バイリンガル育児

海外日本語育児 子どもに感謝されたら成功?!

 

こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で子ども達を日韓バイリンガルに育てようとして、早くも15年以上経ちました。

このブログも、子ども達の海外日本語育児について書き始めて約8年ほど経ちました。韓国人の夫と結婚して韓国で出産、子育てをして現在に至るのですが、子どもがお腹にいた頃から日本語でずっと話しかけていました。

 

海外日本語育児って本当に成功するの?
海外育児で日本語教えたって失敗しない?

 

など、周りから色んな声が聞こえたこともありましたが、子どもが私に、

 

子どもの頃から日本語を教えてくれて、ありがとう!

と言ってくれたことをきっかけに、なぜ子どもがそう思ったのかや、どんな風に日本語を教えてきたのかについてブロブに書いてみることにしました。

 

 

海外日本語育児で子どもに感謝された日

 それは、ある日のことでした。家族で家で食事をしていた時に、上の子が突然言いました。

 

お母さん、子どもの頃から日本語を教えてくれて、ありがとう!

 

小さい時は、ずっと「ママ」と呼んでいたのに、いつの間にか「お母さん」と呼ぶようになっていた上の子。突然の感謝の言葉に私は、

 

どうしたの、突然?!
まめちゃん

 

となりました。将来、子どもの役に立てば、と思って海外で生まれ育っても日本語がわかる人になって欲しいと思って海外日本語育児を続けてきたわけですが、感謝される日が来ることは期待していませんでした。そこで、どうして「ありがとう」なのか、子どもに聞いてみることにしました。




子どもの「ありがとう」の理由は?

子どもに「ありがとう」の理由について聞いてみると、次のように言いました。

 

これから将来を考えた時、日本語で試験を受けるとなってもリスニングやスピーキングは最初から勉強しなくてもいいから。

 

とのこと。現在16歳の上の子。テストやら大学のことやら資格試験のことやら、色々と考えると日本語の勉強は1からやらなくてもある程度下地があるので、自分にとっては有利だと思ったようです。もうちょっと具体的に言うと、次のようなことです。

 

<日本語が聞けて話せると1から学ばなくてもいいと子どもが思ったこと>

★学校の日本語の科目のテスト

★JLPTの聴解のテスト

★日本に留学などを考えた時のテスト(聴解、面接など)

 

JLPTとは、日本語能力試験のことで、通常日本語が母語ではない人が自分の日本語力を証明するために受けるテストのことです。日本語能力試験についての詳細は、↓過去記事へ。

参考記事
バイリンガルの子どもが日本語が母語になったら受けられない試験とは?

  こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。韓国で2人の子どもたちを日韓バイリンガルにしようと毎日奮闘しています。   韓国に住んで、自分の子どもに日本語を教え始めて ...

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日本留学などを視野に入れると、自然に日本語力が必要になりますね。




これまでやってきた日本語教育

それでは、これまで私がどんな風に韓国で生まれ育っているうちの子ども達に日本語教育をしてきたかといえば、このブログを遡って読んでいただければ詳細がわかるのでここではコンパクトにポイントだけまとめたいと思います。

 

<私がこれまでやってきた子どもへの日本語教育>

★とにかく日本語だけで話しかける。

★親の方針を子どもに言葉で伝える。

★文字がわかる歳になったら運筆 →文字の練習をする。

★日本に一時帰国した時は、一時保育(保育園)、体験入学(小学校)をしたり図書館で絵本を借りたりTSUTAYAなどで漫画を大量にレンタルしたりする。

★中学生、高校生になっても韓国語で知っていても日本語でわからないことはどんどん教える。

★子どもが日本語でやることには興味を持つようにし、積極的に話題にだす。

 

他にもあったかもですが、思いついたまま↑に書いてみました。「とにかく日本語だけで話しかける」は、大原則で、子どもが保育園児の時にたとえ現地語(韓国語)で返事をしても根気よく日本語で話しかけて日本語で答えてもらうようにしてきました。

 

また、子どもが保育園児の頃までは、韓国語で話しかけて来ても

 

まめちゃん
ママ、韓国語がわからないから日本語言ってくれる?

 

が、通用しましたが、幼稚園になると、

 

じゃぁ、どうして先生と韓国語で話してるの?

 

となってしまったので、はっきりと言葉で私の方針を伝えました。

 

まめちゃん
ママ、〇〇(←子どもの名前)に日本語と韓国語がわかる人になってほしいから日本語だけで話そうね。韓国語は幼稚園でたくさん使うでしょ?

上の子は、結構早い時期に私の方針を理解して、素直に従ってくれました。

 

そして、文字がわかる年齢になったら、運筆をやり、文字を読んだり書いたりする練習もしました。その時に使った教材やよさそうな教材は、↓以下にまとめてありますので必要な方はご覧ください。

幼稚園児用教材の記事一覧

小学生用教材の記事一覧

日本に一時帰国した時は、図書館で絵本や紙芝居を借りてきて読み聞かせをしたり、TSUTAYAなどで漫画をたくさんレンタルしてきて自由に読ませました。とにかく、紙の素材で韓国にいたら手に入りにくいものを中心に子どもに触れさせたという感じです。

 

そして中学生や高校生になっても、海外育児の日本語教育は終わりません。その理由は、↓に書いた通りです。

参考記事
【理由はこれ】バイリンガルの子どもに日本語を教えても終わりがないワケ

  こんにちは。まめちゃん(@mame_chang)です。 韓国で子どもたちを日韓バイリンガルに育て始めて早くも15年以上が経ちました。子どもが小さいうちは、日本語も韓国語もまだちゃんとでき ...

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子どもが大きくなって自分のスマホを持つようになると、自分で興味があるものを自分で検索して見るようになります。SNSも知らないうちに知らないうちに自分でアカウントを作って自由に使いこなします。日本に関連することであれ韓国に関連することであれ、子どもが興味を持っていることに私も興味をもつようにしました。そして韓国関連なら、

 

まめちゃん
それって、どういう内容か日本語で教えて?

 

と言って、実際は内容を知ってることでも「韓国語はよくわからない」というスタンスを保って韓国語で得た情報を日本語にして私に教えてもらいました。そうすることで、翻訳や通訳の練習になったと思います。ただし...、あまりこれをやり過ぎると、

 

日本語で言うの、めんどくさい~。リンク送るから日本語に訳して読んでみて。

 

と言われてしまったこともあります(汗)。何事も、ほどほどに、ですね。




子どもに感謝されたら「成功」なのか?

こんな風にやってきた海外育児(日本語教育)ですが、子どもが「ありがとう!」と言って感謝してきたら、それは「成功」なのでしょうか。

 

そもそも論になると思いますが、「成功」「失敗」というのは、例えば試験に合格/不合格は、わかりやすい「成功」「失敗」と言えると思います。しかし、海外日本語育児に関していえば、

 

これができたら成功/失敗です。

 

という明らかな目安というか指標みたいなのが、ありません。そのため、私は、

 

各家庭で立てたバイリンガル育児の目標が達成できたら成功じゃないかな?
まめちゃん

 

と思っています。では、私が子どもがお腹にいたころ、掲げた目標って一体何だったのでしょうか。

 

それは、上の子がお腹にいた時にある先輩パパが言ったひと言でした。

 

子どもには日本語教えといた方がいいよ。でないと思春期になった時に現地語が通じる親の方にいくから。

 

この先輩パパは、韓国在住日韓夫婦で現地語が通じる親というのは韓国人の母親という意味でした。思春期なんて、自分も通って来た道のはずなのに親として自分の子どもの思春期という場面に接したことがなかった私は、単に、「思春期=家の中が修羅場(親子のバトル勃発)」ぐらいのイメージで、

 

そうなんだ。じゃ、日本語がわかる子にしといた方がいいかな。色んな話ができるだろうし、私は微妙な心境を韓国語で表現できないしな。
まめちゃん

 

と思っていました。そして、子どもがいざ思春期まっさかりの事、パパ(韓国人)とぶつかりまくりまくった時、子どもとじっくりと話ができたのは母親の私でした。そして話はすべて日本語でできました。

 

こう考えると、私が子どもがお腹にいた頃に立てた目標は、

・子どもが思春期になっても日本語でコミュニケーションできて、心の奥にあることも日本語でじっくり話し合うことができる。

 

だったと思います。そして、それができたこと、そして今もできているという状況を考えると、目標達成ということで成功したと思ってもいいのかもしれません。




結論として子どもに感謝されるとは成功を意味するの?

結論としては、気が付いてみると私が当初たてた目標は達成されているので、私なりの基準では成功していると言えるのかも知れません。そして、子ども自身に感謝されるということは、成功というよりもある意味プラスアルファというか、ボーナスポイントとでもいうべきものなのかも知れません。

 

もし海外育児で、子どもに日本語や日本文化を受け継いでほしいと思ったら、私のやり方を振り返ってみると次のようなステップをひとつの例として参考にするといいかも知れません。

1.まず家族で「海外育児(日本語教育)の目標を立てる」

2.子どもには、言葉にして親の方針をきちんと伝える。

3.目標達成のために思いつくことは何でもする(先輩ママ、先輩パパの体験談は貴重)

4.実践あるのみ

 

これまでの育児を振り返ってみると、子どもが子どもである時期は短くて過ぎてしまえばあっという間です。子どもが小さい時は、目の前のことで本当にいっぱいいっぱいで余裕がないかも知れません。でも、子どもができるだけ小さい間に海外育児(日本語教育)の目標を家族(夫婦)で具体的に立てて、ひとつずつ実行していくことは、後で振り返ると海外育児をする親が子どもにあげることができる能力のひとつではないかと思います。

 

今回は、うちの上の子の話で日本語の能力といっても「聞く」「話す」、つまり会話能力の話でした。次は、海外育児(日本語教育)での、子どもの「読む」「書く」の力についてもお話ししたいと思います。

 

日本語で話しかけても子どもが現地語で返事してきたり、配偶者が日本語がわからないからつい子どもに現地語で話しかけたり...。なにかと大変なことが多いのですが、全ては我が子のために...。

 

そんな気持ちで取り組むことができたらと思います。




 

  • この記事を書いた人

まめちゃん

韓国で2人の子供達をバイリンガルに育てています。大学院生の頃は第二言語習得を研究していました。日本語教師の経験が約20年。子供達のバイリンガル育児や国際結婚、バイリンガル育児について第二言語習得や日本語教師的な視点からブログを書いています。 時々韓国の義実家に関する泣き笑いネタもあります^^;

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