こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日奮闘しています。
さて...、海外に住んでいる期間が長くなり、交友関係が広がると冠婚葬祭に呼ばれる機会が増えます。
韓国に住み始めてだいたい15年以上経っていますが、これまでに呼ばれた冠婚葬祭は次の通りです。
・結婚式
・お葬式
・トルジャンチ(子どもの満1歳の誕生日イベント)
・古希のお祝い
結婚式、トルジャンチは主催側としての経験があるのですが、お葬式と古希のお祝いは呼ばれて行った程度でした。
・トルジャンチに呼ばれた時の準備については過去記事へ。 ↓↓
そして今回韓国人の義父が他界したことにより、お葬式をする側に初めて立つことになりました。
ただ呼ばれて参加するのと、お葬式を開く側とでは大きな違いがあるなと思いました。
・韓国のお葬式に参列することになったら?過去記事。↓↓
今回は、初めてお葬式をする側になった経験を感想と共に書いてみたいと思います。
その日は突然やってきた
離れて住む親から早朝や深夜に電話があって、しかも親が高齢だとドキッとします。
ある日の早朝、朝食の支度をしていたら義姉から電話が夫に来ました。
ビックリして電話に出ると
というのです。なんでも義母が朝起きて義父が息をしていないと気付いた時は、まだ体が温かったのだとか。それで義母は義姉に電話をしたら、救急車を呼んでということになり救急隊員の方々が家に来たそうです。
そして、救急隊員と夫の間で電話のやり取りが何度があったあと結局病院にて死亡が確認されました。
お葬式までの書類手続き
夫はその日すぐ、義父が運ばれた病院に行きました。そして悲しむ暇もなく、必要な書類手続きをしたりあちこちに連絡をしていました。具体的には次のようなことをしていました。
・死体検案書を病院でもらう。
・墓石の注文(我が家は山に先祖のお墓があり義父もそこに埋葬されることが前から決まってたのでそのお墓の石の準備)
・親戚や職場にお葬式の案内をする。
・葬儀場、斎場の予約
など
これを当日すぐにしないといけなかったようで、かなりバタバタでした。
...で、私はというと、もちろん葬儀場には行きましたが、子ども達に準備させたり葬儀場まで車で連れていってくれるという友達と連絡とったりしていたので、夫よりは遅れて葬儀場に着きました。
韓国のお葬式は3日間続く
ところで日本だと誰かが亡くなったらお通夜とお葬式が行われますが、韓国の場合はたいてい3日間行われます(韓国語では「3일장」というそうです)。その内容は、だいたいような流れです。
<1日目>
周りに連絡
病院や葬儀場の予約
弔問客にご挨拶
<2日間>
入棺(입관)
弔問客にご挨拶
<3日間>
出棺(발인)
亡くなった人の家族は1日目に葬儀場に集合し、まず喪服に着替えます。葬儀場は「장례식장」と言って、病院のすぐ隣にあることが多いです。義父の場合も、死亡が確認された病院のすぐ横の葬儀場で葬儀が営まれました。
ちなみに、髪には白いリボンのついたピンをつけるよう義姉達に教えてもらいました。そして、この白いリボンのついたピンは亡くなったのが男性なら頭の左側、女性が亡くなったのなら頭の右側につけるのだそうです(腕章も同じ)。
職場の人や親戚、友人などに葬儀の連絡をするのですが、私が韓国で初めて経験したのは、「銀行口座を知らせる」というものです。ここで、なぜ突然銀行口座?!となるかもですが、これはつまり香典の振込先となります。
例えば私が職場の人に私の義父の他界を知らせる時は、次のことも同時に知らせます。
・葬儀場の場所
・出棺の日
・銀行口座
葬儀の場所へは行ける人は直接行く人もいますが、そうでない人は銀行口座に香典を振り込むのもアリです。葬儀場に直接来る人は、祭壇の横にある箱「부의함」に香典が入った封筒を入れてから遺影と家族に挨拶をします。
また、葬儀における礼儀は韓国社会で生まれ育っていたらわかるだろう...と思いきや、そうではないこともあるようで、葬儀場ではどのように振る舞えばいいか書いてありました。
そして出棺のはだいたい朝なので、葬儀場に行く人は葬儀の知らせを受けた日から出棺の日の前の日の夜までに弔問に行きます。
2日目の入館は家族はしないで葬儀場の方がやってくれるようです。2日目は弔問に来てくれる方への対応が主になります。弔問客に出す食事は葬儀場にお願いしたら有料で準備してくれます。食事を出して片付けてくれるおばさんたちも雇うことができます。
そして葬儀場の食事といえば、定番のがいくつかあります。これは喪主が料金表をみて、葬儀場に発注します。
そして3日目は朝から出棺です。遺体の入った棺のある部屋に行くと遺体と最後のご対面になりました。日本だとお葬式で弔問客のみんなに顔を見てもらうという感じですが、韓国では家族のみです。
遺体は韓国の民族衣装のようなものをまとい、そこに親戚から渡された1万ウォン札を1人ずつ入れていきました。ふと見ると見慣れないお札が義父の遺体の胸の上にありました。何だろう…と思ったら、「오만관」というもので、パッと見、5万ウォン札にも見えるのですが、よくみるとデザインも発行元も違いました。葬儀が仏教式なのでこうなったみたいです。
↑画像は、こちらの「仏教百貨店」からお借りしました。
葬儀場にもあった祭壇のようなものがあり、法事のように食べ物とお酒があります。そこで係の方の助けを借りながら家族が順番にお酒や食べ物を遺影に捧げました。そして霊柩車に載せて出棺、斎場へ向かいました。
そして、斎場に到着。 斎場は予約していたにも関わらずちょっと待たされましたが、棺を無事に送り出し家族で斎場で1時間ほど待ちました。
待ってる間、周りを歩いてみると実際に見たことはなかったいわゆるコインロッカーのような納骨堂を見ました。それぞれの納骨堂にはしっかりと鍵がかかっていて、簡単には開けられないようになっていました。そして故人を偲ぶメッセージやイラスト、小物などがありました。ふと見ると故人に会いに来たらしく、どなたかの遺骨が納められている場所の前で焼酎を飲みながら1人で語りかけている方がいて、なんだか悲しくなりました。
さて、斎場で遺体が遺骨になったら日本ではそれを家族が遺骨に収めていきますが、私が見たのは遺骨受取所の向こうで遺骨を集めて機械にかけている係の方でした。遺骨を全てあつめてミキサーのような機械にかけて粉々にしていました。そしてそれを専用の紙(?)のようなもので全て包んで骨壺に収め、骨壺を木箱にいれ、それを布で包み遺族に渡してくれました。
納骨は山で。
我が家の納骨は、コインロッカー式の納骨堂ではなく義父の生前から決まっていた山に納骨となりました。この山は韓国の田舎にあり、旧正月やチュソクの時によくお墓参りに来ていた山です。近くには義父の両親や兄弟のお墓もあります。
そこで、係の方に手伝ってもらいながら納骨でした。係の方がいう順番に土に収めた遺骨が入った木箱に土をかけていきました。そして、食べ物とお酒を祭壇に載せて法事のような感じで順番に礼をしました。
一番最後に係りの人が、
と言いました。3日間頭に留めていたピン、ネクタイ、腕章を取ることでこれで葬儀が終わりということらしいです。
その後は義父の兄弟の家に行ったり、義父の兄弟の家族と食事したりしました。その後やっと義実家に到着。葬儀場に3日間泊まっていた時は、いつ弔問客が来るかわからないのと、寝るのは狭い部屋に親戚と雑魚寝…。心身共にかなり疲れました。
まとめ
今回は義父が亡くなったことで、これまで誰かの葬儀に参列したことはあっても葬儀をする側になったことがなかったため、その経験と感想をちょっとだけ書いてみました。
日本のお葬式に比べると何と言っても葬儀の日にちが長いことと、弔問客が3日間のうちいつ来るかわからないこと、夜は雑魚寝でゆっくり寝られないこと、食事は弔問客にだす料理と同じものを3日間食べ続けたことがきつかったです。とはいえ義父との最後のお別れ。きちんと送り出してあげたいと思いました。
体調の面では、3日間の葬儀と納骨で頭痛と吐き気を起こした私は、義実家に戻ったあと義姉に頭痛薬をもらってしばらく寝ていました。そして、自宅に戻ってからも疲労が1日か2日続いていました。
ところで......、韓国に住んでいる方は、もしかしたら費用の面などが気になるかも知れません。ちょっと長くなったので、次は費用の面だけに焦点を当ててブログを書いてみたいと思います。
※費用についてのブログ、書きました!↓