時、子どもの成長や将来の道、子どもの選択肢など...。色々考えてみると単に、微笑ましいや、かわいらしいだけではいけないな、と感じることがありました。
ではまずは、子どもの将来という点から考えてみたいと思います。
子どもは将来どんな道に進む?
子どもはいつまでも子どもではなく、児童から生徒となり、生徒が学生、そして社会人となっていきます。
そして海外で育つ子どもが(といっても実際には色んなパターンがありますが)、社会にでた時、書く字がどのぐらい重要なのか少し考えてみたいと思います。
海外で育つ子ども、その中でもバイリンガルやトリリンガル、マルチリンガルは、活躍できる国や地域が広いと考えるとします。そうすると、その国や地域では字がキレイであることはどのように思われるのか、あらかじめ知っておくと参考になると思います。
では、私が個人的に周りに聞いてみた中では、どう思われているか箇条書きにしてみます(ただし、聞いたのはその国や地域に住んでいる日本人ほんの数人です。国や地域に偏りがあることも考え、一般化はせず参考程度にお読みください)。
・カナダ:最近は手書きの文字を見る機会がほぼないし、それを評価する機会もない。でも字がキレイに越したことはないと思う。
・スペイン:字がキレイではないといけないといった文化はない。 どう書いても自由だし、キレイだから褒められることはなく、汚いからけなされることもない。
・シンガポール:判読できないような字をよく見た。字がキレイかどうかは大切ではなさそう。
・イギリス:そこまで重視されてないような気がするけど学校とか階級によるかも。
・香港:字はだいたい汚いことが多い。
・韓国:硬筆は小学校の時に少し習った程度。字がキレイなのはそれほど重要ではない。
.
そして台湾、タイ在住の方からは2つのご意見をいただきました。
・台湾:①親の世代はキレイな字の人が多いが、子どもの世代ではそうでもない。親の世代よりも重要視されてない気がする。
② 台湾では字がキレイなことが重要。字がキレイだとイメージが変わると思う。
・タイ:①タイの人は字がきれいですよ。書写のようなこともするみたい。日本語を書く時も丁寧に書く。
②タイで現地校に通ってる子どもによると、きれいに書くのがいいとされているそうです。
う〜ん、字が汚いのはよくあることですね。そして字がキレイであることは、全体的に見て、それほど重要ではなさそうです。この中では、台湾とタイだけが日本に近い…ですね。…ということは単純に考えると、
という結論になるのでしょうか….。この辺をもう少し考えてみたいと思います。
字がきれいなのは日本人ならでは?
少々偏った国と地域の方々からの意見ですが、そこから考えると結局のところ字がキレイなのがよしとされるのは、日本と台湾、タイだけ…?ということになるようです。
また、「テクノロジー」や「IT」「自動化」「AI」などが、毎日のように進化していく中で、そして世界の中でも字がキレイなのをよしとするのは日本ぐらい…となると、子どもの字がキレイかどうかよりも、そのようなテクノロジーを子どもに学ばせる方を優先したくなる親もいると思います。
こんな風に考えていくと、
という方向に傾きそうです。でも、ちょっと立ち止まって考えてみると、海外で子どもを現地の言語と日本語のバイリンガルに育てようとしたら、絶対に外せないものが1つあります。それは、
・バイリンガルであると同時にバイカルカルチャルでもあること。
です。バイカルチャルとは、簡単に言えば「2つの文化」ということです。バイカルチャルについては、以前このブログに詳しく書きましたので、過去記事をご覧ください。
・2つの文化について ↓↓
つまり、平たく言えば現地の文化と共に日本文化も身につけることです。今回の話である、
・字がきれいであることは重要なこと?
については、このように考えることができます。
もう親の想像(妄想?)は、膨らむばかりですね。でも子どもの将来って、親の予想を外れることも多いと聞くので、何がどうなるかわかりません。
そうするとやはり、限られた国と地域の方々の一部が言ってたように
・字はキレイなことに越したことはない。
という考えに落ち着くのかも知れません。
日本ではきれいな字を書くよう指導されている
ではここで日本のことをすこし考えてみます。私自身は日本で生まれ育ち、小学生のころは硬筆と毛筆を習ったことがあります。でも、現在の私はお世辞にも字がきれいだとは言えません。
私が小学生だったころとは時代が変わりましたが、それでも一時帰国して子どもを日本の小学校に体験入学させた時は、「書写」という授業がありました。この授業は、文部科学省のホームページによると次のように指導することになっています。
(2) 書写に関する次の事項について指導する。
ア 姿勢や筆記具の持ち方を正しくし,文字の形に注意しながら,丁寧に書くこと。
イ 点画の長短や方向,接し方や交わり方などに注意して,筆順に従って文字を正しく書くこと。
文部科学省「学習指導要領「生きる力」 第2章 各教科 第1節 国語」第1学年及び第2学年より
これは1年生と2年生からの引用ですが、3年生~6年生のところにも文字の形を整えることや仮名の大きさ、配列などに注意して指導することが書いてありました。
また、中学校の学習指導要領でも、書写については次のように書かれています。
第 1 学年では,文字を書く基礎となる字形,文字の大きさ,配列などについて理解して楷書で書くこと,
文部科学省「中学校学習要領(平成29年告示)解説 国語編」 より
ここにも「きれいな字」とは、どこにも書いてありませんが、字形や大きさ配列などに理解して楷書で書くということは、文字を崩さずに字の形に気をつけて書くということですね。
ところが、近年では大学生の就職活動でも昔のように手書きで履歴書を書くことはなく、インターネットでエントリーし履歴書もWordファイルやPDFで送ることがあります。いわゆるIT企業などの比較的若い世代が経営する企業は、そもそも字がきれいかどうかなどよりも、もっと重要視することがあるみたいです。
そう考えると日本もやはり今後は、字がきれいであるかはそれほど重要ではなくなっていくようにも見えます。しかし、大企業などで、入社面接が一次、二次と進んでいくと面接官の年齢層が高めになるのか、手書きの書類の提出を求められることもあるようです。
…ということは今後は世代が変わると、きれいな字がかけるかどうかは重要ではなくなっていくのかも知れません。でも、小学校のみならず、中学校でも学習指導要領で書写の指導事項が決められているところを見ると、やっぱり今後日本で義務教育を受ける人は、きれいな字を書くことを学んでいくのだと思います。
字について親にできること
これらのことを総合して、海外バイリンガル育児をしている親はどうしたらいいのでしょうか。もう一度整理します。
<現状をチェック!>
・滞在国では、字がきれいなことは重要視されている/いない。
・子どもの日本語力の中でも読み書きはどのぐらいかをチェックしてみる。
.
<バイリンガル育児の目指すところ>
・日本語だけなく日本文化も身につけてほしい。
.
<子どもが将来進む道>
・日本に留学するかも?
・日本で就職するかも?
・滞在国の日系企業に就職するかも?
総合的に考えた結果、優先順位と子どもが将来進む可能性を考えて親ができることは次のことです。
・字をきれいに書くことについて、我が家の重要度を決めること。
そしてこの「重要度」は、海外日本語育児の場合は、家庭によって多少違っていてもいいと思います。
なぜなら、このブログでも何度か書いていますが海外日本語育児と言っても環境や目指すものが、いろいろだからです。また兄弟がいる場合は、子どもにもやりたい事や目標があるので子どもによっても重要度が違ってもいいのかな、と思います。
まとめ
今回は、「きれいな字」について、いくつかの点から考えてみました。そして国や地域に偏りがあり、人数も少ないですが世界のあちこちに住んでいる日本人の知り合いの方々にもご意見をいただきました。また日本の義務教育では、どのように指導することになっているのかについても文部科学省の学習指導要領からの引用をご紹介しました。
今回のポイントは、次の通りです。
ポイント
・まず滞在国で字はきれいなことがいいとされているのかチェック。
・子どもの日本語の読み書きの力をチェック。
・字をきれいに書くことは日本語文化だと考えるなら、それをどの程度吸収してほしいか考える。
・子どもが将来進みそうな道を予測してみる。
↓
・これらを総合して字をきれいに書くことの「我が家の重要度」を決める。
バイリンガル育児は、バイカルチャル育児でもあります。そしてそれを家庭や環境ごとにカスタマイズし、子どもの様子も見ながら微調整しながら進めていけたらいいですね。
<追記>
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